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偕老同穴なり。

私はチョキを出す。彼が決まってパーを出すから。

私たちはよくじゃんけんをする。決め事、洗い物、お会計、掃除。彼は綺麗にたためないから洗濯ものは私がたたんでいる。

一度、なんでいつもグーなのって聞いてあことがあった。もしかしたら二度かもしれないが、そんなことはどうだっていい。彼は言ってた。

 パーで負けるよりグーで負けるほうが負けた感じするから。

そっかと答えた私はいまだにピンと来ていないし、チョキに関しては仲間外れにされている。そんなことを思い出しながら彼は今日も奢ってくれた。

からすのなく声を聞きながら夜の風と酔いを感じ、自動販売機で買ったホットコーヒーをふたりでシェアし散歩して帰った。からすって夜も鳴くんだねと呟いたが、夜の街の声に一瞬でかき消された。田舎者だねって小さく彼の声が聞こえたけれど、残ったコーヒーを渡しながら聞こえていないふりをした。

明日は、グーを出そうかな。心の中で囁き彼のポケットに手を入れた。


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