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否定されることを気にしない 歴代アート酷評の歴史

こんにちは。
福岡でテレビショッピングを中心に映像ディレクターをしている別府です。3児の母、共働きのフリーランスです。

今日は最近読んだ本「世界をゆるがした アートクールベからバンクシーまで、タブーを打ち破った挑戦者たち」を読んで感じた否定と個性について。


今では有名なアートが過去酷評の歴史

マネ、ゴッホ、ピカソ、デュシャン、モンドリアン、ダリ、バスキア、……
今ではその名が世界に知れ渡る有名アーティストたちが"常識に挑んだ50人"としてその活動エネルギーの根源や発表当時の世相を作品の酷評と併せて掲載されている本著。

酷評されても自分を貫く勇気をもらえる本でした。

ちなみに、以前書いたアートとデザインについてのnote記事はこちら。

売れるか売れないかでいうと、この本に出てくるたくさんの有名アーティストは作品発表当時はどちらかというとほぼ売れない方。
酷評されたりそもそも生存中に売れなかったり、数千作品あるのに1作品しか評価されなかったり(ムンクの叫び)。

デュシャンの泉も昔は酷評されていた

例えば、陶器の男性用便器をひっくり返して偽名でサインしたマルセル・デュシャンの有名な作品"泉"は今ではコンセプチュアルアートの最も初期の代表的作品。当時(19147年)デュシャンはニューヨーク独立美術家協会の第一回展示に創立メンバーとしてこの作品を出品。

しかし協会は、入会費を払った会員の作品は全て展示されるという会則だったにも関わらず、運営委員はこの"泉"がデュシャンの作品と気づかず、展示しないことを決め「《泉》はしかるべき場所に置かれればとても役に立つ品物だが、置かれる場所は美術展会場ではなく、したがって、どんな定義によっても美術作品とは言えない」という声明を発表。
デュシャンは協会を離れています。

現代もそうですが、しがらみとか過去の慣習に囚われる人や団体っていますよね…
 

アートは人間に常に問いかける

《泉》のオリジナルは行方不明で現在17個のレプリカがあるそうです。
そのうち1台は1999年にサザビーズのオークションで172万ドル(約2億)の値段がついたらしく、日本にも1個が京都の国立美術館にあるそうです。

他の芸術品と一緒に恭しく飾られ専門業者によって丁重に運ばれるであろう便器…その現象こそ芸術と人間の向き合いを問うような作品で面白いですよね。
多分、この当時の展示会には他にも"ちゃんとした"芸術作品がたくさん出展されていたはずですがそれらは現在は全く知られず、この《泉》は高値で取引されている、その現象の「アホらしさ」が狙いなんだと思います。

この普遍的な便器と高尚な芸術視点という2つの距離感が面白い!!

時代を超えてモチーフやアイデアを通して当時と現在の歴史を
「君はどう生きるのか」メッセージを投げかけます。
 

否定されても気にしない人だけが残る

アーティストが否定されても描き続けて今につながる歴史。
有名にならない作品も誰かに何かの影響を与えていると思います。
もしかしたら私の映像も誰かの何かの役に立っているかもしれない。生きている全ての人が赤ちゃんも含めて何かの役に立っている。

そう思うと、否定されても自分を持って創造し続ける大切さ。
笑われても否定されても残るのは自分という自己肯定感が大事だと痛感しました。この自分を貫く強さが個性につながるんだろうなと思いました。

私も映像制作の過程では、企画やコンテ、編集試写の段階でも批判や修正依頼を受けることが日常茶飯事です。
しかし、その声は視点を広げるチャンス。迷いや葛藤を感じつつも、試行錯誤を重ねた結果、より良い映像が生まれる瞬間があり、それが創作の醍醐味とも言えます。
 

まとめ、今から生き方を変えること

万人に価値があり、存在を否定すべきではない、というなら他人を私が否定するべきではないという社会に対する姿勢を持ちたいと思いました。
(私は割と否定も肯定も0-100でしないタイプ)

アーティストと歴史に問われているのは常に
「君はどう生きるのか」

SNSで誰かを批判する日常を過ごすなら、いつも誰かの噂話や評判ばかり話しているなら、少し思考を止めて、美術館に行ってはどうでしょうか?
先人が残した贈り物に心が癒されることと思います。


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#ジブン株式会社マガジン  #読書感想文 #私は私のここがすき #アート #芸術 #デュシャン

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別府 綾/映像ディレクター
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