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家電が与える夢と希望ー祖母が残した足踏みミシンー

こんにちは。
福岡でテレビショッピングを中心に映像ディレクターをしている別府です。3児の母、共働きのフリーランスです。

元日、祖母が住んでいた実家に帰ってすごいものを見つけました。
ナショナルのアンティークな足踏みミシン!

2025年は昭和100年。最近見た朝ドラ「カーネーション」再放送で少し予習?していただけに感動したお話です。


1. 「便利な暮らし」の実現

戦後日本では、多くの家庭が電気製品を持たない中、ナショナルの家電は「新しい時代の扉を開く」役割を果たしました。

冷蔵庫、洗濯機、テレビといった「三種の神器」は家事の負担を減らし、家族が一緒に過ごす時間を増やしました。特に足踏みミシンなどの製品は、女性が家で新しい可能性を模索する手助けとなり、家庭の中にクリエイティビティをもたらしたそうです。

なんとあの足踏みミシンが目の前に!

今、私はNHK連続テレビ小説「カーネーション」の再放送を見ています。
(2011年10月から2012年3月まで放送された第85作目)

実在のファッションデザイナーである小篠綾子(コシノ三姉妹の母) )の生涯をモチーフにしたフィクションで、主演は尾野真千子さん。
戦前大正時代に和装の女性たちが洋装に目覚め、そして贅沢なお洒落を禁止され苦しい戦争時代、そして戦後再びたくましく生き抜いていく女性たちの物語で、椎名林檎さんのテーマ曲と共に当時大流行しました。

ドラマの中で、糸子(尾野真知子さん)が当時相当貴重なミシンに最初に出会うシーンや戦争で供出されまいとミシンを守り抜くシーン。
随所で足踏みミシンがとても輝いて見えます。

糸子は4人姉妹の長女、3姉妹の母としてまた雇っている女性従業員たち、たくさんの女性たちのご飯=生きる糧となった右腕のような存在のミシンを心底大事に生き抜いて歯を食いしばって生きていきます。
(余談ですが、家父長制で厳しい呉服屋の父(小林薫さん)にも刃向かっていく根性と愛情もまた素晴らしい物語)

職業婦人たちが男性中心の社会に風穴をこじ開けていき、専業主婦たちも家庭でモーレツ社員たち(死語!)を陰で支え日本の発展に寄与したことだと思います。

そんな!ミシンが!ここに!おばあちゃーーーん!!!
 

2. 未来を感じさせるデザイン

このミシンは、機能的であるだけでなくデザイン性にも優れ、未来への期待を抱かせました。
昭和後期には、カラーテレビやポータブルステレオが家庭を彩り、家電そのものが「豊かな生活の象徴」となりました。モダンで洗練されたデザインは、当時の若者や子供たちにとって「大人になったら手に入れたい憧れの品」だったのです。

いかがですか。このミシンも、とにかく装飾が洋風ですごくオシャレ
木目の引き出しや取手にはそこはかとない和のテイストも感じられて和洋折衷、畳にもマッチするセンス。惚れ惚れしたお正月でした。

品のある佇まい
拡大して見て欲しい細部の装飾
素材の違いやゴツさが素敵
このフォントバランスが気持ち良い
細かい収納がニクイ実用性の高さ
特に好きな松を思わせる引き出し
扉の取手の房がまた美しい
NATIONALのロゴ祭りは
フォント選びがすごく勉強になる
祖母がミシンをくるんでいた布は煙草と塩の専売公社!!


3. 家族と夢を繋ぐ家電

戦後の混乱から立ち直り、高度経済成長期を駆け抜ける中で、家電が果たした役割は大きく製品を超えた「夢の提供者」としての堂々とした存在感がありました。

家電は、ただの機械ではなく「家族の絆」を深める存在。

一緒にテレビを囲み、笑い合い、感動を共有する時間。
洗濯機や掃除機による家事時間の短縮で、家族と過ごす時間が増えたこと。
家電製品を購入する「家族会議」は、家庭における小さなイベントは今でもワクワクする夢のある時間です。

昭和家電が届けた夢は、単なる便利さや効率性だけでなく、「家庭がもっと楽しく、未来がもっと希望に満ちたものになる」というビジョン
それは「家庭の幸せを支えた思い出そのもの」と言えるのではないでしょうか。

「夢」という抽象的な物は目に見える物質として存在するんだと、映像シナリオを作る上でも非常に参考になる体験でした。
 

4.終わりに

昭和を礼賛しすぎるわけではないですが、やはり歴史は過去からの贈り物

これを持っていた祖母は戦争で満州から命からがら帰国し2人の子供を育てながら電電公社(現在のNTT)に勤め、自宅では祖父が今で言うコンビニのような雑貨商を営み地域でただ1軒の煙草販売も。
(余談ですが煙草カウンターがあった店舗も覚えてるな〜タバコ屋の歴史)
寅年生まれのたくまし過ぎる女性でした。

もはやこれは、どこぞの博物館に行って誰かいつかの展示物を観るより(それも素晴らしい経験だけど)すこぶる価値のある体験を正月から出来て、おばあちゃんのお導きだなあと清々しい気持ちになりました。

物価高など暗いニュースばかりですし、現在は社会保障が高く税金にも苦しみ高齢者を若者が支えていると非難の的になっていますが、気持ちから明るく前向きに生きていきたいものですね!


ここまでお読みいただきありがとうございます。
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別府 綾/映像ディレクター
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