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短歌もらいました⑯✧♡

 245ページある本をついに折り返した( ´艸`)今日は132ページからスタート!そこにどど~んと俵万智さん。これはカンタンにスルーできない人が来た。いや、ほんとうは誰もが簡単にスル~できない歌人ばかりなのだが、すべてに引っかかっていると、永遠に終わらないので、独断と偏見で進む💖


おかみ、もう大丈夫です。道長は去りました( ´艸`)


 俵万智の何がそんなに特別だったのか?「サラダ記念日」は、読んだような読んでいないような。ざ~っと、気になる歌をピックアップする。
 今、私と同じ1962年生まれだと気づいた。寅年です!寅に翼です。


「嫁さんになれよ」だなんてカンチューハイ二本で言ってしまっていいの
「寒いね」と話しかければ「寒いね」と答える人のいるあたたかさ
「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日

「サラダ記念日」1987(25歳)

 あまりにも有名過ぎて掲載。
 25歳で、私は黒帯(旦那)と結婚( ´艸`)

はなび花火そこに光を見る人と闇を見る人いて並びおり
チューリップの花咲くような明るさであなた私を拉致せよ二月

「かぜのてのひら」1991年(29歳)

優等生と呼ばれて長き年月をかっとばしたき一球がくる
男ではなくて大人の返事する君にチョコレート革命起こす
ポン・ヌフに初夏の風ありふれた恋人同士として歩きたい

「チョコレート革命」1997年(35歳)

 優等生の歌が好き。チョコレート革命という言葉もいい。

ポンヌフの恋人

バンザイの姿勢で眠りいる吾子よ そうだバンザイ生まれてバンザイ
生きるとは手をのばすこと幼子の指がプーさんの鼻をつかめり
たんぽぽの綿毛を吹いて見せてやるいつかおまえも飛んでゆくから
揺れながら前に進まず子育てはおまえがくれた木馬の時間
みかん一つに言葉こんなにあふれおり かわ・たね・あまい・しる・いいにおい

「プーさんの鼻」


息子はいずれ飛んでゆく


 恋人の話をしていた女の子から、母になった。
 以前、永田さんがこの歌集を紹介していた文章がとても心に残っているので、ここに再び、引用する。


ぽんと腹をたたけばムニュと蹴りかえす なーに思っているんだか夏

俵万智「プーさんの鼻」

 俵万智の歌集「プーさんの鼻」はいい歌集だと思い一気に読みました。一巻は、子を得て明るく、華やいだ雰囲気が感じられますが、その明るさの中にあって、これまでの俵万智の歌集の中ではもっとも悲しい歌集ではないかと思って読みました。(中略)胎児を詠んだ歌はこれまでにも多くありましたが、蹴り返す子に向かって「なーに思っているんだか」と呟いた母は、これまでになかった。恋人に話しかけるような口調でお腹の子供に呟いた言葉として、とても新鮮に感じられた事でした。

 「NHK短歌・作歌のヒント」永田和宏

振り向かぬ子を見送れり振り向いたときに振る手を用意しながら
「オレが今マリオなんだよ」島に来て子はゲーム機に触れなくなりぬ

「オレがマリオ」2013年(51歳)

 俵万智という一世を風靡した歌人が女性から息子を見守る母になるまで。
「サラダ記念日」を表面的に知っていた時より、ずっと親しみを感じる。
 今年、歌人である彼女を追ったドキュメンタリーを観たが、それもとても面白かった。言葉に対する感覚が、流石だな!と思って彼女の言葉をメモしたが、そのメモは今いずこに?( ´艸`)



あっ、ビデオになってた、って君の声の短い動画だ、海の
紫陽花の こころにけもの道がありそこでいまだに君をみかける

千種創一

 人にも寄るが、女は、別れた男のことは思い出さないが、男は繰り返し記憶を反芻するというような言葉を見た気がする。そのことを思い出した。




 きゃあああ!次の歌人は、あの、千葉聡さん!
 今までさんざん素晴らしい一首鑑賞をしてくださった編者の一人。
 1968年生まれ。公立中学校、高校の国語教諭。
 彼の教師生活が見えるような短歌をビシバシもらいますね💖

明日消えてゆく詩のように抱き合った非常階段から夏になる
夏になりそびれた廃材 母が指ささないものを見てばかりいた
「おはよう」に応えて「おう」と言うようになった生徒を「おう君」と呼ぶ
戦争をその手にさせるな 教科書に縦長ハートを書く白い手に
卒業生最後の一人が門を出て二歩バックしてまた出て行った
海は海 唇噛んでダッシュする少年がいてもいなくても海
海賊より空賊がいい 寝転んでこの空を青く青く蹴る男子

千葉聡

 同じ元公立中高教師として、生徒のことは、意外と青春の短歌の材料となるなあと思った。むしろ、短歌の宝庫なのかもしれない。
 彼自身が少年から青年になり、職業人として生徒を詠むまでの心の推移が見れて面白かった。教師は決して楽な仕事ではないが、毎年、フレッシュな青春真っただ中の人々に会える善き仕事だったな、と客観的に思う。

 でも、今の自由人が一番いいけどね( ´艸`)てへぺろ💖

 本当は一首選んでいたのは次の歌である。

卒業生最後の一人が門を出て二歩バックしてまた出て行った

千葉聡

 高校の卒業式。早く卒業したいという進路決定組と、これから受験の2次試験の本番という進路未決定組の生徒がいるのが高校の卒業式。
 卒業したはずの卒業生は次の日もきちっと制服を着て、二次対策をするためにいつもと同じように出校する。正直、そんな時の、卒業式は、ある意味、進学校ではあまり情緒を感じるものではない。
 しかし、一つの区切りとして、美術部が黒板に絵を描いたり、式歌練習をしたり、校内の飾り付けにより、やっと卒業という実感が迫ってくる。
 ここでやはり音楽と美術という芸術のチカラは大きいと感じる。

キタキタ高校の卒業式の黒板アート

 そんな卒業式の日。
 最後の一人の卒業生が校門を出て行った。部活動には入っていなかったが、とにかく学校の学習センターを利用して勉強していたA君だ。
 校門を出て、ハッとして彼は戻ろうとするが、あ、どうせ明日も来るのだからと、今日の卒業式の区切りを演じて、今日は帰ることにした。

 A君、卒業、おめでとう!
 そして、明日、また来いよ💖
 私は心の中で彼に言った。

千葉氏が学校で書いてる白板


私の作った図書ポスター。本を読む生徒はちっとも増えない

 

自分の好きな物を採用するw


教員の評判はいい💖
短歌をもらう話でしたw








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