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奈良美智展クロージング✧♡②

 新幹線を降り、ねぶたん号へ。寒いバス停でしばし待ち、乗る。
 青森県美は、次の停車場所だとアナウンスが告げる。でもきっと歩いて行けると言うほどではないんだろう。徒歩40分。車で10分。
  15時には青森県美到着。ほぼすべての乗客が降りる。
 「ミナ ペルホネン」のコートを着た人、鞄を持った人に遭遇する率が高い。この美術館でその展覧会があったと姉のブログで見た。展覧会を観るより早くショップに行列を作っていて恐れ入ったという姉の記事の記憶。

 それを思い出すと、ちょっと恥ずかしい「ミナ ペルホネン」( ´艸`)
 記憶で書いていたら私は「ミナホルペルン」だと思ってた( ´艸`)

 案の定、青森県美は、凄い人であるが、まず、姉たちの到着を待つ必要がある。ぶらぶらすると、NHKの「ブギウギ展」が無料で観れるらしい。
 入口が、ただの壁にしか見えないコミュニティホールに入り、淡谷のり子中心の展示を観る。
 「ブギウギ」は、毎日見ていたので、楽しく鑑賞した。淡谷のり子と彼女を演じていた菊地凛子はあんまり似てないが、実はばっちり化粧をした淡谷のり子とは意外に似ていると展示の写真を見て思った。
 淡谷のり子の素顔の目は細くしもぶくれ。
 黒柳徹子の色紙が飾ってあり、文章を読むと、淡谷さんが化粧する時、
「目の所在をはっきりさせねば」
と、言っていたとあった。それにとてもウケる。
 その化粧をすれば、みな、淡谷のり子風になるのだ。
 映像の部屋もあって、そこで「別れのブルース」を聴いたり、服部良一先生の指揮の元歌う彼女を観た。淡谷のり子の歌を初めてマジメに聞いた。歯に衣を着せない硬派で、とても面白いユニークな人と目に映り、バラエティにも出ていた、そんなイメージばかりがあった。
 淡谷のり子の言っていた津軽弁のじょっぱりとからきじの違いが面白い。どっちも強情っぱりという意味だが、「じょっぱりは、妥協点がある」それに対して「からきじは、正しい、間違っているに関わらず、強情を通すこと」と言っていた。なるほど!と感心。私の母はちょっとからきじだった可能性がある。
 同級生と姉の2人に、無事再会。まずは展示室に行くことにした。展示室に行ってしばらくするとチケットを貰いたい知人からの電話。急いで受付に戻る。無事、会えて、チケットをプレゼントすることができた。昔から親しい友人同士でもある2人の美術教師を見て、嬉しい。
 N君、Y君としておこう。私にとって彼らは出会った時の20代の青年のイメージだ。私に何かプレゼントがあるとのことで彼らもDJを聴き、終わりまでいると言う。まずは最終日の展示をそれぞれに観ようと別れるが、その後も度々一緒になる( ´艸`)。

 とても混んでいた。

 私が観たのはオープニングの関係者だけの時と、amazarashiのコンサートのついでに観た平日の時で、最終日は、とても人が一杯いるという印象を受けた。これはクロージングの日のレポートだ、と気持ちを切り替える。

どこにいってもわらわらと人が( ´艸`) 
とても作品を観る気にはなれない人数( ´艸`)
今日、DJをやる建物の前の行列
奈良美智の絵とは違うからか、意外と人のいない女の子のデッサンの前

 N君Y君とこのデッサンの絵の前で会う。
「このデッサン好きなんですよ」とY君。実物大の女の子より1.5倍ぐらい大きいかもしれないデッサン。私もこの絵が気になって前回一杯写真撮ってた。今、2月から写真見ながら人間のデッサン(クロッキー)している私には、この書き直しの無いデッサンの一筋の線が驚異だ。
 やはり世界的アーチストは只者ではない。 

 歩き回っているうちにまたN君Y君に遭遇、ってか、2人が何を話しているの興味があって後ろからそっと覗き込んでいるストーカー疑惑の私。
「奈良美智と村上隆と、同じ時期に出てきて、しかし、方向性がまるで逆で、でも、同じくらい売れているアーチストだよねって話をして、ふっと見たら、村上隆本人が、さっき会場に、居ました!」
 ええええ?村上隆もクロージングに来てる?
 さっき、似た人を見たような( ^ω^)・・・

「いろいろなドローイングの軽やかな感じ。
 自分の絵を描き始めた頃の、軽やかな感じで、ず~っと60歳を越えて表現できているのは、凄いと思います。ぶれないっていうかなんて言うか。」
 
 私と姉の会話には全く出てこない感想が好ましい。 

クロージングDJの準備中 

 時間が17時になっていよいよ作家によるロック喫茶でのDJが始まった。
 準備も相当もたもたしてたけど( ´艸`)
 始まってからも結構なグダグダ感( ´艸`)
 懐かしの思い出の店で良くかけていたレコードを作家がかける。レコードかけながら何話すか打ち合わせしましょ、と奈良君。
 我々はある曲を聴く。曲が終わると「さっき、盛り上がっていた話題をほんとはみなさんに提供できればよかった」と言うケド、曲しか聞こえてない。そうやって、5曲ぐらい提供されたあたりで、私は姉に相槌を打つ。

「あっちのロビーで2人で話しようよ」

 抜け出して、ロビーで靴を脱いでソファに座り、リラックスして近況を話した。ロビーには奥さんの連れ?というような人々が待っていたり、ちびっこが駆け回っていた。まあ、つまり、作家が好きな曲とか思い出の曲をかける時間が耐えられなくて外に出てきた我々姉妹。この後、何か素敵な話とか凄いことが話されたかもしれないが、聴いてない。私は会場に居た5曲の間、次に、noteに投稿するとしたらどんな記事か?と記事を推敲していた。

 さんざん、姉と大笑いして、今、ちょっとキャロル・キングの「君の友達」だから、そろそろラストなんじゃね?と会場の近くに戻った。

 作家が画面を去ったらしく拍手が起こったが、なぜかずっとトークは続いてる。会場に作家が来て挨拶をしていることに気付いた時は時すでに遅し。肝心なことは何も聞いてない( ´艸`)

「みなさんが生活に困ったときは図録をネットで売ってもいいから」
とか言って笑いを買っていた言葉しかゲットしてない。

 ずっと微動だにしないで(観てないから知らんけど)立ったまま話を聞いている皆さん、作家の登場に感激して泣いている人もいたようだ。
 ああ、この人たちにとっては奈良美智は推しなんだ。

 私は今までの経験から、講演は奈良美智より、村上隆の方が面白いと感じている。

 月曜は仕事のN君Y君にすまない気持ちで一杯になって再会すると、
「面白かったです。ああいう人だと思わなかったから作品の観方が変わるなあ」とか、「ほぼリスナーがいないローカル局のラジオ聴いてたみたいで面白かった💛」という前向きな言葉を頂き、2人のことがますます好きになった。今、何歳になった?と聞いたら47歳と聞いてびっくり。
 だよね、私も60代だし、20年経ってたか!

 プレゼントを頂き、同級生の車に姉と乗せてもらい、チェックインの後、また居酒屋に集合し、2次会のカラオケまで楽しく飲んだ。
 肝心のDJ聴かなくて、何しに行ったのか?だが、奈良美智のおかげで、姉や同級生と定期的に再会できて楽しかった。

 次の日、家に帰り、黒帯(旦那)に、我々は君に降りた母の御神託で、背中を押されたと話すと、

「そうだろう、お前たちはあんなに始まりは盛り上がっていたのに(←それも黒帯が背中を押した) 奈良美智の展覧会から心はなれて、遠ざかっていただろう。でも、そうじゃなくて、あの展覧会を、初めから、中間も、そして終わりまで、全体を観たことに価値があるんだ」

 意味ありげでかっこいいことを言う。
 我が旦那ながら不思議な男だ。

 奈良美智のDJに推しは泣いているが、推しでない人々は、もっと、面白い話、しないんかい!と思った。

 作家は作品だけで素敵だから✧♡

 ごめんね✧♡

 奈良美智は偉大です( ´艸`)