
心震えるドラマ✧♡
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子どもの頃、母親と一緒に田宮二郎主演の「白い巨塔」(1978)を観た。母親に釣られて観ていたが、記憶はあまりなく、同じ時期の「あ・うん」の方が懐かしい。
最近、唐沢寿明主演の「白い巨塔」が平日2本ずつはいっていた。
何の気なしに録画して見始めたが、とても面白かった。
こ、こんなに面白いドラマってある!?
と、今、ちょっと財前教授(唐沢寿明)ロスである。
山崎豊子さんの原作がとてもいいのではないか?
このドラマも2003年製作らしく今から22年前ということにびっくりだ。
ヘッダー写真のような教授回診。
ドクターXで、大門未知子が「いたしません」と言っている奴だ。
医師ドラマの金字塔である「白い巨塔」の、完璧なパロディなんだと、今さら気づいたのだ。
「白い巨塔」は、医学界の知られざる実態と人間の生命の尊厳を描いた山崎豊子さんの1960年代に発表した同名小説(新潮文庫)を、フジテレビが1978年に続いて25年ぶりに再連続ドラマ化。原作の持つ圧倒的なエネルギーはそのままに、舞台設定を2000年代に置き換え、徹底した取材でリアリティーを追求しつつ、人間の業を深く掘り下げて濃密な内容の本格派ドラマに仕上げた。
物語は、欲と権謀渦巻く国立大学医学部を「白い巨塔」にたとえ、類まれな技術と傲慢な人格を併せ持つ外科医・財前五郎(唐沢寿明)と、対照的な性格の内科医の里見脩二(江口洋介)の運命と、彼らにまつわる人々の人間ドラマを描いた。次期教授の座を狙う財前助教授(唐沢寿明)は、その不遜な行動から東教授(石坂浩二)に疎まれはじめる。危機感を感じた財前は、鵜飼医学部長(伊武雅刀)の診断ミスを見つけた里見助教授の協力要請を断り……と展開する。
これは、名作だ( ゚Д゚)。
財前五郎という優秀で、傲慢な主人公のことがなんだか嫌いになれない。反対に、正義を貫き、大学の敵に回る里見教授が、ちょっと忖度しておけよ?と思うような場違いに空気読まない人に見えていた( ´艸`)
(私も相当、組織の中の人間として働いてきたと言うことか?)
しかし、だんだん、財前側に立っていた気がする私も、大学から追い出されても、家族から見放されても信念を変えない里見教授の姿勢に打たれてくる。
弁護士も、医者も、訴える患者側も、人として、白か黒か、どっちに転んでもおかしく無いような境界線を歩く、辛い戦いを強いられる。
深い、深い、ドラマだなあと思った。
私の記憶する深いドラマは、山田太一の「男たちの旅路」「岸辺のアルバム」、向田邦子の「あ・うん」「阿修羅のごとく」「冬の運動会」しか思い出せない。三億円事件の犯人を沢田研二にして描いた久世光彦演出の「悪魔のようなあいつ」も、大人になって観たら笑っちゃったが、当時は面白く見ていた。
日曜の夜に放映の、松山ケンイチ主演の銭ゲバ(2009年)も面白かった。
内容がめっちゃ暗くて凄い。
明日が月曜日だと忘れるぐらいだった。

今は、社会や仕事が窮屈で大変なので、タイパコスパ、ドラマでは、大変なものを観ようとは思わない時代だ。
孤独のグルメ、深夜食堂、晩酌の流儀、ワカコ酒・・・となんだか美味しいものが出てくる癒し系ドラマばかり増えている。
でも、こんな硬派でハラハラドキドキして、日常がどこかに飛んでしまうドラマもいいものだ。
このドラマに流れる「アメイジンググレイス」や、加古隆の音楽とともに、ドラマがフラッシュバックして、財前五郎のドラマのない毎日はちょっとつまらないな、と感じる。
なんのサブスクもはいってないから知らんけど、もし、観れる立場にあったら、満を持してこのドラマの視聴をおススメします( ´艸`)
白い巨塔、大傑作✧♡

