異世界転生したら、ち◯ち◯が……だった件
「はあっ、はあっ、はあっ」
初夏の夜。
蒸し暑さが増し、冷房を付けるか躊躇われる季節のある夜。
望はいつものようにオナニーに耽っていた。
六年一組の玉城から『ちんちんの先っぽ擦ると気持ちいいぞ❗おなにーって言うんだぜ❗最初は痛いけど、やってみろよ❗』と教わり、実行してみたのが半年前。
その快感たるや凄まじく、全身がぶるんぶるんと痙攣し、直後に、物凄く悪い事をしたのだ、と後悔が襲ってきた。これは、身体が大人になってきてしまった証拠かもしれない。
恐くなり、最初はあまりしなかったが、段々と『こうしたらどうだろう?ああしたらどうだろう?』と、謎の好奇心?探究心?が次から次へと芽生え、様々な事を試した。
お母さんのヘアワックスに突っ込んでみた時は、ガビガビバッキバキとなった。
お風呂で大量のシャンプーをつけて擦った時は、包皮の間に入り込んだシャンプーの所為で泡がおさまらず、ちんちんからの無限の泡ぶくにテンパったりした。
良くない事とは気付いていたが、望は自慰に取り憑かれていった。悪い事はクセになる。背徳感や、何かこの世の真理を手にしたかのような超越した感覚は、小学六年生には強烈すぎた。
アウトローになったような、妙な悦びもある。他のやつとは違うんだ、お前らとは違うんだ、という一種の優越感は麻薬だった。
“秘密の悪い遊び”
望は、六年三組のクラスメイトの男子にもこれをこっそり伝えた。みんな虜になっているだろう。みんな望に感謝していると思うと、にやにやが止まらない。いや、自分も一組の玉城に教わった身だが。
一番、熟練している、熟知しているという自負がある。
そこらのやつなんか足元にも及ばない、オナニーの名人なんだ❗と変な誇りをもっていた。
回数もそうで、一日に七回して、ちんちんが腫れた事さえある。
“どうだ、すごいだろ❗超いてーんだぞ❗”
真っ赤になったちんちんをトイレで見せびらかすと、同級生たちは口々に望を賛美し、畏怖し、達人と認めた。
女子の目を盗んでは、男どうし、ちんちん談議、オナニー談議に花を咲かせた。
何人かは『やめなよ』と注意してきたり、恐れて離れていった者もいた。根性なしめ、と望はせせら笑った。
鷲井ゆうなんかもその一人だ。
『あんまりしない方がいいと思う。入院したら、大変かもしれないよ』
などと、女子に大人気の整った眉をひそめて、そう注意してきやがった。でっかいちんちんして、とんだ腰抜け野郎だった。
そういった意見に張り合うように、望はちんちんを弄くった。両親がいない時や、寝る前に望は自慰に耽った。何なら、お風呂やトイレでもした。というか、学校でもした。
先日は、なんと友だち数人と放課後に人気のない神社の裏手へ集まってした。誰が一番たくさんイケるか、回数を競った。望が五回という記録を叩き出して、称賛と鈍痛を誇らしく抱えて帰宅したのは言う迄もない。
望たちの非行?グループは、組織の規模と勢力を拡大し、他のクラスは勿論、下級生にすらその魔の手を伸ばし、巧みに勧誘しては構成員とした。
他の小学校の連中まで加わり、近隣では並ぶもののない、最大派閥の巨大反社会的勢力となった。
お姉ちゃんの所持しているエロ本を持ち出しては回し読みし、同級生美少女の運動会の写真をシェアし、お母さんの隠していたAVを見てはオナニーしまくった。
話が逸れて恐縮だが、この世界では男性はいないので、それらの書籍や動画作品は全て百合が基本である。女性しかいないので、性の対象は女性なのだが、同性愛やバイセクシャルという概念自体が乏しい。強いて言うならば、人間愛であろうか。性別はなく、性の対象は、好きな人。そこにレズビアンもバイセクシャルもない。好きな人が好きだから好きでいいじゃない?が当たり前になった世の中であった。アブノーマルな性癖の方も、違法でなければ問題はない。ただ、カミングアウトして引かれる事はあるが、恥ではないし、非難される事もない。風俗店やアダルトビデオも普通に存在し、大抵の人が大人のおもちゃを所有している。
残念だが性犯罪者も、いる。
小学生ながら、望はその断崖絶壁に爪先を踏み外し掛けていた。
望は首領だった。
『根元?あ、あのちんちんマスターの!?』
ああすると気持ちいい、こうすると気持ちいい、という武勇伝に、皆は尊敬の眼差しを向けた。
知らぬもののない裏の大物として根元望は君臨した。
唯一、恐ろしいのは学級委員長の関口麻衣だった。望たちが屯していると『何してんのよ❗さっさと帰りなさいよ❗』と叱ってくるのだ。
手強い強敵だが、いつか報復してやる。
そのチャンスを狙い続け、今日の夕刻、その時が来た。
それは正に棚からぼた餅だった。
学級委員長のくせして麻衣は、教室に白衣を忘れていったのだ。大抵の学校で給食当番と保健の授業の為にマイ白衣を用いる。使ったそれを洗濯するのに持ち帰る筈が、自分のロッカーに置いていってしまったのである。
”委員長のくせに、忘れ物しやがった❗”
自分も宿題のプリントを忘れて教室へ取りに戻って麻衣の置きっぱなしの白衣に気付いた望は、狂喜した。
それを掴むと、人生史上最速のダッシュで帰宅し、自室に立て籠った。
『…………』
白衣の袋を開く。
丁寧に畳まれた白衣…………
顔を埋める。
これが、
麻衣の匂い。
頭がぼうっとした。
『…………』
今、
復讐の時。
我、鬼となりて…………
いざや、いざや、いざいざ────────
パンツを脱ぐと、望は憧れの委員長の白衣とキャップで、ちんちんをしごき始めた。
454545454545454545454545454545454545454545454545454545454545454545454545454545454545454545…………少年は永遠に解の出ない数式に没頭する。
「はあっ、はあっ、はあっ、はあっ、、、、、」
麻衣のマイ白衣に包まれたちんちんを必死に擦る。
ポリエステルとコットンの感触と麻衣の香りに、信じられないほど怒張したちんちんは、最早立派なペニスであり、そこから猛毒のように快感が全身の細胞に迸っていた。
「いいんちょおっ…………」
ぶるぶると全身が震えた。
爪先から脳天まで蕩けるような快感のうねりが叩きつけてくる。
気が遠くなる破壊力。
八回目の絶頂、新記録となる八回のマスターベーションによりマイの白衣はしわくちゃだった。
「へへっ……へっ……」
やってやったぜ、復讐は成された、と昂揚する。
麻衣の白衣、
すらりとして凛々しい、物腰はきついが公正で聡明な、かっこいい委員長の白衣、
キレイな委員長の白衣、
優しい委員長の白衣、
憧れの委員長の白衣、
初恋の委員長の白衣を、瀆した。
「ははっ……はは……は……」
今までと比較にならない罪の意識。
初恋の人を瀆す、それは最早、自殺も同然ではないか。
無惨なぐちゃぐちゃの白衣が無言で責め立ててくる。
委員長の相方の保健委員、斉藤ゆかりは常日頃から看護婦さんになりたいと言うが、麻衣の方こそ相応しい気がする。
その神聖な白衣を、冒涜した。
「……ひっ……」
涙が出た。
何をしているんだろう、と。
脳が熱い。
様々な感情でオーバーヒートしている。
取り返しのつかない事をしてしまった。
もう、委員長の顔が見れない。
望は、誇らしかった己のちんちんが、邪悪な魔物と知った。
まるで、怪物の頭がそこから生えていて、自我を侵食し、コントロールされているかのようだ。
“こんなのあるからいけないんだ”
望はちんちんを取りたいと願った。
先月、クラスメイトの鷲井ゆうに精通が来て、休学・入院していった。同級生では第一号で、びっくりしたが。
望はゆうを羨ましく思った。
入院して手術してほしかった。
自分から入院させてもらう事は出来ないのだろうか…………
実は、出来ない。
精通が来て、将来の為に精液を保存して、初めて法的に去勢が認められるのだ。体の準備が出来てからでないと、本人が取って欲しいと医者にせがんでも、それは行えない。そんな例はほぼ皆無だが。
不慮の事故や病気で切除せざるを得ない時に限り、小児去勢は合法かつ適切な治療となる。
望も朧気にそれは知っている。
ならば。
「………っ………」
望はちんちん丸出しのまま、部屋を飛び出した。
台所へ行って包丁を探す。
菜切包丁、文化包丁、三徳包丁、出刃包丁、パン切り包丁、ペティナイフがあった。
一番ごつい出刃包丁を手にする。
それをちんちんに────────
切れ❗
切るんだ❗
切ってしまえ❗
「……うう……」
出来ない。
とてもそんな事はやれない。
己の情けなさに涙が出る。
望は包丁を戻すと、ふらふらと家を飛び出し、夜の街へと駆け出した。
蒸し暑い夏の夜空には、星明かりが煌めき、望はいつの間にか近所の神社に来ていた。よく悪友たちと屯している通学路の途中に位置する小ぢんまりとした神社である。
鎮守の森と呼ぶにはささやかな林に囲まれた深夜の境内は静まりかえっており、望はお社の脇に腰を下ろした。ひんやりとした感触に驚き、自分がフルチンであることに今更ながら気が付いて混乱する。
「うあっ」
こんな格好でここまで来たのか……
こんな時間だから誰もいないだろうけど……
サンダルだけ突っ掛けた下半身丸出しの変態……
お巡りさんに、見つかったらタイホされるのだろうか……
どうしよう……
そんな風に困惑していると、あの白衣の事を思い出し、更に頭が痛くなった。
盗んできてしまった麻衣の白衣、一体、どうすればいいのか。返すにも皺だらけにしてしまったし、どうやって返すというのか。こっそり置いてくるとして、そんなチャンスはあると思えない。本人に……自首するべきか。
想像されるのは、麻衣の怒りと蔑み。クラスメイトからの永遠の差別。担任や親からも叱責されるかもしれない。とてもそんな事はやれない。
なら、いっそこのまま隠し持っていて、オカズに……ダメだ、ダメだ……委員長に憧れるやつはうじゃうじゃいる。そいつらにあげてしまえば、自分の株も上がるだろうし、共犯者としてラクになる……
「ぐすっ」
最低の考えに涙が出た。
それは最早、麻衣を、輪姦するようなものではないか。
この世界でも、犯罪者が女の子を拉致して集団レイプする事件がごく稀にある(また、女性どうしでは体液が残留しにくく、警察も犯行を立証しにくい為、味をしめて再犯率は非常に高い)
麻衣が…………
麻衣が…………
みんなに瀆される。
最初に瀆したのは己だった。
「…………」
自首しよう。
洗濯して麻衣に返そう。
望は、もういかがわしい悪事からは手を洗う事を決意した。なんなら、極道がするように、ケジメをつける。
指より、ちんちんがいいだろう。
だが、既に一度しくじっている。
包丁を当てた途端に、恐怖で全てが砕け散った。
いや、せめて先っぽだけなら…………
それだって怖い。
何か、不慮の事故とかなら……新幹線とかに接触してスパーン❗と……駅でちんちん出して列車に近付くのか。そんなアホな姿ない。というか、ちょっと間違えたら即死だ。
飛び込み自殺のようなものだ。
自殺は
自殺なんて
自殺
自分で死ぬから自殺
「…………」
望は最良の解決策を思いついた。
死んでしまえばいいのだ。
全てラクになるだろうし、麻衣への償いにもなる気がする。
「死のう」
そうだ、死んじゃおう。
死のう、死のう。
望は自殺する事にした。
さて、どうやって死ぬか……立ち上がり、思案していると鳥居が目についた。古いがよく手入れされていて夜目にも朱色が鮮やかだった。これは、首を吊るのに丁度良さそうだ。となるとロープ、縄が必要となる。
何か紐的なものは……
あった。
お社の賽銭箱の上に本坪鈴という鈴がある。お参りした時にガランガラン鳴らすあれだ。そこから、だらーんと垂れている鈴緒という紅白の縄。鈴を鳴らす為のあの縄なら太さも長さも丁度いいだろう。あれを取り外せないものか…………
「……よし」
望は賽銭箱の裏に回って頭上の鈴へと手を伸ばした。
とても届かない。ならば賽銭箱によじ登ってはどうか。失礼な気がするが、こんなところで、こんな格好で、こんな物で自殺しようという暴挙なのだから、それを言ったらお仕舞いだ。今しかないし、引くに引けない。
「神様ごめんなさい」
小声でそう詫びて、賽銭箱によじ登った。
その時。
“あん”
「❗❗❗❗❗」
背中が、びくんと跳ねる。
女の声がした。
誰かいる?
ネコやら犬やらではない。人間の声だった。
どこにいるんだ、こんな姿を見られたら………そうは思うものの、逃げるに逃げ出せない。心のどこかでは、このまま110番されて、お巡りさんにタイホされた方がいいのかもしれない、と少年は全てを諦めた。
“あっ”
「…………」
やはり、声がした。
女の声だ。
どこにいるんだろう────────
ドキドキ、ビクビクと辺りを伺う。
自分もどうかと思うが、こんな時間に、こんな場所で何を…………
「なぁ」
「うわぁぁぁぁぁっ❗❗❗❗❗❗」
不意に声を掛けられ、望は飛び上がり絶叫した。
心臓が潰れたかもしれないが、慌てて手で己の口を塞ぐ。
「なぁにしとんねやろなぁ、ボク?」
「は、は、は、は、はい、すっ、すっ、すいません❗❗️❗️❗️」
いつの間にか、
眼前にお巫女さんがいた。
二十歳くらいか、悪戯っぽい顔立ちで、恐ろしく長い黒髪をしている。白衣に緋袴を纏っているので巫女なのだろう、、、、、
「ぼ、ぼ、ぼ、ぼぼぼぼぼく……」
「自分、ちんちん丸出しやんけ」
「すいませんっ❗ごめんなさいっ❗️」
慌てて賽銭箱から飛び降り、両手で股関を隠した。
「わてがお社で気持ちよくええことしとったら、なんや、賽銭箱におるさかい、裏から回ってみたらちんちん出した坊やて。どないやねん」
はぁ、と巫女は嘆息し、首を振った。
「自分、賽銭泥棒とちゃうやろな?」
「ど、泥棒じゃないです。そ、その、あの……ち、違います」
ふーん、と値踏みするように望の体を上から下まで見つめる巫女。
「……うそやな。あんた泥棒やろ」
「お賽銭なんて盗ってないです❗」
「ほんなら、他になんぞあるんちゃうか。あんたは盗っ人や」
「❗️❗️❗️❗️❗️❗️」
そうだ、そうだった。
麻衣の白衣を…………
「はぁ。ふーん。なるほどなぁ。好きな子のなぁ。ふーん。変態やなぁ」
「…………………」
なんだこの巫女は…………
何も答えていないのに、全てを知っている??
心を読まれている??
「あ、あなたは……巫女さんは何者なんですか……」
ガクガク震えながら、訊ねた。
「巫女ちゃうわい。水干着て、ほれ、雪洞扇もあるやんけ。どうヘボく見ても、宮司やろがい💢」
「???」
「まあええわ。そうか、自分死にたいんやな」
「はっ?え、あの、えと…………」
「そんなら手伝ったるで」
「えっ?えっ?えっ?」
巫女は少年の両肩を掴むと、
「天っっ罰ぁぁぁぁぁつ❗️❗️❗️❗️❗️❗️」
ぷらぷらしていた少年の陰嚢へ、めり込む緋袴。
「✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕」
巫女の金的膝蹴りにより精巣を粉砕され、望の意識は天へと旅立った。
「あっ、気が付いた?」
「ん……?」
望は飛び起きようとして、あちこちの痛みに顔を顰めた。とても動けない。
「無理しちゃダメよ❗」
と白衣の女。看護師が制止して、やんわりと再び横にならせる。
「う……あ、あの」
「もう大丈夫だからね、病院だから安心して」
「は、はあ」
自分は確か……そうだ、あのお巫女さんの金的蹴りで……金的……金的で……
「う、うわっ……い、痛ったぁ……」
思い出した途端に股関が痛んで、股を押さえた。すぐに看護師が対応する。
「痛い?いたずらされたかもしれないから、膣洗浄をして、今は尿道にカテーテルが入ってるからね。暫く辛抱してね」
「え、あの……」
困惑していると、看護師は布団を捲った。おむつに包まれた陰部とそこから伸びたカテーテルが見えた。
「あ、あの、潰れちゃったんですか?」
あの雷のような膝蹴りで、精巣が破裂し、病院に搬送されたのか?望はそう思った。緊急去勢手術を受けたに違いない。失くなればいいと願ったが、しかし、こんな形で失うとは思わず、少なからずショックだった。
「潰れる?」
と怪訝そうな看護師。
「あ、陰核かな?おまめさんは、ちゃんとあるから大丈夫よ。ただ出血しててね」
心底気の毒げに、看護師は望の長い髪を撫でる。
「??あの、看護婦さん、ぼく、神社で……」
「うん、辛かったね。下半身丸出し、血まみれで倒れてたそうよ」
「や、やっぱり」
涙ぐむ望の頭を優しく撫でる看護師。
「あとで、警察の人がお話しに来ると思うけど、辛かったら無理しないで大丈夫だよ。じゃあ、お父さんお母さん来てるから、呼んでくるね」
優しくそう告げて“看護師”は退室した。
「望っ❗️❗️」
看護師に付き添われて両親がやって来た。
母親の顔を目にするなり、望は気まずくなって目を逸らす。ちんちん丸出しで家を飛び出し、金的を食らって倒れていたなどと、みっともないどころの話ではない。次いでに言えば、部屋に置いたままの麻衣の白衣も見つかったかもしれない。もう死にたいくらいに恥ずかしい。
「死にそう……」
恥ずかしくて堪らないので布団を顔まで被った。
「望、大変だったわね……」
ぶちギレるかと思ったお母さんは、しかし、涙を露に、ベッドへ突っ伏して泣き出した。やはり精巣は潰れ、摘出されたのだろうか。
困っていると、
「望っ❗️ごめんな……」
力強い、野太い声。
ぎょっとして、布団から顔を出すと、見知らぬおじさん………おじさん??
初めて見た、大人の男……TVや映画では男装したりCGや特殊メイクを駆使して男性キャラクターが登場したりする事があるので、知ってはいるが、リアルで初めておじさんを見た。実在するなんて…………
「ごめんな、望っ。お父さんが気づいてやれなかった所為で……ううっ……」
「お、お父さん???」
何を言ってるのだ、この人は??
お父さんなんてフィクションの世界の存在だ。
実在する訳がないし、自分にお父さんなんていない。お母さんとママから生まれたのだ。
「お、お父さんが分かんないか?」
「わ、わかるわけないよっ❗️あ、あなたはだれなの😨」
「お前のお父さん、根元喜美だよ」
「た、たしかにぼくのママの名前は根元喜美だけど、こんなおじさんじゃないよ😨ていうか、なんでおじさんがいるのっ???は、犯罪者じゃん❗」
「の、のぞみ……」
眉間に皺を寄せて自称・望の父、根元喜美は、言葉を詰まらせた。
「ね、ねえ、望?お父さん、わからない?」
とお母さんが問い掛ける。
「わかるわけないじゃない❗お母さん、あの人だれなの??なんでおじさんがいるの??どうなってるの??」
「のぞみ……」
再び母は泣き出した。
困惑して父は看護師に助けを仰ぐ。
「その……乱暴されたショックで記憶が混乱しているのかもしれません……多分、男の人への恐怖心で、お父様の事が分からないのかも……」
「そ、そんなっ❗️」
父は、がっくりと膝を着いた。
半ば強引に望の手を、大きな逞しい大人の男の両手で握る。
「ちくしょうっ❗️俺たちのかわいい一人娘をこんな目に遭わせやがって❗️絶対に犯人を捕まえて必ず償わせたやるからなぁ❗️守ってやれなかった、お父さんを許してくれ、望っ❗️」
そういって、夫婦寄り添って涙にくれた。
「……娘……?」
違和感の正体が分かった。
おむつに手を突っ込む。
何も、ない。
膀胱留置カテーテルが挿入されている部分には、何もない。小さな真珠の膨らみと、割れ目以外は…………
背筋が冷たくなる。
全身から汗が噴き出す。
体が震える。
「あ、あの、看護婦さん」
「看護婦さん?久しぶりに言われたwwなぁに?おトイレはそのままで平気よ?」
と、看護師は優しく微笑む。
「あ、あの、鏡ってあります?」
「……ちょっと待ってね」
一旦、退室すると看護師は小さな手鏡を持って来た。
「……殴られたりしてはいないと思うけど、擦り傷になっちゃってるからね」
と差し出す。
「…………」
恐る恐る、望は鏡を覗き込んだ。
誰だ、
誰だ、これは、
これは、
これは、
ぼく?
いや、
わたし?
「う………うわぁぁぁぁぁぁあぁぁぁあ❗️❗️❗️❗️❗️」
絶叫。
なんだこれは、何が起きたのだ。
一体、何が起きている????
「の、のぞみっ!?」
「のぞみ、もう大丈夫だぞ❗お父さんお母さんはここだよ❗」
錯乱し、滅茶苦茶に腕を振り回す少年、いや少女。
すっぽ抜けた鏡が床に落ちて砕ける。
「先生呼んで❗鎮静剤用意して❗️」
看護師がナースコールへ叫ぶ。
割れて飛び散った鏡の破片には、長い黒髪の愛らしい少女が写っていた。
信じがたい事に、望は女の子になっていた。
あの巫女の金的で精巣が破裂し、昏倒している間に病院へ搬送され、去勢手術、及び、性転換手術されたという訳ではない。生まれながらの女の子になっていた。
というより、世界そのものが変わっていた。
この世界では、去勢が行われないらしい。
よって、男の人が実在する。
世界の半分が男なのだ。
信じがたい光景だった。
診察してくれた医師も男のお医者さんだったし、事情聴取に来たお巡りさんも男の人で、なんだか怖かった。
何より、ママが男の人になっていて、お父さんを名乗るのが受け入れられない。話すと確かに思い出や性格など、根元喜美のようなのだが、その姿はおっさんだ。
おっとり、ふっくらした望のママ、普段は唐揚げ屋さんでパートをしている望の育ての母根元喜美とはかけ離れている。
聞けば、このお父さんは唐揚げ屋さんの大将?で、お母さんは主婦で、時々、お店を手伝っているらしい。文化人類学者として論文執筆にフィールドワークにとバリバリ働いていた産みの母ではなかった。
なんなんだこれは────────
夢とロマンに生きるお母さんを、寛容に支えるママでは無かった。ごつくて油臭い親父と、それを支えるお母さんになっていた。
何となく両親なのは分かるが、まったく何も親子の情とか絆とかゆうものを、少なくとも望からは感じられなかった。
“望、縄文時代はねえ、ドングリ食べてたのよ”
と、大量のドングリを拾ってくるお母さんと、
“はいはい、それアク抜きする方の身にもなってよねえ。何で縄文時代の食生活しなきゃならないのよ”
と、それを必死に調理しては、パウンドケーキ作りに勤しむママ。
“農耕の発明と伝来、それの確立、そして食糧が備蓄できるようになり、高い栄養価によって寿命が伸びたっていうけど、ホントは色んなもの食べてたし、食べられるのよ。ドングリっていう樹はなくて、実を落とすものは全部ドングリなの。つまり、全部食べられるのね”
“はいはい”
“日本は世界的に見ると飢餓の少ないところだったの。たくさんの実りがあったから。飢えなかったの。逆に言うと、農耕をせずともやっていけたから縄文時代は長く続いたのかもしれないわ。どうしてなのか、分からない。神様がずっと豊穣を下さってたのかもしれない”
“いいから手伝いなさいよ、まったく”
それが望の両親だった。
上手い言葉が思い付かないが、望とこの世界の根元夫妻には絶対的な距離、もしくは壁があった。
それを医師は性的暴行を受けた事による精神的な傷と判断した。父親への忌避は、男性恐怖症であろうとも述べた。
警察の事情聴取は執拗で、遠慮なかった。
どうして夜に出掛けたの?犯人は?どうして神社に?どんな事された?君は抵抗したんだね?
言葉のセカンドレイプが少女を襲ったが、なんら身に覚えのない望は曖昧に答えるしかなかった。
同級生の白衣を盗んでオナニーに耽る自分が嫌になって半裸で家を飛び出し、神社で巫女に金的を蹴られたなど、狂人の戯言だった。
医師の口添えもあり、望は物証こそないものの、強制猥褻、性犯罪の被害者という事になった。下半身丸出しで、流血していたというのが決定的だった。
神社の境内に、半裸で、陰部から流血した状態で小学六年生の女の子が倒れていた事件は、大事件となり、地元新聞やニュースで匿名で取り上げられ、地域社会は震撼した。保護者は、バットまで持参して子供たちの見守り活動に精を出し、中には義憤に駆られ、自警団を組織してパトロールする人たちまで現れた。
いもしない犯人は、捕まる事はなく、事件でもない事件は迷宮入りとなった。
事件から2ヶ月。世間が鎮静化した頃、望は復学、社会復帰した。
六年三組の同級生たちは全く変わらない。
委員長、関口麻衣の顔を見るのが辛かった。
女の子どうしとして、彼女らは、深く望を労り、思い遣ってくれた。
それが辛かった。
男子の輪にも、もう入れなかった。
そうして、鬱屈とした小学生生活は終わりを迎え、中学生になった。殆んどが、小学校からの同じ同級生たちである。当然、事件を知っているし望への接し方は、どこか、ぎこちないものだった。
何より辛かったのは、女の子どうし、着替えなども同じという事だった。
目のやり場に困るし、彼女たちの中で、裸になりたくもない。
そんな望を、教師やクラスメイトは、肌を曝すのが怖いのだろうと、壊れ物のように扱った。
男の子たちはどんどん逞しくなっていき、望をドン引きさせた。
女の子たちは、女を振り撒いた。
望自身、恥毛は濃くなり、乳房は膨らみ、月のものに苛まれた。
体は確実に大人の女になってゆく。
唯一、変わらないものは、委員長への想いだけだった。
ずっと、
ずっと、
麻衣が好きだった。
だが、この世界では同性愛という事で、イレギュラーなものらしい。
女と男が恋愛し、セックスし、家庭を築く、異様な世界で、女の子になった望の片想いは、永遠に叶いそうもない。
麻衣が振り向いてくれるわけもなく、
告白する勇気もない。
負け戦と分かっていて戦う意義も見出だせない。
告白したら引かれるだろう。
公明正大な彼女の事だから『望ってばレズなの?きもーい❗』とか、あからさまな態度はしないだろうが、それでも距離は置かれるだろう。
そんな事になるならば、
ずっと傍で彼女を見ていよう。
望は、麻衣と同じ高校へ進学し、彼女が看護学校志望だと知ると、同じように願書を出した。
看護婦、ではなく看護師になるのだ。特になりたくもないが、手に職をつけるのは良さそうだし、麻衣から離れたくなかった。
入試、そして面接。
看護学校の面接は結構ちがう。
この子は、他者を思い遣れる人か?常識的、良識的な判断が出来る子か?というような判断をする為の受け答えが続く。しかも白衣の教師たちに見詰められて。
勉強は頑張っていた望だが、そんな特殊な状況で、綻びが見えてしまった。
『あなたは、その……事件に遭われたそうね?』
『は、はい……えと、その時お世話になったような看護師になりたくて志望しました』
予め考えていた答えを返す。
すると、
『でも、あなたと同じような患者さんを看る事になっても大丈夫?』
『え……』
致命的な一言だった。
同じような患者とは、つまり、性犯罪の被害者を看護するという事で、そんな事まったく考えていなかった。
そんな人、助けられない。
況してや、望は性犯罪には遭っていない。むしろ、犯罪者サイドとすら言える。
言葉に詰まっていると、
『あなたの考えてるようなものとは、実際の看護師は、ちょっと違うのね』
『は、はい』
『憧れだけでやっていくのは、ちょっと難しいと思うわ。あなたも患者さんも、不幸になるかもしれないの』
バッサリと、
ぶった斬られた。
面接をどう終えたかも、よく憶えていない。
気が付けば三学期となり、案の定、不合格通知が来て、他には何もしていなかった望は、浪人でも社会人でもない、プータロー確定となった。
もう、
麻衣に逢えない。
ずっと遠くから見ているだけだったので、電話番号すら知らない。
望の世界は、崩壊寸前だった。
それは死なばもろともの精神であったのかもしれない。
卒業式前日。
当日は、たくさんの人に囲まれて、不可能との判断である。
「望、どしたの?」
「うん……」
鞄に入れた手紙通り、放課後、麻衣はあの神社へと来てくれた。
「大丈夫?」
「うん……」
「ここ懐かしいなー🎵知ってる?よく、男子が屯してたんだよ❗私よく委員長として注意したもん😠ここで拾ったエロ本とか皆で見てさ、バッカだよねえwww」
白い吐息を吐きながら、ケラケラと笑う。
ここで望が何をされたか彼女は知っている。されていないのだが、飛び交った憶測を彼女は当然、知っている。だから、なるべく明るく、楽しげな口調で切り出した。
「思えば、小学校から一緒なの望くらいだったね」
「うん……」
「あ、でもゆかり憶えてる?あいつさあ、同じ看護学校受けたから、あいつとはまた一緒なんだよね」
「うん……」
「その、上から目線みたいで嫌かもしれないけど、来年また頑張ってさ、なんなら他の学校でもいいし❗看護学校なんてたくさんあるっしょ❗」
「うん……」
「あんまり知らない学校受ければいいんだよ🎵望の昔の事とか、知らないとこなら問題ないよ❗望って成績はいいんだから、絶対いけるって😄」
「うん……」
涙が零れた。
一度、零れ出すと止めようもなく、それは滴り、
「ひっく……ひっく……」
望は泣きじゃくる。
「ごめん」
それを麻衣は抱き締めた。
「その、小学生の時、助けてあげられなくてごめん」
「…………」
ぶんぶんと首を振る。彼女に何の非があると言うのか。
「時々、私のことじっと睨んでるよね。私のこと怨んでるんでしょ」
「ち、違っ……」
とんでもない勘違いだ。
「委員長……麻衣を怨んでなんかいないよ。私が悪いんだもの」
「そうなの?」
「ほ、ほんとの事言うね、こ、これで麻衣とはお別れだと思うからっ」
「…………」
「わたし、麻衣が好きなの」
「え……」
ビックリして、体を離す麻衣。
「ずっと、ずっと、麻衣の事、好きだった。初恋の人はあなた。憧れてたの」
「そ、それは、あの、ありがと」
少しずつ離れていく。
「え、えっと、その、レズなの、望?」
「…………」
泣きながら、大きく頷いた。
「へ、へー……そっか……び、びっくりしたわ」
それでも麻衣は公正だった。
非難したり嫌がったり、そんな事はしなかった。
「大好きよ、麻衣」
だから、
止めを刺す。
「あの日、私ね、麻衣が忘れていった給食当番の白衣を持ち帰って、それでオナニーしたの」
「は?」
「八回もしちゃった。麻衣の匂いがしてすごく興奮して、止まらなかったの。でも段々、罪悪感でいられなくなって、裸で家を飛び出して、気づいたらこの神社にいて、それで、自分が嫌になって死のうとしたんだ」
「…………」
「そうしたら、変な人がいて、蹴られて……そこからは憶えてない」
「そ、そんなの、そんな事言われても、それじゃ、自業自得みたいなもんじゃん😨」
「そうよ。それくらいあなたが好き。高校も看護学校だって、あなたについて行きたくて、それで選んだの」
「はぁ?何よそれ」
「あなたを見ていたかった」
「…………」
到頭、麻衣の顔に嫌悪感が浮かんだ。
これで止めだ。
「麻衣……最後にキスさせて」
「ふ、ふざけんなよ」
「キスだけで我慢するから」
「嫌よ❗気持ちわるいなっ❗」
そして初恋の人はその一撃を放つ。
「この……変態っ❗️❗️❗️❗️❗️」
“うあああああああああああっ”
何処からか泣き声が聞こえる。
濁った意識の中で、それが己の泣き声であると悟るまで、随分長い時間が掛かった。
望は小学生のあの時の罪を清算するかのように、麻衣へ告白と暴言を放ち、軽蔑、絶交という罰を与えられた。
自ら望んだ事とは言え、涙が止まらない。
望は泣き続けた。
「うっうっ……」
さようなら、麻衣。
初恋の人。
ごめんなさい。
ありがとう。
さようなら、委員長。
「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁァァ………」
涙はいつか涸れるのか。
いつの間にか、神社の境内は薄暗くなり、それでも一人、望は泣き続けた。
それが望みであるかのように───────────────
「ふぁぁぁあぁぁぁ………」
「やかましわい❗」
「ぁぁぁ……うげっ!!!???」
尻を蹴られて、ごろごろと地べたを転がる。
驚き、混乱しながら顔を上げると、
「おンどれ、やかましいんじゃ、ボケが💢」
巫女が仁王立ちしていた。
水干に緋袴の、あの時の姿のままの巫女がいた。
「あっ、あっ、あっ、ああああなあなあなあなた」
「おちつけや。せわしない💨」
「ああああの時のお巫女さん」
「巫女とちゃうゆうたやろ、クソガキが💢」
尻餅を着いた形だった望の股関を踏みつける。
「ぐぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!???」
絶叫する少年。
精巣が破裂したかもしれない。
「いででででで……ん?」
キンタマが痛い。
ちんちんが、ある。
「えっ?えっ?えっ?」
男だ…………
女子高生ではない。
男の子に戻っている。
体格も、小学生の時の姿そのものだ。
「わ、わた、わたし、わた、わ、わわ」
「んーんー。こないな所でよう寝とったな、のんきな子やで」
「ね、寝てた??」
そんな、
バカな。
寝てた??
あれは、夢??
いや、そんなバカな。
あの月日が夢だというのか?
6年あまりもの歳月が、泡沫の夢?
「ゆ、夢?あれが?」
「まあ、人生夢みたいなもんやんけ。おのれら人間なんか、あっという間に生まれて増えて死んどるやん?稲みたいなもんやわwww」
「…………」
感情が追い付かない。
確かに体は子供に戻っている。
「ほな、さっさと行きや」
しっしっ、と巫女は手を振る。
「い、行くって??」
「あン?あんた、一番大事な事忘れてもうたんか?わやなガキやで、ホンマ」
巫女が指差した先にあるものは、、、、、
麻衣の白衣が入った袋。
「あ、あなたは……」
少年は全てを悟った。
「んー?どないなっとんねん、近頃のガキは。この神社、伏見稲荷の分社やで?」
べしべしと、看板を叩いて示す。
稲荷大社、稲荷大神とは、つまりは稲の神。豊穣の神であり、実っては落ち、また実る稲穂になぞらえて、安産や繁栄、商売繁盛の神である。江戸時代に神仏集合して、仏教の荼枳尼天が混ざって以降は、狐が化身とされる。ルーツのヒンドゥーのダーキニーは穀物を荒らすネズミを食らう雌ジャッカルの化身なのだが、日本にジャッカルはおらず、日本では狐に当て嵌められた。
本来の古神道では、宇迦之御魂命をお祀りしており、こちらも女神であり、豊穣の神、子孫繁栄の神であるのに違いはない。宇迦とは、穀物そのものを差す。
江戸時代、江戸の街に溢れかえっていたものとして【伊勢屋、稲荷に犬の糞】と例えられるが、それくらい沢山、お稲荷さんはあったし、今でもある。
お寿司のお稲荷は、本来、収穫したお米を一番に稲荷大神に召し上がって頂く神饌(お供えもの)だったが、肉食のお狐さんは肉でないとお喜びにならないだろう、との庶民の考えから、油揚げで当時は禁忌とされたお肉をくるんだものや、お米を少なく、ボリュームのある厚揚げに近い油揚げをお供えしたのがルーツという。
何れにせよ、このやや凶暴かつ乱暴な肉食の女神を、どれだけ人々が崇め、親しみ、感謝したかが伺える。
獣の女神は、人間を愛し、慈しみ、盛り、見守り続けている。
今も、まだ……………
ちゅっ💋
「ふわあっ!?」
「んっふ💕んむうっ❤️」
雌狐が少年の陰茎に吸い付いてきた。
熱い唇、ぬめぬめとした舌がまだ包茎の愛らしい陰茎を咥え、吸い上げ、舐め回す。
唐突な雌狐の襲撃だったが、少年は抗う事もなく、されるがままに陰茎を吸われた。
「……ふうっ❤折角やから、お賽銭がわりにもらっとこ💕久々にええお供物やなあ🎵どうも、最近の人間は、去勢やらなんやらしよってアカンわ😤まあ、楽しげやからええけども💨」
唇を離し、緋袴を脱ぎ捨てると、雌狐は唾液でどろどろになった少年の陰茎に跨がった。灼熱の肉の牙に、少年のペニスは飲み込まれていく…………
「うっ……ふあっ……」
「ぁん❤️久々ぁ💕ぼんのちんちんは、立派なちんぽやでぇ❤️❤️❤️」
少年の肉棒を食らい、雌狐は激しく腰を振る。
ぐぽぐぽぐぽぐぽぐぽぐぽぐぽぐぽぐぽぐぽぐぽぐぽぐぽぐぽぐぽぐぽぐぽ………………
じゅっぽじゅっぽじゅっぽじゅっぽじゅっぽじゅっぽじゅっぽじゅっぽじゅっぽじゅっぽじゅっぽ………………
パンパンパンパンパンパンパン……………
「ひっひっひっひっ…………ああっ」
耐えられる筈もなかった。忽ち少年は激しく痙攣する。だが、雌狐は腰を振るのを止めない。
「あっは💕イッてもーたん?ナカでぶるぶるゆうてるやん💕うぶやねえ❤️せやけどまだ足りんわ👅もっとやで、もっと❗️」
「うわあっあっあっあっあっあっ」
ちんちんが吸い取られるような凄まじい締め付けと、ぬめり、猛烈な上下動。自慰では味わう事の出来ない未知の快楽は底無しで、しかも不思議な事に、あれだけ苛まれていた罪悪感や恐怖心は微塵も湧いてこない。
蕩けるようなぬくもり─────────
それは大地母神の母性だったのかもしれない。
じゅっぽんじゅっぽんじゅっぽんじゅっぽんじゅっぽんじゅっぽんじゅっぽんじゅっぽん………………
ぶっぱんぶっぱんぶっぱんぶっぱんぶっぱんぶっぱんぶっぱんぶっぱんぶっぱんぶっぱん…………………
ぶちゅずちゅぶちゅずちゅぶちゅずちゅぶちゅずちゅぶちゅずちゅぶちゅずちゅぶちゅずちゅ………………
「あっあっ💕いっいっいっいっ……ひぃん❤️くっうぅぅぅん❤️❤️❤️」
雌狐の白い尻は縦横無尽に跳ね回り、秘裂は獲物に食いつく顎のように、少年の陰茎を貪り続け、
何処かの壮麗な神殿で、少年は絶頂を迎えてよがり狂う雌狐を見た。
“わては宇迦之御玉”
“気持ちよかったで、ごちそーさん”
“これでちんちんに悩めへんから安心しいや”
“死んだらくだらんで”
「あっ!?」
そんな声を耳にして、望は飛び起きた。
あれは、一体??
辺りに目をやるが、そこにあの巫女、否、女神はいない。
着衣も乱れてなどおらず、尻餅をついた格好のまま、まだ陽もくれていない。夏の夕べは遅く、長い。
そうか、と悟る。
まだ間に合う。
「かみさま……」
麻衣の白衣が入った袋をひっ掴むと、少年は駆け出した。
教室の麻衣のロッカーに返す為に。
(了)