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大阪出張の記録

お披露目会・偲ぶ会

2024/1/27
大阪の守口市、山田洋治さんのご自宅兼工房で行われた、工房公開のお披露目会・山田先生の追悼の会に参加させていただきました。

昨年1月に急逝された山田洋治先生のことは
忠峰師匠のお話しからと、お弟子さんをはじめとする先生を囲む方々の弔辞の中でしか存じません。親しい方たちだけがが集う会に、失礼を承知で参加させていただきましたが、快く受け入れてくださった皆様に心より感謝申し上げます。

大阪の地理に明るくない忠峰師匠が、初めて訪れる場所だということで、大阪生活の長い私が道案内としてついて行く形で、貴重な場に立ち会わせていただきました。

山田先生がご指導しておられた、神戸と大阪の根付教室の生徒さん、先生と親交のあった根付作家さん、お孫さん、15名ほどの参加者で、山田先生との思い出のエピソードを語り合い、先生の不在を惜しみました。

実際にお会いしたことがなくても、皆様の語る言葉の端々から
偉大な作家であられたこと、
素晴らしい指導者であられたこと、
根付を学ぶ方々や、根付作品自体に対して
大変愛情深く、真摯に臨まれていた方
なのだということが本当によくわかりました。

また、作品の妖怪根付の実物を間近でたくさん拝見し、手に取ることができたことは大変有意義でした。

動物や、妖怪など表情豊かで今にも踊り出しそうなイキイキとしたユーモアの中に
モチーフに向き合うストイックさがあり、空想のモチーフでも、その者を表すための説得力を造形に求めていく、しかもそれを楽しんでられるということがびっくりするくらい真っ直ぐ感じられました。(拙い評をお許しください)

山田先生の作品は
大阪の北浜、くすりの道修町資料館に多数収蔵され入れ替えながら常設されるそうですので、
これからも多くの人に癒しを与えることでしょう。

ご自宅・工房はお孫さんの管理のもと
保存、公開されるそうです。

山田先生手作りの彫刻刀

大阪の教室は同好会という形に改めて、
神戸の教室は後継者の方が講師を引き継ぎ
それぞれ続けられるそうです。

山田先生の作られた、作家の輪がこれからも続いていくようにご尽力された方々を本当に尊敬します。
また、先生の遺されたものを適切に管理し、工房を保存されることに決めたご家族も、根付世界の財産を守っていただいたことに感謝申し上げます。

交流会・懇親会

当日は、偲ぶ会に参加された皆さんで作品を持ち寄って、意見交換をされていました。私はお見せできるものがなかったので、みなさんの意見交換を横で聞いたり、根付作品を鑑賞しました。

それぞれの作家さんごとに手法も表現方法もモチーフも全く異なり、改めて根付の自由な発想の広がりを感じるとともに、良い根付とはどういうものかということを考えさせられました。

場所を移動して、懇親会にもいさせていただきました。たくさんの現役作家さんとお話しさせていただき、こちらもかなり貴重な体験でした。

お話しさせていただいた中での気づきは、
忠峰師匠の基礎をしっかりと順序立てて学んでいく指導と違い、山田先生の指導は、好きなものを好きな方法でとにかく彫ってみなさいという教えだったそうで
お友達だった先生どうしでも、全く違うアプローチで人を育てておられて、大変興味深かったです。


すでにプロとして活躍されている方へは、わたしの協力隊のお仕事を説明させていただき、修行に対して励ましの言葉をいただきました。

また、お弟子さんの皆様とは根付の次の世代を担う、(先輩方に対して恐縮ですが)ある意味同じ立場の当事者としての問題意識を共有でき、
あとを継いでいく者としての今後のことを考えることができました。地域おこし協力隊として何をするべきなのか、自分が考えていたことを補強できるよいご意見を頂けました。

遊び心たっぷりのパンフレット

お弟子さんとのお話で
生前、山田先生がその方の根付作品の目の位置を修正された筆跡を彫らずに残しておけばよかったと悔いられていたことが印象的で、故人を想う気持ちが大変美しく眩しく感じました。

素晴らしい作品を遺して、次の世代へ託された
山田洋治先生のご冥福をお祈りします。

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