眠れない夜は「過去に挫折した本」と向き合う良いタイミング
秋の夜長、涼しい風が窓から入り込み、静かな時間が流れると、ふと眠れない夜がやってくることがあります。
布団に入っても目が冴えてしまい、寝付けない……そんな夜、皆さんはどう過ごしますか?
私は、眠るのにとても苦労するタイプで、よく眠るために良いパジャマを買ったり、高いマットレスを買ったり、色々な枕を試したり、アルコールがダメなのに養命酒を試して夜中中吐いたり、本当に様々な方法を試してきました。
最近、少し開き直って眠れなくてもいいやと思うことにしました。眠れない時はすぐにベッドを抜け出て、暖かい色の間接照明の下で本を読むことにしています。
眠れない自分から離れるために本を読む
私は眠る時間を決めているのですが、それは、明日のために眠らないといけないという気持ちが強くなったから。
しかし、幼少期の頃の自分を思い返してみると、眠るのが嫌で親の目を盗んでベッドの中で本を読んだり、ゲームをしたり、絵を描いたりして、途中で寝落ちするように眠っていました。
眠らなきゃという緊張している時より、好きなことをしている時のほうが、案外気持ちよく眠れるのではないかなと思っています。
そんな時におすすめの本が、「過去に読むのを諦めてしまった本」です。
途中でやめた本を再び手に取る理由
誰しも、途中で読むのを辞めてしまった本が、本棚の中にあるのではないでしょうか?
ドストエフスキーの『罪と罰』、ゲーテの『若きウェルテルの悩み』、聖書、数多の哲学書たち……。全部私が過去に読めずに挫折した本です。
本を途中で読むのをやめてしまう理由はいくつかありますよね。時間がなかったり、気持ちが乗らなかったり、難しくて理解できなかったりさまざま。
多くの人は、読まなければならないという義務感から、そんな本を手に取ることが多いのではないでしょうか。しかし、実際に読む必要に駆られて購入した本でも、読み進めることができなかったのは、何かしらの理由があったからこそです。
眠れない夜には、そんな本が大活躍します。なぜなら、その本を読めても読めなくても、どちらでも良いからです。そもそも、本を読むための時間を使っているわけですから、本来の目的は「しっかり眠ること」。読書は二の次で構わないのです。
本多くの人が本を読む時、単に自分を楽しませるためや、新たな洞察を得ようとしています。そのため、頭を使いながら本を読んでいると、うまく理解できないと自己嫌悪に陥ることも少なくありません。しかし、この時間に読む本を理解できないことに、罪悪感を持つ必要はありません。
プレッシャーのない読書で、リラックスする良い機会ではないでしょうか。
私は最近、文学のエッセンスの宝箱と言われている旧約聖書を読んでいますが、全然読み進められていません。読んでるとすぐに意識が飛んで、何度も本を手から落としては、ベッドに向かいます。
読み進められてもいいという自由
眠るために、過去に読めなかった本を手に取ったにも関わらず、本の内容がスラスラと入ってくることもあります。
眠りたかったため正直困りますが、過去の自分が読めなかった本を読めるという嬉しい戸惑いがあります。読めなかった時点の自分から、何かを経てこの本を読めるようになっていることは、嬉しい気づきです。
このように、眠れない夜に途中でやめた本を手に取ることは、ただの読書ではなく、過去の自分自身とも向き合う大切な時間でもあります。
ページをめくりながら、過去の自分がなぜその本を読むのを諦めたのかを考えたり、今の自分はどう感じているのかを再確認したりすることができます。
私にとって眠れない夜の読書は自由です。たとえ読み進められなくても、ページをめくることで感じる安心感や、昔の記憶が蘇ることがあります。その瞬間に自分がどんな感情を抱いているのかを、本が教えてくれるのです。
もし、手に取った本を読み進めることができた時、そもそも眠れなかったから本を読み始めたので、そのまま読み進め続けてもいいでしょう。
ですが、以前読めなかった本を今の自分がスラスラ読んでることに気づいた安心感と充足感を持ってベッドに戻るのも良いかもしれません。
さっきまで眠れなかったはずなのに、なぜか心地よい眠りの気配がやってくることもあります。
寝落ちは最高の睡眠ハック
最初に話していましたが、好きなことをしながら寝落ちするのは、最高の一日の終わり方だと自分は思っています。
寝落ちする、ということは脳が自然と休息に入っているということですし、好きなことをしているから体もリラックスした状態であることが多いでしょう。
今回は、本を読むこと、としましたが、本を読むことに限る必要はないかもしれません。
クラシック音楽をしっかり聴いてみる、いつも寝落ちしてしまう難解な映画やドキュメンタリーを観てみる、はたまた、レベリングがめんどくさくて投げてしまったゲームでレベリングするのも良いでしょう。
眠れない夜は、無理に寝ようとせずに、好きなことに身を委ねてみてはいかがでしょうか。いつもと違う発見や新しい気づきをもたらしてくれる贅沢な時間になることもあります。
結局、最高の眠りは「眠らなければ」というプレッシャーを手放したときにやってくるものなのですから。
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