ドキドキ💕Heart(心臓)にも休息を。

「最近、動悸💕が気になるんだよね....」

こんなリクエストをパーソナルトレーニングのお客様にいただいた。そういえばちょうど、心拍とかHRVとかコヒアランスのことを書いたあとだったので、なんだかこれも偶然とは思えない。広い広い意味でのコヒアランス＝共鳴が起こったのかしら。

HRV(心拍変動)と自律神経のお話。

ここでもう一度復習。HRVとは心拍変動のこと。人の心拍は意外にも不規則で、脈と脈の間隔は常に短くなったり長くなったりを繰り返しています。ちなみに息を吸う時に少し早くなり、吐く時に少し遅くなります。これを「心拍変動（Heart Rate Variability/HRV）」と呼び、日々の生活での行動、食事、睡眠、ストレスなどを反映して変動します。

ちなみに自律神経は、心拍はもちろんのこと、血圧、呼吸、消化、ホルモン、内分泌、排泄などをコントロールしています。自律神経は交感神経と副交感神経の２タイプあり.....(と今まで言われていましたが、最近は副交感神経がさらに腹側迷走神経と背側迷走神経に分けられると言われています。ま...この話はまた今度❗️)交感神経系は、内的または外的ストレスに反応して、体の闘争 or逃走反応を起こし、血圧や血糖、心拍数を上昇させます。それに対し、副交感神経系は身体のリラックスや消化・回復を促します。ブレーキの役割を果たし、エネルギーを節約し、消化を助け、心拍数を遅くします。 交感神経系と副交感神経系は、相反する効果を持ち、同じ器官を制御することにより体内の恒常性を維持しています。

副交感神経が優位になってカラダをリラックスさせている時は、回復力が向上し、若々しさや穏やかでポジティブな感情が湧いてくるような状態を「HRVスコアが高い」と言います。

　この逆に「HRVスコアが低い」時は、交感神経が興奮もしくは副交感神経が抑制されており、体の回復能力が低下しています。これは、前日の激しい運動や睡眠不足に対する一時的な反応や、日常の様々なストレスに対する慢性的な反応であると考えられています。日常生活において精神的・肉体的ストレスが継続することにより健康とパフォーマンスは大幅に低下し、以下のリスクが高まると言われています。

健康の低下
糖尿病、心血管疾患、呼吸器疾患、胃腸疾患などの罹患や進行
死亡率上昇
生物学的年齢の増加
不安/抑うつの増悪

ということで....HRVスコア...もちろん高くしたいですよね。50歳以下の健康な人のHRVは20拍差で、50歳以上の健康な人のHRVは11拍差くらいだと言われているようですよ。

Legs Up the Wall Pose~壁に脚を上げるポーズ~

HRVスコアを高くするためには、交感神経を抑制して副交感神経を優位に。ということでリラックスを目指すしかない！　回復のボディチューニングには欠かせない、壁に脚をあげるポーズを提案してみました。これはリストアティブヨガの代表的なポーズでもあります。とてもシンプルなポーズですが効果は絶大。重力をひっくり返す逆転のポーズではありますが、道具のおかげでものすごい柔軟性や強さもいりません。でも、唯一、努力しなくちゃいないことは.......じっと動かず、静かにカラダを感じ続けること、呼吸し続けること.......意外にね....交感神経優位系の頑張り屋の人たちはこれが難しいのです。これを10分から30分くらい続けることによって、交感神経から副交感神経優位の状態へのトランジションが起こります。それが狙いです。

この逆さまのポーズの目的は、もっとも安全にそしてもっとも簡単にリラックスすることでの効果を得ることです。カラダがリラックスすると、頭もリラックスし、ストレスや焦燥感も大きく減る。ゆっくりとコントロールされた呼吸は、ストレスによって典型的に心拍が上がってしまった人たちの心拍を下げると言われています。ポーズの入り方についてはこちらの動画でチェックしてみてください。

呼吸に静かにアテンション。腹式呼吸になるまでKeep ON!

ポーズにうまく入れたら、呼吸に意識を向けてみましょう。まず.....どこに呼吸が入っていますか？いや、呼吸するたびに、カラダのどこが動いていますか？　はじめはほとんどの人たちが、胸が大きく動く胸式呼吸になっていると思います。この胸式呼吸は浅い呼吸で、私たちが直立して活動的になっている時、だから日中はほぼ胸式呼吸、そしてこれは交感神経を優位にしています。このポーズの目的は、リラックスで副交感神経を優位にすることですから、横隔膜をしっかり動かしてその結果下腹が動くような腹式呼吸になってくるまで、ゆっくり、じっくり、深く呼吸を吸い入れて、そしてひと呼吸ついて吐き出す練習をしていきましょう。人によっては１０分くらいかかるかもしれません。でも慣れてきたら、どんどん短い時間でもできるようになるので、これもトレーニングです。

そうそう.....リラックスするのもトレーニングです。

筋肉をつけたり、可動域を広げたりすることがトレーニングだと思いがちですが、リラックスするのもまた訓練なんですね。私は苦手です。だから日々練習。ちなみに男性は35歳くらい、女性は40歳くらいから、この副交感神経が衰えてくるそうです。ということは...大人のトレーニングはむしろ、リラックスにも重きをおかないといけないはずですよね。なぜなら回復力が衰えてくるわけですから。

ということで本日のまとめ。というかこのポーズをするためのフォーカスポイントなどをまとめておきますね。

🌟ハムストリングが硬い人は壁から離れても大丈夫。無理に坐骨はハムストリングを壁につけることはありません。

🌟腰が痛くなりそうな人は、腰の下のクッションを外して、平らな床の上で寝ても大丈夫。

🌟腰の下にクッションを加えると、骨盤が一番高くなり、そして心臓、頭の順に低くなるという、逆立ちのような逆転のポーズになるので、その効果も大きいと言われている

🌟逆さまになることで心臓の働きを助ける

🌟心臓や脳への血流を増やす

🌟十度の高血圧や心臓疾患のある方などはお医者様に相談してから取り組んでくださいね。