お正月の読書に。プロダクトマネージャーにおすすめの本2冊
この記事は、アドベントカレンダー "プロダクトマネージャー Advent Calendar 2020" の23日目の記事です。
こんにちは、hey(株)で取締役CPOをしている、塚原です。( @ayanadesu )
現在、ネットショップ作成サービスの STORES・お店のキャッシュレスを提供している STORES 決済・お店の予約システムが導入できる STORES 予約 を展開しているプロダクトの統括をしております。
はじめに
みなさま、お正月の予定は決まりましたか?今年はいつも通りのお正月を過ごさず、自宅でゆっくりされる方も多くいらっしゃるのかなあと思うこの頃です。
せっかく時間がとれるのであれば、読書でも、と思ってらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
そんなプロダクトマネージャーの方々に向けて、プロダクトマネージャー職に役立つおすすめ本2冊をご紹介したいと思います。
1 - ユーザーインタビューやお取引先のホンネを聞き出したいときに役立つ本
2 - 人が動く・相手に伝わる言語化能力を身に付けたいときに役立つ本
ユーザーインタビューやお取引先のホンネを聞き出したいときに役立つ本
ユーザーインタビューでなんだか芯をくったヒアリングができなかった、立場や価値観が違うお取引先との対話で相手の事象をうまく理解できなかったなどの経験をお持ちの方向け。ホンネを知りたい・本質的な課題を特定する質問力を上げたいという方にお勧めの1冊。
ご紹介する本は「途上国の人々との話し方ー国際協力メタファシリテーションの手法」 署:和田伸明さん / 中田豊一さん
著者のお二人は、NGO団体を通じて途上国支援で長年活躍されている方々です。言語や価値観の違い・支援する側される側と見えない力関係もある中、現地の方々との対話を通じて、上辺だけの会話ではなく、ホンネを聞き出し解決していく対話方法 / ファシリテーション方法を、理論的に、且つ、実践的に書かれている本です。
Kindleはなく、紙の本のみです。441Pと、なかなか分厚い本ですが、序章で、「なぜ?と聞くのは間違いの始まり」というドキっとする見出しから始まり、物語的に進んでいくので、するする読み進められますよ。
ぜひ読んでいただきたいので、深く語りませんが、ここで紹介されるメソッドはとてもシンプルで、事実をベースにした短い質問と、シンプルな返答を続けていく・こちらから考えを提案しないスタイルです。現場での事例もたくさん紹介されているので、イメージもつきやすく、本を読んだ後、すぐ実践したくなりますよ。
この質問の仕方は、ユーザーヒアリング、お取引先とのお話のみならず、社内のステークホルダーやメンバーとの対話にも活用ができると思います。立場や価値観の違うメンバーと共通のゴールを目指していく時や、どうしてこの人は話が通じないんだろう、と悩んでいる方にもご活用いただけると思います。
私は、この本を読んでから、相手との関係性の距離感に応じて、なぜ?という質問や、心情が混じるようなどう感じたか?という質問をコントロールするようになり、その代わり、いつ?どこで?どのように実行したか?など、より具体的な事実を聞く質問に変更するようになりました。
以前、関係値の薄いお取引先パートナー様との交渉時に、相手の関心ポイントが掴めずにふわふわしていた議論の際、この手法によりぽろっと本音が見えて交渉が前に進んだことがありました。
ちなみに、この本に出会ったのは、弊社のプロダクトオーナーの1人の、御守 ( @OnMorik ) に教えてもらって手に取りました。
人が動く・相手に伝わる言語化能力を見に付けたいときに役立つ本
そして、次のお勧め本。プロダクトマネージャーって、そのプロダクトが継続的に繁栄していくであろう方向性を指し示し、様々な職種のメンバーを巻き込みながら、プロダクトを作っていくお仕事ですよね。
なぜ、この施策を実行するのか?プロダクトをどうしていきたいのか?という説明を、自分の言葉で伝えたい。人が動く、相手に伝わる言語化ができるようになりたい!という方にお勧めの1冊。
ご紹介する本は「言葉にできるは武器になる。」 署:梅田悟司さん
著者の梅田さんは「バイトするならタウンワーク」などのキャッチコピーを生み出しているトップコピーライターです。著書の中では、梅田さんの思考プロセスの説明や、具体的にどのように、伝わる言葉を生み出すのかという手法が惜しみなく紹介されています。
プロダクトマネージャーは、なぜ、この施策を実行するのか?お客さんはどう喜ぶのか?プロダクトをどういうしていきたいのか?を、様々な立場の方々に向けて説明をする機会が多いのではないでしょうか。でも、なかなかうまく伝わらなかった。ということありませんか?私はたくさんあります。
この本では、最終的に発する言葉は「意見を伝える道具」であり、氷山の一角。その下に眠る氷山の、「意見自体を育てましょう」という説明をされています。相手が聞きたいのは「意見」であって、「言葉」そのものでない。なので、①意見を育てて②意見を言葉に変換する、というプロセスを踏みましょうという考え方です。
そして、①の、意見を育てる(=著者の表現では「内なる言葉」)部分が重要なので、その意見を育てる方法を、具体的に紹介されています。
この本を読んで、私は、伝わる言葉を発するには、①意見を育てて②意見を言葉に変換するというプロセスで考えればよいというのが自分の中で整理がついたことが発見でした。
そして、意見を育てる時に、この本に紹介されている手法のいくつかも取り入れています。
この記事をお読みの方々の中には、年始から、「今年はこのようにしていきます!」という説明を、社内メンバーに向けて宣言する機会をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
伝え方にお悩みの場合には、前半だけでも一読いただくと、頭の整理の手助けになると思います。
最後に
今回ご紹介した2冊は、気になったときに、何度も見返す、私にとっての良書です。この記事を読んで、少しでもみなさんのお役に立てたら嬉しく思います。
明日のアドベントカレンダーは、pmconf事務局さんのアカウントですね!
先日のpmconf2020では、pmconf事務局さんには大変お世話になりました。登壇の機会をいただきまして、その際にお話をした資料は以下公開しております。よろしければご覧ください。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
塚原文奈
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