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あらゆるものに命を見出す

染色家の
柚木沙弥郎さんの言葉が
心を鷲掴みにした

【 昔、ものを買った時には
一人の家族が
自分の家に入った位の
感覚があった 】

 

何かとてつもなく
大切なメッセージが
畳み込まれているような気がした

先人たちが
ずっと大切にしてきたもので
今はそれを失いつつあるもの

どんな日々を
積み重ねていたら
このような感覚に
出会えるだろう
 

幼少期の記憶に
微かな面影を
掴みとることができた

 
姉が近所の
算盤塾に通っていたころ
未就学児の私は
姉に着いて
よく教室に遊びに行った

記憶の中に
鮮明に残る
教室の柱がある

歴代の生徒たちの
落書きやお菓子の
オマケシール等が
ペタペタ貼られていた

その中に
粘着力の低下した
シールがあったので
無造作に剥がし
ゴミ箱に捨てようとしたところを
姉の同級生に静止された 
 

『この小さなシールにも
命があるんだよ。
ひっつく力が無くなったら
それは死ぬことといっしょなの。
だから、今までありがとうと言ってから
ゴミ箱に入れてあげてね』
 

小学生一年か二年生の言葉だ
 

その当時は
『ふーん。そうなんだ』と
ありがとうの言葉と共に
ゴミ箱に入れた。

その出来事から
今を振り返る
 

日々の暮らしのなかで
溢れかえるモノたちに
どれだけ丁寧に
対峙できているだろうか
 

モノが発する言葉に
どれだけ
耳を傾けられているだろうか

今朝、
トイレットペーパーを
使い終わったとき
無造作にゴミ箱に投げ入れた際

カランと
乾ききった音に
チクリと胸が痛んだ

『モノ』を
家族のように感じ、
扱うとは、
どうすれば良いのか
 
モノに向き合う姿勢を
ちゃんと考えてみようと思う

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