当時の日記より174@2010 11/28
500mlの水筒が壊れた、水漏れすると言い張る。電気ポットの他に水筒まで持って行くから荷物が膨れ上がるんだよ、言わないけど。たまたま家にあって使っていなかったものだが、色が気に入らないのだろう。青だから。仕方なくピンクの水筒を購入。ボタンがついていないパジャマと塗り薬が足りなくなったから持ってこいと言われてたな。それからリンゴだ。
小田急に寄ってパンを買う。それから「くるみ小女子」とおにぎりも頼まれたんだ。重い。重すぎる。
物の名前があやふやになってきたのでトラブルがますます増加中。以前金時豆を何度説明してもうずら豆だと言い張ったように、小女子をしらすだと断言。何十回も食べたいと騒いだので「しらすくるみ」を買って行ったら激怒。
「何やってんのよ、これじゃないわよ。固いしらすあるじゃないのっ」
固いしらす...。もしかして小女子のことか?!と買って渡したら機嫌が直った。
「今度はちゃんと買ってきたわね」
何故上から目線...。
スーパーで焼き芋がやっと買えた。あんぽ柿も見つけたので買った。病院は目の前だけど私の手はちぎれそう...。
おにぎりは病院の売店で買えばいいや。と寄ったら偶然担当看護師に会ったのでデパスの質問。やはり3時を過ぎたら出してはいけない決まりなどなく「もうすぐ朝になるけど今から飲んで大丈夫?」と確認しただけだそう。こうして妄想は出来上がっていくんだな。
あんぽ柿を出したら大喜びしたのもつかの間、産地チェック。
「山梨県産なのね。私はあんぽ柿と言ったら福島県産が一番なんだけど」
だったら食うな!とぶちキレてゴミ箱に投げ込みそうだった。私がそれをしたらあなたは私の気持ちが少しは分かるんだろうか。アスペルガーの空気を読まない「素直な感想」は本当に本当に腹が立つ。黙って!その一言でトラブルが起きてるんだから黙ってよ!
姫(母)は人の物が何でも欲しくなる。私と姫は身長差が20cm近いのだが、私の服を欲しがる。アクセサリーもバッグも。しつこさに辟易してあげるとそれで満足。使っているところは見たことがない。
1年程前に姫が帰省した時、親戚が使っていたスライサーをやたらと欲しがったそうで新品を送ってきてくれた。その時点で姫はもう料理なんて作れなくなっていたのに。届けばそれで満足。箱から開けてもいない。そのことを突然思い出したらしい。
「今度退院したら自分でお料理するわ。スライサーあるわよね。捨ててないわよね」
「はいはい。あります」
この入院中、毎日スライサー攻撃に遭っていたのだが
「今度退院したらあのスライサーを使って大根おろしを作るの。あれで作ると美味しいんですもの。だから絶対あれを使うのっ捨ててないでしょうね。大根おろしを軽く塩もみすると美味しいんだからっ」
「姫...スライサーはスライスするものだから大根おろしは作れない。大根おろしを塩もみすることも無理」
大激怒。
「なんでよ!!」
「おろしてあるから」
小さな小さな声で「あ」って言ってた 笑。
その間違いには気づくのね。
「何言ってるのよっ大根おろしじゃないわよっ。千切りにするのよ。千切りにして塩もみにするのよっ」
「それいつも食べたいって言うから毎回やってあげてるよね」
「だってあなたスライサーじゃなくて手切りじゃないの」
「スライサー使うより包丁でするほうが好きなんだから」
「だめなのよっスライサーじゃなきゃ美味しくないっ!」
食べてんじゃんっいつも!!
「いいっ?!私がやるわよっ!歩かなきゃダメになるんだからっ」
何の話だよー。
「沢山歩かなきゃダメなんだからっ私は歩けるんだからっ退院の時に車椅子積んで来ないでよっなんで歩けるのに私を乗せるのよっ」
毎回しつこく言うので持ってこなかった時には「私を歩かせる気か!車椅子は!!」って大激怒して、駐車場まで病院の車椅子借りる羽目になったよね。もううんざり。
こんな人と2週間びっちり生活するなんて気が狂う。42回食事作らなきゃならないのか。ヘルパーさんはそのうちの4回。残り38回は私の役目。
ねぇ、放射線の話は何処に消えたの?私は正直これでこの口を黙らせられるって思ったよ。もう限界だよ。頭に浮かんだことを片っ端から口にして独り言として放出している本人はいいでしょうよ。受け止める私の身にもなってみてよ。
アスペルガーの異常な味覚過敏と物事へのこだわりは脳転移によってひどくなる一方。でも何も知らない周りの人たちは慰めのつもりで私に言うのだ。『病気がさせていることだから』『一生続くことじゃないのよ。今だけよ』
だったらお前やってみろ!
私の気持ちなんて誰にも分からない。