当時の日記より196@2011 1/25
カーディガンへの執着は未だもって続いている。
「このカーディガンはちっとも暖かくない。京王で新しいの買ってきてよ」
「買わなくたって沢山持ってるじゃない。今度実家に取りに行ってくるね」
先日実家に行って持ってきた一枚は気に入らなかった。
「これじゃないっ他のが良かったのに!」
「そっかー」
で聞き流した。ずっと言っててください。
姫(母)を見ているといつか来る自分の死期を思う。私は何に執着し、誰に迷惑をかけるのか。誰に嫌われるのか。想像すると怖い。こんな風にみっともない姿を晒すのは嫌だ。
卯月が買ってくるおかずが悪いせいで私は何も食べられない。病院の食事が口に合わないせいで私は栄養が摂取出来ない。全てを周囲のせいにする。今日もきっとまた何らかの文句の電話がくるだろうと思っていたら、かかってきた。
「私はね、カルシウムが足りないのよっ。カルシウムが入っている物を買ってきなさいよっ。具体的に何かは分からないけど、いいから買ってきなさいよっ」
この人は下手に出ると言う態度が何故取れないのだろう。
「ねぇ、私この間タッパーを持ってくるように言ったわよね。何も言わなかったから忘れたんだろうと思ったけど、もしかして私が気づかないようにそっと何処かに隠して置いていったのかも知れないと思って部屋中探したけど何処にもないじゃないのっ」
タッパーなんか頼まれてませんけど...。おそらく部屋中を歩き回れるほどの体力があると私に示したいのだろう。「隠した」は認知が始まってからずっと続くキーワードなので、それも繋げて口から出て来たに違いない。
胸水をひかれる時の体勢が辛いとボヤいた。その体勢が維持出来なくなったらもうひかないって、めんたろうは言ってたな。
いよいよなのかも。