当時の日記より167@2010 11/18
あまりにも寒いので先に入浴して浴室を暖めてよ!という指令が下った。はいはい。私のあとにささっと入った姫(母)。その翌日浴室に入って気づいた。カランをきっちり締める握力がなく、細く細く水が出っぱなし。丸一日この状態だったのか。私が注意を払わなければならないことは細部に及ぶのだとつくづく実感。
11時。訪看さんがやってくる。あれやこれやと文句を付けては食べない状態に辟易していた私は玄関先でこそっと告げ口。高カロリーゼリーを一日かけて半量しか食べず、せめて一つは完食するよう言ってもらうことに。たいてい私以外から受ける注意はちゃんときくから。
とにかく最近は目に余る。キウイは病院で頻繁に出るから買うな、バナナもそう。甘くなってきたからそろそろいいだろうと買ったみかんも気に入らない。
昨夜は味噌汁の中からえのきだけをつまみあげ
「これ、病院でよく出てくる食材なの。病院思い出すから家では出さないで。もやしもね」
無茶言うな!!人の気持ちが分からないって本当に危険だ。敵しか作らないだろう。
豆が大好きでお茶の時は佃煮と煮豆と漬物が必須。ただでさえすぐ飽きるのだから色んな煮豆を揃えておくが、今回のとら豆は気に入らなかったようだ。「食べたくないの?」「イヤなんだよね」何度聞いても絶対認めない。
「そんなことないわよ、私は豆が大好きなんだから」
そしてナイスな言い訳を思いついたようだ。
「あら、なんだかこの豆傷んだみたい。へんな匂いがしてきたから捨てておくわね」
冷蔵庫に入れた市販の豆が開封2日で腐るわけない。面倒だから何も言わなかったけど。
ヘルパーさんにリクエストした筑前煮も
「卯月の好きな味つけだと思うわ。私は口に合わない」
そもそも私の作る煮物が気に入らないと文句言ってたよね。そこになんという偶然か、ご近所さんが「煮物作りすぎたわー」と持ってきてくれたのだ。喜んで戴き、夕食に出した。すると一口かじった食べかけを取り皿に乗せてそれっきり。
そんなに不味いの?と恐る恐る食べてみるとものすごく美味しい。
「食べないの?」
「そんなことないわよ。私は今ほかのおかずを食べているから」
「アジが美味しいわ。やっとアジが食べられた。美味しくてこればっかり食べちゃうわ」
色んな理由を並べてから、さっきの食べかけを指して
「私が食べたこれ、一体何なの?さつまあげかと思ったのに違うじゃないのっ。だからもう食べたくないのよっ」
私はぽかーんだ。意味が分からない。どっから見てもがんもどきですけど、さつまあげじゃないから要らないっていう意味が分からない。食べられないことをなんとか正当化しようと屁理屈が酷くなっている。
訪看さんにとてもいいお返事をして答えたのだからと、朝食に食べた高カロリーゼリーの残り半分をまた出した。ぐちゃぐちゃとスプーンでかき回した挙句
「私ね、こういう安っぽいもの普段から食べ慣れてないでしょう?だから嫌いなんだと思うの」
食べないことは死につながるけど、本人が要らないなら私がここまで頑張る必要はないのでは?大量に買ったよ、どうすんだよ!(特殊な食品なのでばら売りでは購入出来ない)
これ以上何か言うのも面倒でさっさと片づけた。
楽しくないよ、毎日が。