当時の日記より175@2010 11/29
Oさんが病室に来てくれたと姫(母)から電話。旧棟の時はよく同室になったが、病院が新棟を作って様々な方針が変更されてからOさんは通院治療に変わった。のんびりお喋りしたあと帰りがけに
「こんな高い部屋は早く出てしまったほうがいい」と言われたそうだ。
絶対妄想。姫、忘れちゃってるよね。自分から個室に入りたいって頼んだこと。そして話は唐突に変わり、薬について。
「ちょっと咳が出るから咳止めを飲むことになったの」
「何?メジコン?」
「違うのよ。前にも飲んだことのある薬」
「あぁーリンコデ(リン酸コデイン)ね」
「違うってば!!」
激怒。
「姫が飲んだことのある咳の薬はこの2つだけだよ」
「そんなことないわよっ私が飲んだ薬は私がよく覚えてるんだからっ」
「そう。なんていう薬か教えて」
「忘れたわっ!」
コントか?コントだな。コントってことでいいな?
「午前中のは届かなくて15時になったわ」
その薬は徹底管理されているのだという。
「私が手元に置いていてはいけないんですって。飲む時間まできっちり決められていて時間になると看護師さんが冷蔵庫から出してくるの」
???
薬の管理はもう危険と、今は姫が持っているものは一つもない。リンコデはもともと麻薬性なので自己管理禁止だった。
「時間が決められているのにその時間に持ってきて貰えなかったの?」
「そうなの。8時と14時。だから今日は一度しか飲んでないわ」
「薬、冷たいの?」
「なんでよ?」
「冷蔵庫にしまってあるんでしょ?」
「何処にしまってあるかなんて私が知る訳無いじゃないの!何言ってるのよ!」
いや、今、あなたが...。
「この薬飲んで太ったら困るでしょう?だから確認したのよ。副作用で太らないかどうか。そしたら大丈夫ですって」
逆に太ったほうがいいだろ、30kgちょいしかないのに。
「これまで副作用で太る成分の薬なんて出たことないじゃない」
「何言ってるの!前にこの薬出されて太ったじゃないのっ!!」
錯乱?錯綜?迷走?今日はこれまでにないくらい会話がおかしい。
「インフルエンザのお注射をやっとしてもらえることになったわ」
咳が出てきてるこのタイミングで何故だろう。素人の私には分からない。もういいや、何かあってもそこ病院だしね。
夜。また電話が来た。
「Oさんがねとっても素敵な黒のカーディガンを着て来たのよ」
またカーディガンかよっ!カーディガンカーディガンってうるさいなっ。
「私もカーディガンが欲しいのよね。私は黒じゃなくて華やかな色がいいわ。そういえば白いカーディガンはやっぱり見つからなかった。ううん、白いカーディガンだけじゃない、バッグもない、コートも無い」
出た吉幾三。
「退院したら一緒に探そうね」
で話をまとめようとしたら
「私が捨てたわけないからっ!!私まだそんなボケる年齢じゃありませんからねっ!!」
もういいよ私が犯人でいいよ。
「私はみんなに言われるんだからっどうして病院にバッグを持ってこないのかって」
「そうなんだ。それは荷物が多すぎてスーツケースじゃないと入らないからだね」
「患者さんは色んなことを言いたい放題言うのよ!」
「分かった。そんなにスーツケースがイヤだったらもうやめよう。これからはバッグに詰めよう。それでいいね」
「入りきる訳ないじゃないのよっ何言ってるのよ!」
泣きたい。もう私は限界だ。本当に本当に限界だ。