当時の日記より45@2009 8/30
22日に退院した時、ちょうど移動販売の八百屋さんが自宅前に停車したタイミングだった。
そもそも八百屋さんはもう少し先の通りで売っていたのだが、姫(母)が野菜は重たい。私は重い物は持たないの。だから家の前につけて欲しいと頼み込んで目の前に来るようになった。
立ち止まって買い物する気力がなく、姫はすぐ家に入ったのだが「あらインゲンが美味しそうね」と呟いていた。欲しければ買ってと言うので、社交辞令かなと気に留めず。
買い物を済ませて家に入ると
「インゲン買った?」
「え?買ってないけど」
そう。一度気になったらもう頭から離れないアスペルガーの悪いクセが炸裂。その日の夕食で
「あのインゲン美味しそうだったわねぇ」
翌日の朝
「インゲンってお浸しにすると美味しいわよね」
昼食時
「今、インゲンって旬なのかしら」
夕食時
「八百屋さん、次もインゲン持ってくるかしら」
ついにぶちキレた私。
「うるさいんだよっ買うよ。買えばいいんだよねっインゲン!!」
姫はぽかーん、である。
分かっている。言葉=音だ。買わなかった私を責めてねちねち嫌味を言っているつもりはまるでないのだ。ただ気になったら頭から離れないから食事の度にインゲンを思い出して言葉にしてしまっているだけ。
でもそれ、普通の神経の人は「嫌味」だと受け止めるんだよ。
こうして姫は私を幼い頃から「短気な娘」と位置付けてきた。自分の言動によって人を怒らせているとは想像すらしないのだ。
アスペルガーとの暮らしは苦しい。黙って全て受け入れてあげられるほど、私は人間が出来ていない。