当時の日記より177@2011 1/1
正月だからめでたい訳でも、のんびり過ごせる訳でもない。昨日の繰り返し、一昨日の繰り返しをしているだけの生活だ。
親戚や友人から怒涛のように届く荷物で、我が家は宅配便の上得意様。入退院を繰り返すようになってから、私が逐一指示しなくても実家が不在の時は私の自宅に転送されてくる。業者さん、ありがとう。
そして元旦早々、転送されてきたクール便。中身はたことホタテ。面倒くさい。冷蔵庫に突っ込んでおけば済むような物にして欲しい。
さすがにデパートもスーパーも開いておらず、病院近くのコンビニに寄る。昨年末救急搬送されて病院へ舞い戻った姫は酸素吸入を施された。人差し指につけられた装置でナースステーションより随時監視。トイレや洗面では酸素70台にまで下がるが、平穏時には酸素チューブを外していていいことになった。
シャワーに行く気力もなく、あれほど人に肌を見られるのは嫌だと拒否してきた姫(母)が今ではすんなり清拭に応じる。
以前私は姫に触れられない件を記したことがあると思います。幼少時、姫は私が触れることを極端に嫌がる人でした。それが元で私は女の人から触れられることがものすごく苦手。握手とかハグとか、一瞬で離れることは平気ですが、それ以外は殴りつけてしまうんじゃないかと思うほどの拒否反応を示してしまう。そのトラウマを植えつけた姫には触れられないのです。理解してもらえない感覚だとは思うのですが。だから姫の介護は本当に大変でした。病気が進むにつれ、触りたくないから触らないでは済まされない状況になってきたからです。
毎回、歯を食いしばって決死の覚悟だ。特に足の指の皮膚障害が酷くなり、自分でドレニゾンテープの貼り替えが出来なくなってからは。剥がして蒸しタオルで拭いて、消毒して新しいのを貼って。
それだって大変なのに清拭が加わったらマジで泣きそう。病院では可能な限り逃げている。蒸しタオル持ってきてくれた看護師さんに「お願いー」とやらせてしまう。が、今日はタイミング悪くタオルを持って現れた途端にPHSが鳴って他所の部屋へ。
タオルが冷めてしまうので仕方なく拭いて保湿クリーム塗りたくって、足の手入れして。あぁ全部やっちゃったよ。
脱力したところで「お茶」
はいはい。お茶とお茶請けとあれ出してこれ出してのオンパレード。家じゃないんだから多少の不自由は我慢しよう。とは思わないのが姫。
夕食。コンビニで購入したゴージャスな煮物(おせち料理チック)を院内のレンジで温めて出したら
「いやっ」
もういい、食うな!私が全部食べてやる。
食べ物で思い出したらしく、これまでに届いた荷物の中身を一つ一つどのように保存したか報告させられる。今日の荷物以前に、年末だからとほうぼうから大量に魚や餅が送られてきているのだ。
疲れ果てて電車に乗った。空いている車内。降車駅のドアが閉まっていく様子をぼんやり観察している私。えっ!ダメじゃんっ降りるんでしょうがっ!寝過ごした訳でもないのに乗り過ごすという失態。
ぐったりして帰宅。このまま寝ちゃおうかなと思ってふと思い出した。ホタテの存在。
殻から外そう...。あ、のしもちも切り分けないと冷凍出来ない...。
寝られない。