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MS患者が感じた医療制度の違い
みなさん、こんにちは。あやめです。
Xを使い始めて、MS患者の通院間隔が日本と私が住んでいる北欧の国とで大きく違うことに改めて気づきました。しかし、日本の医療制度(特に難病患者への対応)について深く理解しているわけではないので、以下にシェアした北海道医療センターに関する情報が中心になりますが、比較してみると興味深い点がいくつかありました。このブログではその違いについて、少しだけ感じたことを書いてみたいと思います。
神経免疫疾患センターより🥰#多発性硬化症 患者さんの通院間隔
— 北海道医療センター (@HMChokkaidoiryo) December 10, 2024
MSをお持ちの方にもそれぞれの生活があり、通院の負担は無視できないと思います。この動画では通院間隔に関する考え方と、通院負担を軽減する方法について解説しています。https://t.co/c9njqWRkPm#北海道医療センター #指定難病 pic.twitter.com/u69U0fBg5B
この動画で紹介されていた内容から理解したことですが、「高額かつ長期」の治療として認定されるためには2ヶ月ごとの通院が必要だそうです。それ以外の場合は3ヶ月ごとの通院が基本になるとのこと。また、この通院間隔によって、負担額も変わる、とのことでした。この情報をもとに考えると、MS治療を病院で受ける場合は、それ以上の頻度で通院するケースも多いようです。一方で、神経内科医の診察のみが必要な場合でも、定期的な通院が求められるのは患者にとって大変な負担になることも想像できます。
そして、私自身もかなりの頻度で病院に通っていることに気づきました…私は現在、タイサブリという点滴治療を受けており、4週間ごとの通院が必要です。それに加え、年に2回の血液検査(点滴と同じ日)、1年に1回のMSドクターの診察、そして1年に1回のMRI検査を受けるため、最低でも14回は病院に通うことになります。また、過去には多職種協働(multidisciplinary care)のリハビリを受けるために週3回リハビリセンターに通院していたこともありました。他にも、うつ病の治療で臨床心理士のセラピーに通い、機能性神経障害のリハビリや、今は摂食障害の治療施設にも通っています(と言ってもまだ治療自体を始めるための待機リストにいる段階ですが…)。これらを合わせると、ここ数年は本当に多くの治療を受けてきたと感じます。この全てが基本の医療保険でカバーされていることには本当に感謝しています。
こちらの保険制度では、毎月の保険料が約2万5千円ほど(保険会社によって異なります)で、MSを含む特定の病気を持っていても追加の費用は発生しません。(ただし、昨年の入院では自己リスクと呼ばれる約65,000円の費用を負担しました。)この負担額に関しては、全体的に見ると、日本とあまり変わりはないように感じます。
各国で、動画で紹介されていたようなオンライン診療がもっと普及すれば、患者が病院に通う負担をかなり軽減できるのではないかと思います。それぞれの国には医療保険制度の利点と欠点があり、MS患者の視点からだけで評価するのは難しいですが、興味深い違いがあるのも事実です。私の家族にも、他の難病や指定難病を抱えて、定期的な通院が必要な人もいます。彼らの体験を聞くと日本の制度の良さ(時には、問題点)を再認識することもあります。MS患者の観点から見ると、日本のように定期的に神経内科医と話せる環境は一つの強みだと感じます。
また、様々な国から来ている同僚たちと話していると、「治療費が保険でカバーされず必要な治療が受けられない」「適切な保険がないため簡単には病院に行けない」といった話を聞くこともあります。これを考えると、日本や私が住んでいる国のように基本的な医療アクセスが保障されていることは本当にありがたいことだと感じます。
健康保険制度のあり方は、各国で大きく異なり、その背景には文化や社会構造、経済状況など様々な要因が関わっています。まだまだ私も学ばなければならないことがたくさんありますが、患者として経験する課題や感謝の気持ちは、医療制度の違いや各国の文化的背景によって異なることを改めて実感しました。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。