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ポジティブ心理学でウェルビーイングな日々を・10「リュックを放り投げろ!=本当に本当にやりたいことを目標にする」

ハーバード大学の超人気講師であるタル・ベン・シャハー教授は、
幸せは、『「喜び」と「意義」の同時体験』と定義した、
というのが前回の話だったね。


☆「喜び」・・・「現在の利益」
☆「意義」・・・「未来の利益」


私たちは、「今、ここ」で喜びを感じていたいし、
その喜びは、自分の行動によって、発生させたい。

だって、自分の喜びが他人の行動によるものだったら・・・
まあ、そういうときもあって、もちろんいいんだけど、
そればかりでは、
自分の幸せが、他人に依存することになっちゃう。

そしてね、私たちは、
自分の行動が、意義あるものであってほしい。

シャハー先生は、
人間が生まれながらにして持つ「霊性」によって、
自分にとって、何が重要なのか、
意義があると思えるのか、
私たちはちゃんと知っていると言うんだ。

それって、なんか、すごいことだよね。

じゃあ、ここでひとつ質問ね。

「一生、食べるに困らないお金が保障されたとしても、
やりたい(やめたくない)ことって、なんだろう?」


・・・・・・けっこう、難しい質問だよねぇ?

私ね、この質問に対する答えを、
ずっと持っていたの。
ものこごろついたときから、同じ答え。
この答え=夢が、自分のアイデンティティだと、核だと、
ずっと思っていた。

でもね、最近、この夢を、
他人からの評価によって、一刀両断に否定されたの。
ここまでやって、全力を尽くして、自信があったものを否定されるなら、
もうダメだ、と思った。
評価した人から「NO」と言われただけでなく、
神さまから「NO」と言われたんだと思った。
「あなたはそっちじゃないんだよ」って。

どん底まで落ち込んで、
半身をもがれたように虚しくなって、
そこから・・・考えたの。

その夢は、私が本当にやりたいことだったのかって。

正直ね、まだ答えは見つかっていない。


シャハー先生の哲学の師である、オハド・カミン氏は、
シャハー先生に、こんなアドバイスをくれたことがあったらしい。

「人生は短い。
進路を選ぶときには、
まず最初に、自分にできそうなあらゆることをリストアップする。

それらのなかから、
自分がやりたいと思うことを、すべて選ぶ。

続いて、そのなかから、
本当にやりたいと思うことを、選び出す。

そして最後に、そのなかから、
本当に、本当に、やりたいと思うことを選び出して、
それをやるか、
それができるようになるために、努力する」


私にとって今回の挫折は、
少なくとも、「本当に、本当に、やりたいと思うこと」を
改めて、真剣に考えるきっかけにはなったよ。

「本当に、本当に、やりたいと思うこと」ならば、
辛くても、遠回りしても、
きっとその夢に戻っていくだろう。

そうでないなら、違う道が、きっと見つかるだろう。

そう信じることにしたよ。

だってね、神話学者のジョセフ・キャンベル氏の
晩年のインタビューの言葉に共感するから。

「見えない手に助けられているという感覚は、しょっちゅうです。
見えない手がいつも助けてくれるので、
しだいに私は、ある仮説を抱くようになりました。

『あなたにとって、あなた自身の至福を追及しはじめることは、
あなたを待ちながら、常に存在してきた道の上に、
あなた自身を乗せることであり、
その道こそが、あなたの生きるべき道である』
という仮説です。

ですから私は、いつも人々にこう言っているのです。

『あなたの至福を追及しなさい。
そして恐れないことです。
そうすれば、思わぬ場所で、思わぬ扉が、
あなたのために、次々と開かれてくるようになるでしょう』と」


私の決意を待ちながら、
すでに存在している私の道というものがある。

あなたの決意を待ちながら、
すでに存在しているあなたの道というものがある。

そこに乗れば、すべてが信じられないほど順調に進むよと、
ジョセフ・キャンベル氏はそう言っているんだね。


シャハー先生は、
「本当にやりたいことを目標として設定し、その達成を目指す」
ことが、幸せを追求することだとしているよ。

本当にやりたいことであれば、
達成そのものだけでなく、
そのプロセス、過程も喜びになるから。

つまり、「未来の利益」と「現在の利益」の両立ができるということ。


だからね、「これだ」と思える目標を決めたら、
まずは「リュックを壁の向こうに思い切って放り投げろ!」だって。

私たちの人生が旅だとして、
私たちはリュックを背負い、
目指すべき目標に向かって歩いている。
しかしやがて、目の前に突然、
巨大な壁が立ちふさがる。

そこで私たちはどうするか。

もうこのまま前に進むことは無理だと諦めて、
進む道を変えるのか。

それとも、リュックをえいやっ!と壁の向こうに放り投げて、
それから、
とにかく、壁を突き破る方法、乗り越える方法を探そうとするのか。

・・・リュックを放り投げるというのは、
「なんとしてもその目標に向かう」という決意を固めること。

「信念は現実を創造する」と、心理学者たちはいう。
人がリュックを放り投げたとき、
つまり、特定の未来を目指す決意をしっかり固めたとき、
その未来を現実化する自分の能力を、強く信じている。
強く信じると、その通りに現実を創造していくことができる。


・・・どこにリュックを投げるのか、
私みたいに、まだ迷っている人もいるよね。

でも、これまで頑張ってきたひとつひとつに、
きっと意味はあるし、
自分とちゃんと向き合えば、
きっと道は見つかると、私は信じたいよ。
ううん、信じようと、努力しているよ。

シャハー先生が言うんだもの。

人生は、大量の「やらなくちゃならないこと」を行うには短すぎる。
人生は、私たちが「やりたいこと」を行うために充分な長さしかないのだと。

私たちには義務や責任があるから、
「やらなくちゃならないこと」を完全になくすことはできないけど、
私たちが幸せでいるために、
「やりたいこと」もしくは「やりたいことに向かうための行動」に
できるだけ多くの時間を割けるよう、意識的に毎日を過ごしてください。
・・・と、シャハー先生はアドバイスしています。

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※このコラムは主にポジティブ心理学に基づき、
幸せでいるためのエビデンスに基づく方法を紹介しています。
※ポジティブ心理学の分野では「Well-being」を高める方法が数多く研究されています。

※このコラムの参考文献 :「HAPPIER」タル・ベン・シャハー著


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