怒りの達人
怒りを伝えるには、怒りはいらない。
自分を怒らせた相手に対峙している時、怒りの感情メーターが低ければ低いほど、
自分の気持ちをうまく伝えられる。
最近の私の発見。
怒りの頂点で、感情に乗っ取られたまま言葉や態度に表しても、結果は思わしくない。
怒りの手綱は自分が持つ。
そこにある感情を抑えたり否定するわけではない。
怒りがある時は、自分の何かが傷ついているので、まずは傷ついたことを認めること。
傷ついた自分の弱さをけなしたりしないこと。
脊椎反射みたいに、怒りのピークにノータイムで反応するのは最悪。
ピーク持続時間はだいたい10秒弱ぐらいなので、深呼吸を3回して過ぎるのを待つだけでも、ずいぶんまし。
冷静だと、刺さる言葉がラクに出てくる。
大事なことなので、もう一回。
怒っていることを表現するのに、怒りの感情は必要ない。むしろ邪魔。
やたらと怒っている時、悲しくなる時は、心身のつかれがたまっていることも。
私の場合、寝不足、多忙、それから空腹時はだめですね。
十分睡眠をとったり、ご飯を食べるだけで解決できることも。
感情と自分と、一生向き合って取り組んでいくのだろうな。むずかしいし面白い。
怒り、特にキレる演技が声優さんの中で(私調べ)一番素晴らしい声優・岡本信彦さんは
日常生活では全然怒らないのだそう。「怒りって何?」と発言しているのを読んだこともある。
すぐれた怒りの表現に、怒りの感情はやはり不必要なのではないか。
実は私、岡本さんのキレる演技をマネする練習中。「クソが!」と言ってる妙齢女性どうなの?とは思うけど、中身は年中男児だし1人でいる時にやっているので人さまにご迷惑はおかけしてない。実生活では使う予定は今のところないのだけど、キレるってどんな感じか、どういう風にすればコワく伝わるかには興味があって。
岡本信彦さん代表作。
『僕のヒーローアカデミア』爆豪勝己。
いつもキレていて、性格が「クソ下水煮込み」なのに、人気キャラクター投票第一位。
主人公推しの私は正直くやしい!
かっちゃん、好きだけど。
『鬼滅の刃』不死川玄弥。
初登場はトゲトゲしくてひたすら怖い彼。徐々にお兄ちゃん思いでやさしいかわいい面が出てくる。
2人とも口が悪くて乱暴。でも、ストイックでまっすぐ。
周囲の人たちにはわかりにくいけど、実はとても仲間思いの、荒ぶる10代少年。
それにしても「僕のヒーローアカデミア」「鬼滅の刃」2作品とも、全世界に大勢のファンをもつ超人気マンガかつアニメ。
岡本さんは両方に、しかもメインキャラクターとして出演されている。すごい。
また、この両作品のストーリーとキャラクター造形は世界中に支持されているわけで。
日本のマンガ、アニメは偉大なコンテンツに成長したのだなあと思う。
この2人とは真逆、キレてるところが想像できない、スイートな王子様的キャラクターも、岡本さんの得意分野。
『葬送のフリーレン』勇者・ヒンメル。
ぜひ、上の2つの動画と聞き比べてほしい。
「ええええ〜っ!?!」と、のけぞってびっくりできます!
同一人物の声、口調とはとても思えない。
声優さん、演技の魅力もだけど、年齢やキャラクターづくりの技術が本当に素晴らしい。
怒りの達人、道のりは遠いけれど、目指す価値はあると思う。