アフリカで突発性難聴になった話
昨日の昼頃、左耳がなんとなく耳抜きができなくてこもった感じが治らないなーと思っていたら今度は耳鳴りがしてきて、これが1時間くらい経ったらまったく聴こえなくなったのです。
バランス感覚もおかしくてかなり集中しないとまっすぐ歩けない感じ。
ふわふわするし人の話は聞き取りにくいし嫌だなーと思って色々検索すると突発性難聴に症状が当てはまりすぎててものすごく不安になりました。
しかも発症した人の半数以上の聴力が元に戻らない上、まったく聴こえないのはかなり重症だとかなんとか。
それでもこういう時に目につくのは最悪のケースで実際はなんともないんじゃないかという希望を持ってとりあえず様子を見る事に。
そうしたら今朝、起き上がろうとするとひどいめまいに襲われ、さすがにこれは病院に行こうと決意しました。
徒歩5分のクリニックまでも歩く事ができず、タクシーで向かうも到着して車を降りた途端に嘔吐する始末でかなりふらふらでしたが、しばらくじっとしていると平気になるのでドクターに症状を話すとすぐに耳鼻科の専門医にかかるように言われました。
今私のいる所はタンザニアの田舎で、ガタガタ道を車で1時間以上かけて街なかまで出ないと総合病院はありません。
ドクターに吐き気止めの注射を打ってもらい、万が一のために入院の準備をして総合病院へ。
到着してふらふらと受付へ行くとなんと今日は耳鼻科医が休みとの事。
どうやらこの病院がこの辺りで一番の(外国人や高所得者向けのそれなりにちゃんとした)私立病院で、他の所はかなりグレードが下がる様子。それでもここまで来てなんの治療も受けずに帰る訳には行かないので近くのもう少しローカルな病院へ行く事にしました。
到着するとタクシーの後部座席に横たわっている私を見てすぐに車椅子を持って来てくれたので少しほっとしましたが、車輪の空気が抜けている上に病院の外も中もコンクリートの床がガタガタであまり乗り心地は良くありませんでした。
そのまますぐに診察室に通されたものの、受付に時間がかかりドクターが来るまでかなり待ったように思います。いつ交換されたかわからない汚れたシーツのかかったベッドを目の前にしながらもう考える事をやめようとただ時間の過ぎるのを待ちました。
そうしてしばらくすると白人のおばさんが入ってきたのです。あぁこれで安心だと思ったのも束の間、この人はナースで私の心拍と血圧を測るとどこかへ行ってしまいました。
朝9時に家を出て、もうこの時点で昼を過ぎていましたがとにかくもう待つ事以外にできる事もないので車椅子の上でぼーっとしていると今度はやっとドクターが現れました。しかしこの人も専門医ではなく、結局14時に来る耳鼻科医を待つしかないとの事。
私の様子を見かねて観察室のベッドで待たせてもらえる事になったので少し眠る事ができましたが14時になったところで受付で聞くと耳鼻科医が来るのは16時以降で、それから入院患者の回診をしてから問診に入るとの事でした。
あーもうさすがアフリカ、と思ったけどそういえば以前スリランカで足の指を骨折した時にもまったく同じパターンで5時間待ったんだった。学習してない私が悪い。というか日本でも診察時間外に行ったら同じ事だよね。
ともあれ同行してくれたパートナーもかなり疲れて苛立っており、ひょっとしたら今日このまま医者の顔も見ないまま帰る事になるんじゃないか、なんて縁起でもない事を言いながら来るのかわからない医者をただ待ち続けました。
そうして16時半、やっとドクターが現れ、少し耳の中を覗いて炎症がないのを確認するとあとは問診のみで突発性難聴と診断を確定しステロイドの処方箋を出すとものの5分で診察終了。
あぁ、これでやっと帰れると思ったら今度は薬局でステロイドの処方量が多すぎると思われたらしくひと悶着。なんとか薬を出してもらいそのまま待ってもらっていたタクシーで帰ってきましたが家に着いたのは18時頃でした。
ほとんどずっと横になっていたのにへとへとになりました。耳鼻科行くのに9時間は長いよね。
そんな訳で現在進行形で片耳がまったく聞こえない状態です。原因不明、治るかどうかは半々ってところらしい。めまいを抑える薬も出してもらったので歩いたりごはん食べたりはできるようになりました。
それにしても人間の身体というのは不思議なもので、片耳しか聞こえていないのにすでに慣れてきているように感じます。きっとこれを読んでいる方の中にも同じ様な経験のある方もいる事でしょう。
ちなみに冒頭の写真は観察室にいたママ猫です。
病院内に猫が住み着いてるとかほんとさすがアフリカ。
これもある意味貴重な経験ですね。
不安は尽きませんが良くなる事を祈ってしばらくは安静に過ごします。