こたつを選ぶ、ただそれだけで思い出すこと
先月末、ぐっと冷え込んだ部屋の中、電気ストーブの前でダンゴムシのように丸まって動けなくなった。
1年前の冬は1人暮らしだったからそれでも良かったのだが、今年は2人暮らしである。
私が電気ストーブの前でダンゴムシに擬態していると、パートナーの彼が震えながら着込んでいた。「そこを代われ」と言わんばかりにじっとこちらを見つめる姿は柴犬のよう。おまけに敷いているカーペットは薄く、底冷えが激しいから、彼は座ることもなく棒立ちしている。
ダンゴムシと震える柴犬はすぐさま、週末に厚めの(できればふわふわの)カーペットを求めて家具店へ向かった。
カーペットのコーナーで、手触り感を確かめる。今より厚手で底冷えしなさそうなものを選ぶにつれ、カーペットコーナーからこたつ特集コーナーへ移動していた。
「あ、こたつっていう選択肢があったか」
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