書くを始めて
かみつれ日記を始めて、最初はとても楽しかった。
ただ、楽しかった。
今日の感情や出来事、思考を言葉にして表現していく。自分の世界だけに留めていたものを解放するのには、なんとも言い表し難い爽快感があった。
しかしその反面、毎日描き続けることには慣れておらず、毎日ビックニュースが訪れるような華やかさは、私の生活には持ち合わせていない。
そのため日が経つごとに「何を書くか」には頭を悩ませたけれど、不思議なことに書くことにはあまり困らなかった。始めたばかりの、ただ楽しいままに自分の脳内の引き出しをとにかく開けていくものとは違うけれど、この日記を書き始めてから、日常の何気ない瞬間へのアンテナが拡大したように感じている。
ただ雨の中の街を歩くだけ、ただ好きで観ていたアニメの中、そのような見える全てに何らかの思考のヒントが転がっている。何気ない瞬間があらゆる思考を生み出していることに気づいてからは、日常の色んな瞬間を見過ごさなくなってきたように思う。
これは思いがけない収穫だった。
ご縁の大切さが毛細血管の先まで染み渡ったある日からは、相変わらず恐怖感が拭えない対人関係に対しても、自分からご縁を繋ぐぞという気持ちは強まった。
こんな夏の日、嵐の荒波に乗る船のような揺れ動く心と共にあったものの、その荒波を面白く感じていた私には、少しずつ覚悟というものが宿り始めたのかもしれない。
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