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若さ

若さとはなんだろう。

私よりも年齢が上の方とお話しすると、「若いのに、お嬢ちゃんよく知ってるね〜」とよく感動される。

それは私が会話の引き出しに、日本古来の文化をうきうきと詰め込んでいるからだろうと気づいたのはつい最近。

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うちの祖父母の家は、昭和初期に曽祖父が自ら建てた家だ。

いまだに薪を焚べて沸かすお風呂に、ぼっとん便所。昔は駄菓子屋だったという広い土間には毎年ツバメが巣作りにやってくるし、おばあちゃんがせっせこ収穫した季節の野菜が麻の上に並べられている。

ついこの間までGoogleのことを「ぐるぐる」と呼んでいた祖母と、餅をストーブで焼く祖父が住む、その家と文化に慣れ親しんでいたからか、どこかわたしの趣味嗜好はそちらへと向かっている。

父が演歌と歌謡曲好きだったことや、小学生の頃は祖父と一緒に「水戸黄門」を観たり、演歌を聴いたりしていたことも影響するかもしれない。

そのうえ個人の中でも、同級生たちがテレビやゲーム、アイドル、洋楽に熱狂する中、私は古典と日本史に熱狂していた。
大学に進学してからは、お寺と神社を巡ることや、哲学や社会学、人物史に魅了された。  
 

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そんな生き方をしていたからか、私の会話の引き出しの中のいわゆる「Z世代らしさ」は微々たるものだ。

それもあって、歳の離れた方にはよく「若いのに〜」という枕詞で褒められることが多い。百貨店で働いていた時なんてなおさら。

それはとても嬉しいのだけれど、時折、

「私が若くなかったら、この方はどんな捉え方をするのだろう」

と、疑問に思う。

ただ私は、日本古来の文化に関心と憧れを抱いていただけの人間に過ぎない。

でもそれが「若い」というだけで、何だか壮大なことになってしまう。

反面、「若い」というだけで対等に扱われないことも、寧ろ「まだ世の中を知らないだろう」と思われることもある。背が低いことも相まって、なめられることも多い。

若さとはなんだろう。

この若さという概念に、私はしばしば振り回されているのではないだろうか。

「若い私がこれをやったって」と、押さえ付けてはないだろうか。
「若いのにこんなことを知ってるぞ」と、必要以上に大きく強くみせていないだろうか。

そんな自問を繰り返していけばいくほど、自分の価値を感じる嗅覚を蔑ろにしたくないと思う。

それでもやっぱり、若さとは何だろうと不思議な気持ちはぷかぷかと心を漂っている。

昔の人はなんて言っていたのかな。本に聞いてみよう。

かみつれ日記 2022.12.1

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