始まる
noteのエッセイと共に
キモセラピーが明日から始まる
と言うわけでさっそく昨日
PICC Lineを腕に取り付けてきた
これがPICC line
え?
ピーアイシーシー・ライン⁉
️
あ、これ
“ピックライン”と読みます
わたしはロサンゼルスに住んでいる
今年で渡米17年
7年前に子を授かるまでは
歌手として活動していた
育児に専念するため
せめて小学校にあがるまではと
自分のキャリアを全て投げ打って
母業に従事してきた
そろそろ挽回したいと思っていた矢先
癌宣告を言い渡された
あれよあれよと事は進み
ナースは当たり前のように
医学用語を短縮して話す
こちらが聞かないと
説明もしてくれない
もちろん聞き返す
”What’s a PICC line?”
答えは返ってくるものの
超高速・長文・医学英語の三拍子
聞いたこともない単語ばかり
理解できるわけもない
ナースによっては
おもむろに面倒臭そうな顔をする
分からない
なんて言ったの今?
どう言う意味?
そう伝えるシチュエーションが
あまりにも多すぎて
自己嫌悪に陥る
深呼吸して
冷静さを取り戻すだけで精一杯だ
治療が始まってからは
毎日こんなことの繰り返し
何をしているのか分からなくて
ときに頭を掻きむしり
大声で泣き叫びたくなる
怖い
ただでさえ
私はがんになったのだと言う事実を
受け止め切れないでいるのに
わたしの気持ちとは裏腹に
治療はどんどん進む
孤立感・疎外感・無力感
ネガティブな気持ちが
どんどん私を蝕む
でもそこはアメリカ生活長いので
相手の英語のニュアンスと
手振りのアクションで
なんとなく理解はできる
静脈にチューブを刺して
直接そこから体内に抗がん剤物質を
入れるのだと言っていると
でもアバウト
アバウト過ぎる
自分の中に今から何やら
差し込もうとしているものの
名前すらよく分からないなんて
いやだ
のちに調べてみた
ピックラインと言うものを
てかIVって言わないのかい?
ピックラインとアイヴィーの違いは何よ
そもそもIVってなんの略さ?
*IV(Intravenous Injection)
= 静脈注射
そしてピックラインと呼ばれてるもの
はい、どん
peripherally inserted central catheter
= 末梢穿刺中心静脈カテーテル
(マッショウセンシ)
日本語の方がむずいという結末…
さて
私は乳がん患者である
脇のリンパ節にも転移が見られた
癌の摘出手術は
すでに6月に済んでいる
その時も再建した胸が
インフェクションをおこし
ひと月だけが2ヶ月も
ベッドで寝たきりになった
毎晩痛む胸の脇から
2本のdrainが出ているのを見ながら
髪の毛さえ洗えない自分の惨めさに泣いた
そして明日からは
キモセラピーがスタートする
手術の傷口はまだズキズキする
でも私は生きることを選んだのだ
くじけているわけにはいかない
小さな我が子が
せめて成人になるまでは見届けるのだ
そして置き去りにしてきた
歌手としての自分をまた取り戻したい
私はこれから長い道のりをかけ
がんと共に生きていく
治療が辛くて書けない時もあるだろうし
癌が転移したり再発などしたら
メンタルが付いて行かなく
なるかも知れない
だからこそ今を書く
わたしの時間はもう
限られているのだから
私が生きてきた証を
これから私に起こる全てを
ここに書き残していく
そしていつか私の言葉が
同じように苦しんでいる人たちの心に響き
寄り添えたら最高に嬉しい
今、日本人の2人に1人が
癌になると言われている
こんなにも癌は身近な病気なのに
ほとんどの人は他人事のように
生きている
もしあなたや家族や友達が
ただでさえ生きづらい海外生活の中で
医者からいきなり癌だと宣告されたら
あなたはきっと無我夢中で
ガンについてリサーチを始める
誰かの助けが欲しくなる
たとえあなたが癌じゃなくても
何かに一人で悩んでいたら
私はあなたの
道しるべになれる
誰かの力になれる
きっと
そう信じて
全力で治療に挑んで行こうと思う
応援してください
一緒に頑張りましょう‼️