子どもと読書
私は物心ついた時から、読書が好きだった。
小さい頃は、いつも周りの大人達に本の読み聞かせをねだっていた。
延々と本を読ませるので、そのうち大人は疲れたとか休ませてほしいとか、音を上げる。
大人ってなんでそんなにすぐ疲れるんだろうと、ずっと不思議だった。
自分が大人になったら今度は、なぜ子どもは全然疲れないのか、その無尽蔵なエネルギーはどこから来るのか、そっちの方が不思議でしょうがない(笑)
私が小学生になってからは、学校の図書室によく入り浸って、手当たり次第おもしろそうな本をかりていた。
高校生ぐらいまでは物語の中にどっぷりと浸かるのが好きで、小説を読むことが多かった。
大学生になってからは自己啓発や投資、恋愛テクニックなど、実用的な本を読むようになった。
子どもが生まれてからは子育てや夫婦のパートナーシップ、さくっと読めるエッセイなどを読むことが増えた。
本は私にとって、世界を広げてくれるエンターテイメントであり、先人の智恵を授けてくれる先生である。
◆目次◆
①読書の効果
②我が家での本の選び方
③子どもたちのお気に入り本
①読書の効果
読書で読解力がついたおかげか、私は5歳で日本に来るまで「あいうえお」も知らなかったが、小学生の頃から国語の成績はまあまあ良かった。
しかし、読書で身につくのは読解力だけではない。
物語だと、いろんな立場の登場人物が描かれる。
そのストーリーを通して、子どもは異なる立場から様々な感情を疑似体験することができる。
それで人間関係を学び、だんだん人の気持ちを推測できるようになれば、精神的にも成長できるだろう。
また、算数や科学をテーマにした絵本なら、楽しんでいろんな知識や概念を身につけることもできる。
さらに、絵本のジャンルは多岐にわたっており、探せばたいていどんなものでも見つかる。
何か新しいことをする場合、絵本が予習にとても役立つことがある。
例えば、我が家ではバレエを習う前にはバレエに関する絵本を数冊読んで、バレエとはどんなものかイメージできるようにした。
また、キャンプに行く前にキャンプに関する絵本を読めば、子どもはモチベーションも上がるし、心の準備もできる。
ここでも絵本を通して、疑似体験することが生きてくる。
言葉だけでは伝わらないことも、絵本は子どもが具体的にイメージする手助けをしてくれる。
②我が家での本の選び方
私は自分の子どもにも、ぜひ読書好きになって欲しいと願っていた。
出産準備では、子どもが自分で本を選びやすいよう、表紙が見えるタイプの本棚を買った。
子供が生まれてからは徐々に絵本を買い揃え、ときどき図書館にも通った。
最初の頃はどんな絵本を選べば良いのかわからず、適当に子供が選んだものや、自分で手にとって良さげなものをセレクトしていた。
その後、佐藤ママこと佐藤亮子さん(子供4人全員が東大理Ⅲに現役合格)の本を参考に、くもん推薦図書を少しずつ図書館でかりて読み進めた。
一応佐藤ママの本では、3歳までに1万冊の読み聞かせを推奨している。
しかし彼女の本に出会った時、長女は既に2歳だったので絶対無理だし、仮に0歳から始めてても相当厳しいと思った。
まぁでも他人が決めた数字に縛られる必要はないので、我が家では子供たちと楽しんで本を読めればいいかなと思い、ノルマは設けずマイペースに読書をしている。
我が子は公文に通ってるわけではないため、公式サイトに公開されてるくもん推薦図書の一覧表を印刷し、少しずつ読んだ本を塗りつぶしている。
子どもに絵本を選ばせると、本人の好きなジャンルばかりになるので、偏りがでる。
その点くもん推薦図書はさすがに厳選された良書揃いで、バランスが良い。
パッと見地味な本に見えても、読み出すと子どもが食いついてくることが結構多い。
推薦図書の本ならほぼ確実に図書館に置いてあるので、オンライン予約しておけば行った時にすぐ受け取れて、なかなか便利だ。
他にも、絵本ナビというサイトをよく参考にさせてもらっている。
様々なテーマや年齢別にオススメ本がまとめられいるため、非常に本を選びやすい。
長女は一時期おばけブームだったことがあり、絵本ナビのおばけ特集で載っていた本は、どれも気に入って読んでいた。
ちなみに私は最初、図書館の公式サイトでおばけに関する絵本を探そうとして失敗した。
キーワードで「おばけ」と入力して、児童図書にチェックを入れて検索する。
ヒットする本はたくさん出てくるのだが、ここで問題が3つ発生した。
①中身が全くわからないので、つまらないハズレ本を選んでしまう可能性がある。
→本のレビューがあるサイトで検索して目星をつけてから、図書館に置いてるか調べる方がベター。
②児童図書のくくりで調べると、対象年齢は赤ちゃんから小学生までとかなり幅広くなる。
→大量の本から選ぶのが大変だし、難易度が我が子に合うのかわからない。
③おばけの本だからといって、題名に「おばけ」が入るとは限らない。
→おばけのキャラクター名が題名になってるものは、「おばけ」のキーワード検索ではひっかからない。
というわけで、皆さんには遠回りすることなく、絵本ナビを活用して、たくさんの良書と出会って欲しい。
あとは、世界や日本の童話など、いわゆる名作ものも教養として一通り読んでおいた方がいいかなと思い、これも少しずつ読んでいる。
次女は「おおかみと7匹のこやぎ」が大好きで、いろんな作者のバージョン違いを読み聞かせたりしていた。
同じお話でも、作者によって絵のテイストやストーリーが結構違ったりするので、比べてみるのもなかなかおもしろい。
図書館でかりる本のバランスとして、7割くらいは子ども自身で選んだもの、3割は私が選んだものにしている。
長女は家に置いとけば、とりあえず私が選んだものも全て目は通している。
パラパラめくって、おもしろそうなら自分で読むが、つまらなさそうと思ったら放置だ。
私がいいなと思う本でも、あんまり食いつかないようなら無理して読むこともないので、1回だけ私が読み聞かせたり、読まずにそのまま返却することもある。
③子どもたちのお気に入り本
読んだ本の中で、子ども達が特に気に入った作家さんがいれば、その人の他の作品も制覇するようにしている。
我が家の子ども2人ともにヒットした本↓
《シリーズもの》
▪ねこざかな
▪そらまめくん
▪くれよんのくろくん
▪ノラネコぐんだん
▪バムとケロ
▪つんつくせんせい
《作者さん》
▪tupera tupera さん
▪ヨシタケシンスケ さん
▪鈴木のりたけ さん
▪かこさとし さん
個人的にはこの中で、つんつくせんせいがお気に入りだ。
先生なのに、平気でウソをついたりズルをして、いつも自分の欲丸出しで。
そんなテキトーな先生でいいの!?と思わずツッコみたくなるのだが。
つんつく先生は愛されキャラなので、ズルや失敗がバレても、園児達にしょうがないなぁと許されてしまうのだ。
この常識にとらわれない自由なキャラクター設定がいいなと思い、子どもたちもハチャメチャな先生が大好きで、何度も繰り返し読んだ。
長女は年中の頃から一人でどんどん読み進められるようになり、だいぶ楽になった。
本人が読みたがる本も結構なボリュームになるので、1冊読み聞かせようとすると、かなり時間がかかるのだ。
ただ、ゾロリなどエンタメ系なら一人でサクサク読むが、昔話など知らない言葉がちょこちょこ出てくるものは、まだ読み聞かせしてほしがる傾向がある。
だんだん読み聞かせもヘビーになってきたが、今は時間と体力が許す限り、やってあげたいと思う。
年長の長女が好きなシリーズ↓
▪寺村輝夫さんのむかし話
▪わんぱくだん
▪かいけつゾロリ
▪キャベたまたんてい
▪ぞくぞく村
子ども達は成長するにつれてどんどん本好きになり、よく図書館に行きたいとせがむので、最近は毎週末行って20冊ほど本をかりている。
3歳になったばかりの次女は、まだほとんどひらがなを読めない。
でもお姉ちゃんが読書してると、いつも隣で黙って静かに本をめくっている。
字というより、絵を見ているんだと思うが。
まるでストーリーを理解しているかのように、真剣な眼差しで読み込んでいるので、この子はいま何を考え、何を感じているのだろうかとよく思う。
彼女たちにはいつまでも知的好奇心をもち、自ら学び、豊かな言葉で自分の世界を広げていってほしい。