お砂場行進曲
息子くんは、人見知りを全然しない。
人懐っこい性格なので、お散歩中でも一緒に行ったスーパーでも、誰にでも声をかける。歩きながら歌っている息子くんに、逆に声をかけてもらえることもある。
2歳児にして、コミュニケーション能力の高さに母ながらびっくりである。
その性格は誰に似たのかな?と思ったけれど、私だって幼い頃は凄く人懐っこい子供だった。
よく、ショッピングモールとかでキャラクターショーとかやってるじゃないですか。
実家に証拠写真がばっちり残っているのだけど、そういうイベントでアンパンマンショーがあった時に「アンパンマンだー!」と一目散にステージに駆け上がり、アンパンマンに飛び付いて抱っこしてもらうという偉業を成し遂げた私である。
当の本人である私の記憶はうっすらしかない。
だけど、それがよほど面白かったのか、今でも実家に帰るとその写真が拡大印刷されて額縁に入って飾られているので、帰るたびにアンパンマンに抱かれる私とその隣で困惑してる様子のバイキンマンの写真がツボすぎる。
人は成長とともに、誰かと接する時には相手の表情だったり仕草だったり声色だったりその場の空気だったりを気にするようになってしまう。子供の頃のように無垢なままではいられない。相手にどう思われているか、気になる。必要以上に気にして疲れてしまうこともある。
もっと楽に人と接することが出来たらどんなにいいだろうと、いつも思う。
今日もいつものようにお散歩途中に公園へ。
砂場で遊んでいると、後からやって来た女の子とママさん。すると息子くんが突然駆け寄って、女の子に「いっしょにあそぼ!」と声を掛けた。
初めて会った女の子とがむしゃらに砂山を作ったり、穴を掘ったり。ふたりのお砂場道具が入り混じって、互いに貸し借りして、楽しそうに遊んでる。
そんなちびっこを見ながら、女の子のママさんとも少しおしゃべり。息子くんと3ヶ月違いの子だった。
おんなじ2歳児のママさんで嬉しくなった。
あんまり深くはお話しなかったけど、向こうもお散歩途中だったみたいだから、ご近所さんかな。
またあの公園に行った時にお会いできたらいいな。
お砂場大好き息子くんは、ずっと砂遊びに夢中だったのだけど、気付けば近くの幼稚園の子達がわーっと公園に流れ込んできた。外遊びの時間なのかな。
たぶん年中さんか、年長さん。
息子くんよりも、お兄さんお姉さん。
各々好きなようにすべり台やブランコや鉄棒で遊ぶ中、ひとりの女の子がぽつんと砂場の近くで立ち止まって皆が遊んでいる様子を見ていた。
恥ずかしがり屋さんなのかな。みんなでわいわいするのが、ちょっと苦手な子なのかもって思って見ていたら、男の子がそーっと女の子に近付いてきた。
「ともだちになってください」と男の子は言った。
女の子はびっくりしたような顔をして、
少し俯いて、小さく小さく小さく頷いた。
その瞬間、男の子が「っしゃー!」と呟いてガッツポーズをしたのを私は見逃さなかった。
めちゃくちゃキュンとした。
もう、キュンです!でしかなかった。
その2人の関係性は、その瞬間を見ただけでは全てわからないけれど、おそらく男の子はずっとその女の子と友達になりたいと思っていて。もしかしたらずっとチャンスを伺っていて。それが今日この瞬間に実を結んだと。
ただの憶測だけど。でもその後、一緒に仲良くブランコで遊び始めたふたりの姿が、微笑ましい以上のなにものでもなくて、マスクをしていたから良いけど、ニヤニヤが止まらなくてただの不審者に見られてしまうところだった。危ない危ない。
「いっしょにあそぼ!」と声を掛けられる息子くん。
「ともだちになってください」と言える男の子。
素直な気持ちを言葉にできること。
相手にちゃんと伝えられること。
なんだか凄く眩しかった。素敵だなと思った。
様々な影響で開始が遅れていた息子くんのプレ幼稚園が、7月から正式に始まることが決まりました。
時間が短縮になったり、リスクを減らすために皆でお弁当を食べる時間がなくなってしまったりと、残念なことはあるけれど、息子くんが同い年の子達と一緒に沢山遊べたり色んな経験が出来ればいいなと思う。
私は私で、これから同じプレ幼稚園に通うママさんたちとの新しい出会いがある。正直、人付き合い大丈夫かなって不安でいっぱいだったりもして。
でも、息子くんの姿を見て私も不安がってばかりいちゃ駄目だなと思った。前向きに考えなきゃね。
いざ!進めやプレ幼稚園〜〜〜!!
新しい世界を、息子くんと一緒に楽しめたらいいな🌻