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一度だけ過敏性腸症候群が完治した時の話

過敏性腸症候群は、症状も原因も千差万別。
症状だけでも、便秘型、下痢型、ガス型、併合型とあります。
今回は、私が15年に及ぶ過敏性腸症候群期間の中で、一度だけほぼ完治したときの話をします。

このころ、私は第一子を抱えて職業訓練校に通っていました。
ハローワークが主催の職業訓練校なので、訓練終了後は期限内までに就職しなければなりません。私はオフィスカジュアルに慣れておくべく、履き慣れたスニーカーを封印し、パンプスで保育園の送迎をしていました。

パンプスは、スニーカーやローファーと全く違う筋肉を使います。自然と背が伸び、骨盤が前向きになるので、猫背しにくい特徴があります。
そのパンプスで、自宅から1キロほど離れた保育園に、徒歩で通園していました。当時は車も電動自転車もなく、1歳の息子(13キロ~15キロほど)を抱っこ紐で抱え、保育園の荷物を肩にかけて坂道を歩いていました。
保育園の荷物は、朝は軽くても、帰りは水を含んだ布おむつが15枚ほど戻ってくるため、かなりの重さ。加えて息子はやや大きめだったので、常に総重量15キロほどを抱えて1キロ先の自宅まで帰っていました。イメージとしては、星飛雄馬の強制ギブスのような感じです。下半身はパンプスでつま先立ちに、上半身は息子と水分を含んだ荷物でかなりの負荷を。今考えると可哀そうなほどの出立ですが、私には効果テキメンでした。

もともと過敏性腸症候群の回復のために、毎朝走っていました。ですが、ジョギングで症状が回復したことはありません。
この強制ギブス付き送迎を、約4カ月毎日繰り返したところ、体重が10キロ減り、これまでにない体幹を得ることができたのです。

体幹が鍛えられてからは、ガスが出そうな腸の過活動もなくなり、安心してバスに乗れるようになりました。職業訓練では30人ほどの生徒が教室にいましたが、「ガスが出そう、怖い」という強迫観念も出ることなく、授業に集中できました。これは、中学高校時代にはなかった達成感で、「普通の人はこんなに授業に集中できるのか、そりゃ頭いいはずだわ」と謎の感心が生まれたほどです。

食事はとくに制限していません。まだ卒乳していなかったので、アルコールと薬は飲まなかった程度です。外観はガリガリに細くなってしまい、まわりから育児疲れを心配はされましたが、体が常に軽く、とても快適でした。

しかし、子供も抱っこを嫌がるようになり、職業訓練も終了したころに、また変化が訪れます。
せっかく調子が良かったのに、この強制ギブス期間がなくなると半年ほどで元の体調に戻ってしまいました。

私も、「この体幹を失うまい」とパンプスでのウォーキングを増やしたり、夜な夜な10キロのお米を抱っこ紐で抱えて、散歩もしました。が、何となく病んだ人に見えなくもないのでやめてしまいました。
ジョギングを強化しても、腹筋背筋をしても、強制ギブス以上のトレーニング効果は得られませんでした。いつの間にか、またお腹の心配をする日々に戻ってしまいました。

これでわかったことは、過敏性腸症候群にはジョギングではなく、体幹トレーニングが必要ということです。(私の場合は、ですが)

当時は、腹筋背筋と体幹トレーニングの差が明確にわかっていませんでしたが、今ならYouTubeで手ごろな動画がたくさん出ています。当時の片道通園距離は15分程度だったので、往復で考え1日30分の体幹トレーニングができれば、一定の効果が期待できるかもしれません。今はなかなか時間を捻出できませんが、時間を見つけてはトレーニングをしています。おかげで、以前よりずっと安定した体調を保てています。

筋トレのいいところは、「これを成せば過敏性腸症候群を改善できる」と、精神的プラスにできる点です。これは、トレーニングをしてないときでも「毎日頑張ってるんだから、大丈夫」と心のよりどころにできます。不安が緩和されるのも、過敏性腸症候群には重要だと思います。(素人意見なので、重症の方は担当医の方と相談しながら進めてくださいね)
症状が下痢型の方は、筋トレそのものが不安な方もいるかもしれません。でも自宅でできるトレーニングなら、敷居は低いですよね。

10代の場合は、極端な筋トレで身長が伸びるのを抑えてしまうかもしれません。可能であれば、筋肉に詳しい方に相談しつつ、時間を決めてトレーニングしてみてください。相談できない場合は、3分間の体幹トレーニング動画を一日に数回、腹筋が割れない程度に最大限トレーニングできると最良ではないかと思います。今では過敏性腸炎の名前も周知されるようになり、薬も出ていると聞きます。医師と相談して併用しながら改善を目指してくださいね。(私のブログは、病院に行けない・親に相談できない子にもできそうなことを書いているので、あくまで目安としていただけると幸いです)

体幹トレーニングに慣れてきたら、普段のスニーカーにシークレットヒールを入れるという手もあります。普段のウォーキングが、下半身のトレーニングになります。パンプスがはけない男性でも、これなら試せるのではないでしょうか。

自分に絶望して世間に絶望するより、一つでも頑張ってみることから始めませんか。最初はきついですが、きっとマイナスにはならないはずです。

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