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不登校の子どもを受容することの大切さと難しさの狭間で思うこと。

脳が危険と感じる状態を脱することが必要

なぜ子どもを受容することが必要なのか?

それは脳は危険を感じていると闘争か逃走、思考停止になりやすいから

情動脳が思考脳を乗っ取って、内省したり、相手や状況を考えることができなくなってしまう。

子どもが親から認められていない、受け入れられていないと感じている状態
は内省や現状を把握し、自分にとって良いことやできることを考えることが難しい状態


だからまずありのままを受容して、子どもがありのままの自分で居て大丈夫だと安心することが本当に大事。

今までの関係性や子どもの傷つきや感じ方などで安心を感じられるまでの時間や必要なことが違うと思う。

不登校の子どもが外で受けた傷によって自分を信じられなくなっている場合も多く、その大きさからたくさんの受容が必要になる場合も多いと思う。

時間がかかることも多いと思う。

ここを丁寧にやることが大事だと思っている。

安心だと感じられると対話や内省ができる

子どもが親は安心して大丈夫だと感じると対話ができるようになってくると思う。

対話しながら起きたことで感じてしまった自分への信念が本当にそうなのかを解きほぐしていく。

自分がダメだとか、
自分が何か足りないんだ

こんな信念があると、自己否定や自分を責める言葉が頭の中の大半を占めてしまう。

そんな状態で内省や現状を把握し、今の自分にとって大事なことで、できることを考えることが難しい

その状態でも脳は危険と感じていると思う。



だからまず受容することが大事なんだと思っている。


でもココが本当に難しい。私たちは自分が子どもの頃から体験してきたことや今の社会で体験することで危険を感じることが多い。

安心して工夫や振り返りができることが脳のために必要なのに、非難や叱責、拒絶を体験することが多い。

その為非難されないように、失敗しないようにという考えが頭を占領していることが多かった。

子どもと関わる時、私もこの状態だったと気づいた。


でも私にとってここが子どもを理解するのに本当に役立った。

自分が危険を感じていることを知り、子どもの理解につながった

自分がどれだけ責められない、非難されないことに頭の中を占領されていたのか。


また日々自分の言動のイマイチだったことやできなかったことを考え続けてきたかに気づいた。

非難されないためにいろいろ考え、行動していたなと思う。

また子どもと話す時も同じだった。

自分の能力が足りなくて、上手くいかないのではないだろうかという考えが頭の中を占領し、自分の言動を見張り、ずっと自分を責めていた

そのせいで子どもが自分の気持ちを表現しただけなのに危険を感じ、それに反応して感情をぶつけていたことに気づいた。

どれだけ防衛的になっていたのか、自分を守るために攻撃的な反応や頭の中で反発していたかに気づいた。

まず自分を安心させることの重要性を痛感した


子どもも同じなんだと心底わかった。

だから今は登校することより、子どもと安心を作り出し、自分の心から必要なことを考える体験をしようと思っている。

子どもが不安を感じた時、感情的になる時がチャンスだと思っている。


知識で教えるだけでは足りないと感じているから、体験するチャンスなんだ。


なぜなら私は本で読んで、自分の感情的になった時に落ち着くことが大切だとわかっても、なかなか取り入れることが難しかった。

なかなか腑に落ちなかった。

でも自分が感情的になる時に紙に書き出していったら、まさにその通りだった。

自分の頭の中が防御や反発になっていて、落ち着いて現状を把握したり、相手の気持ちを慮ったり、自分のできることを工夫することは全くできない状態になるとわかった。


だから子どもが不安を感じる時、
責められていると感じる時、
自分はダメなんだと感じる時、

親が受容した関わりができて、安心する体験を何度もしてもらう。

そこで子どもが視野がひろがり、自分で工夫できることを何度も体験することが力になると感じている。

だからそういう場面で何度も受容した関わりが本当に大事だと思っている。

受容することは子どもの全てを許すことではない

子どもを受容するというのは

子どもの全てを許すことでも
子どもの望みを全て叶えることでもない。


例えば今勉強したくない子どもに
勉強しなくていいよと言うことでも、
その状態を親が我慢することでもない。

その子がその選択をしているのには理由がある。
それをありのまま受け容れること。

「理由がわからないこには何が必要なのかがわからない。」


子どもが負担がないタイミングで、子どもが辛くないかに注意しながら、できるなら問いかけ、お互いに理解できるといいと思う。

なぜならどうしてそうなっているのかはその子が体験してきたことをどう感じ、受け止めているかによるから。

想像するだけではわからない。

それを理解してからしか子どもの力になる関わりがわからない。


例えば勉強しようとすると学校のことを考えてしまい、登校できない自分を責めてしまって、勉強が手につかないという場合もある。

その場合でもその気持ちが強くて、辛いから考えないタイプと自分を責めることばかり考えてしまうタイプなど一人一人頭の中で起きていることが違う。

この例ではどちら共にまず今の自分で大丈夫だと感じてもらうことが優先されると思う。

勉強以前の問題で子どもの安心感を作ることが最優先だと思う。

一人で乗り越え、自分は自分でいいと思えて、復活できる子もいると思う。

でも傷が深かったり、一人では難しい子どももいると思う。

我が家は後者。

そういう子どもの内面を理解せずにどんな関わりが今必要なのかを考えるのは難しい。

自分の価値観や感じ方で想像しても子どもが感じている事や必要なことは全く違うんだと痛感している。


だから私は親がまず目指すのは「安心して対話ができるような関係をつくること」だと思っている。

そのためにはまず子どものどんな感情や言動を「そんな気持ちなんだね。そう考えているんだね。」と受容することだと思っている。

子どもがどんな自分でも否定されたり、バカにされたりしないという安心感を感じられる関わりが最優先だと思っている。

受容されていると感じてもらって、やっと突っ込んだ対話にうつれると思う。

軽い対話で受容を体験してもらいながら少しずつだと思う。

突っ込んだ対話ができるまでにかかる時間は傷の深さや今までの関わりから子どもが親にどんな気持ちも言えると思っているかで、違うと思う。

我が家は私が正しさをたくさん伝えてきてしまったから、そこを解除するのに時間がかかっている。

まだまだ触れられないところもあるけれど、それでも着実に話してくれるようになっている。


受容し、安心した関係を作り、対話する。

その子に何が起きていて、
今どんなサポートが必要なのか
どんな道が安心して進めるのか

話しをしてみないとわからない。
一人一人必要なことが違う。

だから対話できるようになるためにまず受容が大切だと思っている。

受容や対話を学べる本



こどもの受容の重要性と安心した関係の作り方、対話についてはいつも書いている私のバイブル的本がいくつかあるので、記載しておきます。

①『こどものスモールトラウマのためにできること: 内面で何が起きているのか』


子どもが危険を感じている状態だと、闘争か逃走、思考停止になってしまう。

現状や相手など全体を把握したり、内省したり、工夫することが難しい状態で、自己抑制も難しくなってしまいます。

情動脳が安心するには、リスペクトされている、大切にされている、受け入れられていると感じることが大事です。

著者のスッダさんは「つながりすべてに優先する」と書かれています。

受容とは何か
日常のどんなことが子どもの脅威になっているのかなども詳しく書かれています。


②『誰もが幸せに成長できる 心理的安全性の高め方』

安心したつながりをつくるために心理的安全性がとても大事だと感じ、子どもとの関わりで大事にしてきました。

この本では挑戦する勇気のためにも心理的安全性が大事だと書かれています。

だれもが自分らしく成長していきたいと思っています。

でも成長するために何かに挑戦する必要があって、それは大切に感じることほど怖さや不安を感じるもの。

そこで心理的安全性があると挑戦する勇気が出ます。

著者の松村さんは心理的安全性の高めるために6つの要素を挙げています。

それぞれの要素をあげていくことが心理的安全性を高めることにつながるそうです


子どもとの関係や子どもの心理的安全性を高めるために何度も読み返し、日常に取り入れています。


この本は Amazonの電子書籍サービス「Kindle Unlimited」(月額980円)とオーディオブックサービス「Audible」(月額1500円)で会員無料の本です

私は本を大量に読むので、
(2023/07/27現在 Amazonが随時変更しているため、終了時期はわかりません)

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③『まんが やってみたくなるオープンダイアローグ』

この本は精神科医でひきこもりの本を多数出されている斎藤環さんの本です。

フィンランドのケロプダス病院で開発され、統合失調症の他、うつ病、PTSDなどに取り入れられています。

2021年5月には、WHO(世界保健機関)でオープンダイアログは「グッドプラクティス」の1つとして紹介されました。

この本では対話が続くことの大切さと対話を続けるために注意することなどが書かれています。

子どもと対話する時に、無理して続けたり、自分の考えを押しつけず、次にまた話したくなる関係をつくることを大事にしています。


④『NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法』

この本ではNVC非暴力コミュニケーションについて書かれています。

子どもの言動の奥にある願いを知ることと、自分の感情の奥にある願いを知ることはお互いを大切にしながらコミュニケーションするためにとても大事だと感じています。

親が子どもを受容する時、自分の感情を抑圧する形ではいつか感情の暴発がおきてしまうことを何度もやって、痛感しています。

親も感情があり、その奥に願いがあります。

それを抑圧していては暴発して、安心した信頼関係を築くことは私には難しかったです。

暴発することを止めたくて、自分の感情を書き出していくうちに、私の大切にしたい価値観や願いがあり、それを大事にすることと伝えることは必要だと感じています。


また相手や子どもにも同じように価値観や願いがあります。

お互いを大事にするコミュニケーションは対話に必要だと感じています。


上記の4つは私が何度も読み返し続けている本です。

実践していく度に効果を感じると共に、わからないことがあって読み返す。

そうやっていくと更に深い理解を体験の中で感じられています。

いつもはできないし、簡単ではないけれど、息子たちと突っ込んだ話がお互いに安心してできるようになってきて、以前とは全く違う関係になっていると感じます。

私も自信がないことは素直に伝えて、子ども達の考えを参考にできるようになり、とっても楽になりました。

良かったら読んでみていください。


最後までお読みくださり、ありがとうございます。