夏、Nagasaki
誰にも云えぬかなしみが
真夏の空へ向かうから
心まで焼けてしまいそう
斑模様の木々のいろ
揺れて何を問う
あの日突然街は終り
途絶えた息のつづきを
生きるのか
太陽に恨みなど
人の罪に終焉など
私は今ここに立ち
知らない、焼けた空を思い出す
数十年の時を過ぎ
どうしても癒えぬかなしみが
埋まる地の上にただ
十字が在るだけでは
思いを馳せなければ…
宝のような時は過ぎ
残虐を、身を以って、知らぬ私が
何故に咽ぶか夏空よ
揺れる木々、この地の上
十字がただそこに在るだけでは
思いを馳せなければ…
宝のような時は過ぎ
真夏の空へ向かうから