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2つの背中
2つの背中をずっと見ていた かなしいことにつまずいても 心安らぐ場所があれば どんなに楽に生きられるだろう 2つの背中を遠く見ながら ずっとずっと考えてた もう子どもじゃないから 本当はすぐに追いつけるけど わざと距離をとって ゆっくりゆっくり歩いていた ふるさと あたたかい町にも冬は来て 散らつく雪の朝 もう 追いすがるだけでは凍えてしまいそう 2つの背中に問いかけてみた かなしいことは尽きないけど 土台を持たぬこの心じゃ どこにも行けない気がしてるの いつまでも満たされない気がしてるの 冬のせいではないのだろう 憎しみ ぶつけてもいいのか 憐れみ 持っていいのか 波の音も強くなったね 壊れてしまいそう 2つの背中がそこにあるのを見られるだけで幸せだと 僕にそっと説く人もあるだろう だけどまだ大人じゃない 2人のあいだに生まれたことを 何と思えばいいのだろう かなしいことにつまずきながら 不安定ないのちを燃やしてゆけるかな 2つの背中が遠ざかるのを ずっとずっとずっと見ていた
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約束の海
約束の海へゆく 思いはぐっと高まるよ 白い波に誘われたように季節は過ぎ 美しい景色の中だけには留まれぬみたい 遠く1人の時を重ねて だけど忘れずにいたよ ずっと 約束の海でまた 君と向き合い笑えるよう 卑屈な毎日は そっと青に溶けて流せるよう 強い風が一瞬で呼び覚ます涙の日も 自分の意味を求めすぎて胸の奥 焦がれた日も ふとね 虚しくなるけれど どこかで繋がってる そう信じて 約束の海へ来た 思いは今 高まるよ 約束の海はここ 何も怯えず笑っていよう 約束の海でまた 君の笑顔に会えてよかった 突き抜ける空の下 さぁ歌おうよ 今日の日を 約束の海でまた 君と向き合い笑えるよう 僕ら生きる明日が 約束の海(ここ)からずっと輝くよう
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魂のこえ
天気のいい日は自転車でなるべく遠くへ出かけましょう ぎこちなくても公園や花の色に出会いましょう この岸辺に咲いたの なんでここまで来たの 沈んだ心解き放つ魔法の言葉唱えましょう そんなものは初めからどこにもないはずでしょう 風任せに走った 今ならもうわかるよ 魂はひとりでいる どうしてもひとりでいる ときどき泣きたくなるのはそのせいよ 責めなくていい いつか残した未練など笑い飛ばせるはずでしょう 汗をかいて上着を脱いでもっと走りましょう 飛ぶ鳥さえ近くに この腕なら遠くに 魂はひとりでいる 結局ひとりでいる 不意にね 息苦しくなるのはそのせいよ 泣かなくていい 風吹くまま生きても おさまらずに 魂はひとりでいる どうしてもひとりでいる ときどき泣きたくなるのはそのせいよ 責めなくていい 魂はひとりでいる 結局ひとりでいる 不意にね 息苦しくなるのはそのせいよ 泣かなくていい
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遠きに在りて
遠い、目の前の物語 凪いでしまえば忘るのか なかまはずれの夕惑い かえり道 ほら 蒸してぼやけた 讃美歌伝う町にいて 夢に入るような具合に落つ 焼ける夏は 葉にも縋る 遠い、目の前の物語 世紀も経ぬうち忘れたか 毒除け綺麗なものばかり 食んで伝えも薄れたか 祈りましょうの罪つくり 閉ざしてもまた 古傷は膿み 宵は千灯籠の町にいて 混ざる歴史の狭間に落つ 焼ける夏は 川も見えず 遠い、目の前の物語 泣いて縋るか 生きるより 楽な業は幾つもあり ふと足を踏みこんでしまいそう 力抜いてしまいそう 今もいずこかの地に惑い 凪いだ順に忘れてゆく 爆撃の中 逃げ果せた者の末裔であるのになぜ 人はかぐわしのものばかり 追ってしまうか 水に酔い 忘れてしまえば繰り返す
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光の下
むずかしい季節だね 僕はまだ足を止めることも進むこともできず “夢追い人” 響きだけ噛みしめて 煩わしいことは全て目を逸らすから 汗にまみれた放課後が きゅっと恋しくなるんだよ 夢見てもなお破れてゆく 繰り返す日々への勲章は いつかこの身いっぱいに注ぐ スポットライトであるように ベッドの上に蹲って 何が変わるというのだろう 情けない自分も連れて 飛び出そう まず太陽の光の下へ 人々は大画面の歌姫に歓声を 僕はひとり通り過ぎ コンクリート見てるだけ 踏みしめたこの一歩 足跡も残らぬまま 君のようにはいかないさ それは悲しい生き物だ 払ってもなお付き纏う 芳しいものへの憧れが いつかこの身離れて響け 影に覆われた者にとり ガラクタの街で俯いて 何が変わると言うのだろう 不安定でもゼロじゃない世界 踏み出そう いつか見える光の下へ 君のようにはいかないさ 結局悲しい生き物だけど 夢見てもなお破れてゆく 繰り返す日々への勲章は いつかこの身いっぱいに注ぐ スポットライトであるように 空回りでいい 呼吸をして 嘆く声さえ芳しい 僕を見つめ進んでゆこう いつか必ず生きる光の下で
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神の子等
世界を変えてしまうような神のみなしご 人里遠く離れた村に生まれた1人の少女 伸ばした髪を2つに結い 逞しく駆け抜ける 母の愛を知らぬままに1人育った少年 空を見上げ問い続けた その瞳は強く 2人が出会う時 声が胸に目覚め来る 世界を駆けて救いゆけ あぁ神の子等 襲い来るものに向かいゆけ さぁ神の子等 見えぬその先は 2人飛び込め 病める町よ 死せる川よ 進むほどの厳しさに 決して強くはない少女 幾度涙した 夏の長雨降り注ぐ 岩をも砕く激しさに 決して弱くはない少年 止むまで手を握る 淡い虹 その下で 終わりはすでに始まっていた 願いをかける人々が振り仰ぐ空 耳を塞ぐな 2人ならきっと守れよう 選ばれし運命を果たし生き抜け 世界は絶えてしまうのか 神のみぞ知る 遣わせし子等に託された 彼もこの地も 世界を変えてしまうような神のみなしご その力をもって2人 世界を保て 選ばれし運命を果たし生き抜け 伸びた髪を1つに結い 強い瞳はそのままに 世界を変えてしまうような あぁ神の子等
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ゆられている
友なき身は 愛なき身は 誰もそばに居ぬことに耐え だけどそれが 過ちではないことだけ 願う世の中で 帰りの電車ふらついたって 誰の目にも手にも触れないまま 御伽話ではないから 擦れてく 薄れてゆく 自分の足で歩くんだって ぐらついても 痛んでも 縋らぬことが行儀いいとか 刷りこまれた 友なき身は 愛なき身は 誰もそばに居ぬことに慣れ だよね それが過ちとは 口裂けても言えぬ 今更に 始まりはいつだった ぬくもりとか幸せとか 違う世界のことに思えて 日々暮らしは 這い起きても 何故こんなに綱渡りだ どちらが先 距離を置いた 世捨て人と言えぬ癖の矜持 ただ1人の川渡りは 思いのほか すんなりと流れ お前もかと落胆するほどに 心寄せた相手さえもなかった 電車に揺られ うつろうさえ 連れゆかると紛う世の中で 愛を乞えば 過ちだと認めてしまうような気の中で 友なき身は 愛なき身は 誰に乞えば 誰に添えば
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秋の夕暮れ
散る葉に心摑まれ 真冬より怖いのは何故 まだ生きているのに ひと風ごと 肌に胸に来る予感 秋深まれば揺れ惑う 言の葉に縋りひとり 冷えゆく季節の前 成す術なく 秋の夕暮れは私を覆い 心は何処まで行くのか 何の夢でもない浮世 辿りながら暮れる 沈む日 街を赤く ひと筋だけ悍ましさ覚え あぁそうか 逢魔が刻 美しさに紛れた道 ーさぁ通りゃんせ 秋の夕暮れ 私を飲み込み 心が何を叫んでも 心が何を叫んでも 夜半より深い闇が呼ぶ 秋の揺らぎよ 暮れゆく引力よ 合わさり この世でいちばん恐ろしい時をつくる 秋の夕暮れ 私を追い込み 心穏やかな春の日が 鮮やかに過ぎゆく夏が 凍てつく冬さえ恋しい 秋の夕暮れ 私を呼ぶのなら いっそ惑わぬほどの力で 何の夢でもない浮世 辿りながら暮れる
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さくら通り
中野通りの桜を見に来てね 泣いちゃうかもしれないよ 季節なんてもう何だっていいと嘯いてた君だけど この風ひとひら感じれば思い変わるかもしれないよ ねぇ まだ胸には重い誓い ねぇ 溶かしてよ 少しずつでもいい 隙間から日の光も差すでしょ 中野通りの桜を見に来てね 笑えるかもしれないよ こんなにあたたかい風吹く季節 今しかない浮世の魔法 景色なんてもうどうだっていいと 俯いてた君だけど この桜色つづく道を 歩いてきてほしいよ ねぇ 僕ら時には思い違い もし約束通り会えなくてもいい 君がこの春色の中にいてくれれば 中野通りの桜を見に来てね 泣いちゃうかもしれないよ 風にひとひら舞うのも 懐かしい思いさえ揺り起こすから 中野通りの桜が散る時 笑えるかもしれないよ 泣いちゃうかもしれないよ?
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死なないでおくという選択肢
絶望に打ち克つことが正義のような世界にあって “死なないでおく”という選択肢があることを知っていてほしいから あなたの生き方や死に方をとやかく言う権利は私にはないけど どうしても伝えたいことが1つだけあるから 力の抜けた体 虚ろな感情 魂もないような そのくせね 苦しみだけは生きるのも耐えられないほど あなたのその痛みはあなたにしか分からないもの 誰かが容易く踏み込めるものではないのに みんな、勝手 「強く生きろ」と「生きて見返せ」と そんな力強いことばかり押しつけないで あなたは何も悪くないの ただ 気高きあなたですら 耐えらえれないほどの苦しみが降ってきたの つらい苦しいと叫ぶ声 ゴチャゴチャした頭ん中 ぶつけようのない感情 進まない現実に酔い 時が経てば楽になる 言葉では知ってるけど その不確定な時間が流れてる間 どうしたらいい? どうか分かって 分からなくても 今は虚ろでも 泣いて逃げて弱くていいから ねぇそこにいて “生きる!”か“死ぬ!”か二択じゃないの ただ何もできず苦しむだけ こんな思いしてまでどうして・・・ そう思うだろうけど 今を大事に生きてくだとか 強く前を見て歩くとか そんなこと何ひとつしなくていいの あぁ今はただ “死なないでおく”という選択肢があることを知っていて
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川と風の日
通りすがりの苦しさだった やさしい陽を受けるとは まさかこの背も思ってなかっただろう 川の流れ思い描いてた 歌に出てきた嵐山 やっと来られた 1人きりだけど 誰にも気づかれぬよう そっと口ずさもう 雲を見た 段になって あぁこんなにも緩やかに 流れゆくのね 通りすがりの苦しさだった 春の風が吹くときは 少しこの背を伸ばしていたいような 水を知った 日に光って わだかまりとは違うけれど 夢に見たのに 通りすがりの苦しさだった 優しい陽を受けるとは まさかこの背も思ってなかっただろう 川の流れ思い描いてた 歌に出てきた嵐山 やっと来られた 1人きりだけど 通りすがりの苦しさだった 思えただけでも 来てよかった
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雨向こうの苦
雨向こうは どんな色? 知らぬように過ぎる日中の街 堪らず身を削ぐ者もある 旧い伝えの その苦には 地を埋め どんな祠建てても 追いつかぬ咎もあるのでしょう そっと手を伸べる者 霧晴れ そして散るように 雨ばかりの僕達は 泣いたりはしないけれど 雨交じりに慣れただけ 平気とは違うのさ 還らぬ魂に恨みごと 遠い昔の政 何れにしても嘆きなど 届かぬ質のものでしょう じっと身を縮めても 晒され追われ喰われるような 雨ばかりよ 僕達は居ないようなものだから 見えないでしょ 雨の色 どんなにか痛いものだとか 雨上がりは来るかしら ささやかな願いも散る 雨に塗れた 僕達の唱えは唯の呪文と消え
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周回おくれの人生は
周回おくれの人生が 空しくも口惜しくもなるもんやね 雨に紛れて逃げるな今日を それならどう思い直そか 人も疎らに西浜は 責めも慰めもせんのんやね 凭れ揺られて電車はどこへ 山手も波止もゆきどまる のらりくらりと人生は 弱りも立ち上がりもしたけれど それも小さな雨渦の中 誰が知るかの物語 100円あれば着いたころ どこへも行けると思たもの 横目、赤灯はもうないか 祭りの時期も過ぎたのか 正し逸れの人生が 息吐く間もなく夜昼と つづく真中に街あるき 思案の橋を渡るとき 周回おくれの人生が 苦しくも逞しくもなるもんやね 雨に濡れ酔うだけで終わるな 今日を降りるまで降りるまで