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【資料②】Twitter投稿版 花様年華 THE NOTESまとめ(後編)


前回の記事はこちら


※ 前回記事の続きです!


書籍版の花様年華 THE NOTES 1,2、アルバムに封入されたmini版 花様年華 THE NOTESの他に、BIGHIT MUSIC(@BIGHIT_MUSIC)、SMERALDO BOOKS(@Smeraldo_Books)、そしてHYBE MERCH(@HYBE_MERCH)のTwitterアカウントにも単発のNOTESが投稿されているので、集約します。

公式から日本語訳の公開があるものはそのまま引用しています。韓国語のみでの公開の場合は、一部意訳も含みますが自分で翻訳したものを併記しますので、誤訳があれば積極的にご指摘いただきたいです。


便宜上、NOTESの内容(時系列や重要度)に関わらず投稿日順に列挙します。また、下線部は全て該当作品や解説へのリンクになっています。

目次は読み飛ばしていただいて大丈夫です。今後考察をされるときに、見返すタイミングがあれば索引代わりに使ってください。


■'19/08/23投稿 @HYBE_MERCH

結局、向き合わなければいけないのは昨日とは違う嵐。その真ん中を突き進んで行くこと、恐れずに愛すること、戸惑いを捨てること、僕自身として、生きていくこと。

(NOTESに含まない)

⇒ アートトイの発売に際して、HYBE MERCHからも7人分の簡潔なNOTESが投稿されています。筆頭となる上記の投稿にはHighlight Reel '起承轉結'最後のナレーションが引用されていますが、映像ではこの文の冒頭に「数えきれないほど多くの季節を繰り返しても、辿り着けない場所がある」という台詞が入ります。

year22.05.31 ホソク

year22.05.31 ホソク

今日は僕の誕生日ではなかった。それでも僕は目を閉じて願いごとをして、ろうそくを消した。僕の願いが、みんなの夢が叶うことを祈って。

Highlight Reel '起承轉結'で描かれる、幼馴染のお姉さんに誕生日(養護施設に預けられた日)のケーキをもらう場面。065のNOTESには、ケーキを持ってきたお姉さんの「ホソク」と呼ぶ声が母親の声に似ていると気付いて動揺し、遊園地での記憶が蘇る様子が描かれています。


■'19/08/23投稿 @HYBE_MERCH

year22.06.15 ユンギ

year22.06.15 ユンギ

俺はどうして音楽をしたいのか。音楽から逃げたいのか。数え切れないほどの自問自答を繰り返した。携帯電話の振動音が聞こえてきたのはまさにその時だった。

⇒ ジョングクの入院はyear22.6.13にホソクによって知らされていましたが、音楽活動に没頭していたユンギはその連絡に気付くことが出来ませんでした。2日後、ジミンからの知らせによってようやくジョングクの事故を知ったユンギの取り乱す様子は、071のNOTESHighlight Reel '起承轉結'に描かれています。


■'19/08/23投稿 @HYBE_MERCH

year22.06.15 ジョングク

year22.06.15 ジョングク

世の中に本当に奇跡というものがあるのだろうか。スケッチブックの中の絵を見下ろしながら考えた。もしあるなら僕たちもみんな奇跡のように幸せになれるのだろうか。

Highlight Reel '起承轉結'で描かれる世界線では、6人の兄たちを漠然と信じながら病院でリハビリに励んでいるジョングク。ユンギがジョングクの事故を知ったのと同じyear22.06.15、ジョングクは病院の中庭で歌う女性のギターにお見舞いに来ないユンギのライターが下がっているのを見つけて困惑します。ジョングクが病院で出会った女性と心を通わせる様子は、090,091のNOTESの回想でも登場しました。

 その後、何度もタイムリープを繰り返したBTS Universe Trailerで描かれる世界線では、ジョングクはソクジンが事故の犯人であるという疑念を払えず、次第に6人の兄たちに疑いを持つようになります。


■'19/08/23投稿 @HYBE_MERCH

year22.07.04 ジミン

year22.07.04 ジミン

みんなが幸せならそれでよかった。今は雨に打たれて一人ぼっちでも、大丈夫、大丈夫と言い聞かせれば大丈夫になった。だから僕は大丈夫だった。

Highlight Reel '起承轉結'077のNOTESで描かれる、ホソクの幼馴染のお姉さんとのダンス練習中に転倒してしまった日のNOTES。腕の傷から滲む血を見て発作を起こしたジミンが我に返ると、そこには脳震盪を起こして意識を失ったお姉さんを背負って雨の中へと走り出すホソクの姿がありました。

076のNOTESでは微かに前向きな感情を抱きつつあったジミンですが、この出来事きっかけにトラウマを克服できていない事実を痛感し、自分自身に猛烈な無力感を覚えることとなります。そして、雨で挫いた足の怪我が原因でダンスを踊ることが出来なくなってしまったホソクもまた、生き甲斐を失ってしまうのです。


■'19/08/23投稿 @HYBE_MERCH

year22.07.10 テヒョン

year22.07.10 テヒョン

スプレー缶を手にしたまま壁を見上げた。何を描くべきかは思い浮かばなかった。何が俺の本心なのか分からなかった。だから俺はこう書いた。〈 I'm Fine. 〉

⇒ テヒョンが描いた〈 I'm Fine. 〉のグラフィティは、Highlight Reel '起承轉結'でナムジュンが目にするバス停に描かれています。独特のデザインで書かれたこの文字には、上下を逆さまにすると〈 Save Me. 〉へと姿を変える仕掛けがあり、Love Yourselfペアポスターにも登場しています。


■'19/08/23投稿 @HYBE_MERCH

year22.07.13 ナムジュン

year22.07.13 ナムジュン

ときどき明日を推し量ることが不可能に感じた。そんな時、俺はわざと笑ってみる。気分は良くならなかったし、勇気も出なかった。それでも俺は笑った。

Highlight Reel '起承轉結'079のNOTESで描かれるように、ナムジュンはただ毎日同じバスに揺られるだけの進展のない現状に、やり場のない無力感を覚える日々を過ごしていました。


■'19/08/23投稿 @HYBE_MERCH

year22.08.30 ソクジン

year22.08.30 ソクジン

スメラルドの花束を見下ろした。彼女が僕に向ける笑顔を思い出した。彼女が笑うと、僕は今より少しだけ良い人になれる気がした。僕は良い人になりたかった。

Highlight Reel '起承轉結'で描かれる、”スメラルド”の花束を抱えて想いを寄せる女性を待つ場面のNOTES。ソクジンは彼女が叶えたい沢山の小さな夢が記された手帳を隠し持ったまま、彼女にとって”いい人”であり続けるために偽りの自分を演じていました。


■’20/07/23投稿 @Smeraldo_Books

year22.06.27 ソクジン

year22.06.27 ソクジン

スメラルドが足元でつぶれた。そしてループした。

⇒ 花様年華 THE NOTES 2からの抜粋。year22.06.27に起きた出来事ではなく、想いを寄せた女性の事故のあとに起きたタイムリープ以降の世界線で、year22.08.30の出来事を回想するNOTESの一部です。


■’20/07/24投稿 @Smeraldo_Books

year22.05.12 ユンギ

year22.05.12 ユンギ

誰にでも死にたい理由はあるだろう。生きたい理由だって同じだ。ジョングクはなぜ死にたくて、どうして生きたいのだろう。

ーーー
(引用)year22.05.02 ユンギ
火のついたシーツは一瞬にして燃え上がった。この世で見る最後の風景、それは汚くてひっそりした部屋、真っ赤な炎と揺らめく熱気、そしてジョングクの歪んだ顔だった。(花様年華 THE NOTES 1)

⇒ 花様年華 THE NOTES 2からの抜粋。2020/07/24~29の5日間に投稿されたNOTESは、一年以上前の2019/01に投稿された花様年華 THE NOTES 1から抜粋したNOTESを引用RTする形で公開されました。ソクジンがタイムリープを繰り返す中で、7人の現状や心境が繊細に変化し続けていく様子が読み取れます。

 火傷の治療のための入院を経てyear22.05.12にようやく作業室へ戻ることが出来たユンギを出迎えたジョングクは、自分が一日に何度も死にたくなることや、ユンギのピアノを聞いて生きようと思えることをユンギに打ち明けました。誰かの生きる理由になりたくないと願うユンギは、ジョングクがどうして死にたくなり、どうして生きたいと思うのかと考えながら、酔い潰れて眠ってしまったジョングクの寝顔を眺めます。


■’20/07/25投稿 @Smeraldo_Books

year22.07.18 ナムジュン

year22.07.18 ナムジュン

時々懐疑と疑念にとらわれた。そのたびに考えた。俺はテヒョンを信じるか。答えはいつも同じだった。

ーーー
(引用)year22.07.13 ナムジュン
数日前、この停留所に降りた時、グラフィティが描かれていた。無意識に周囲を見回したが、テヒョンの姿は見えなかった。俺は停留所の壁いっぱいに描かれたグラフィティをしばらく見つめていた。(花様年華 THE NOTES 1)

⇒ 花様年華 THE NOTES 2からの抜粋。テヒョンが夢の中で見た闇に包まれるソンジュの街と同じ景色を探して奔走する日のNOTES。現実的なナムジュンは、テヒョンの主張する信じがたい話を信じて行動するべきか自分自身に問い掛けます。

花様年華 THE NOTES 1やHighlight Reel '起承轉結'の世界線では、海のモーテルでの口論のあと疎遠になっていたナムジュンとテヒョンですが、花様年華 THE NOTES 2やBTS Universe Trailer描かれる世界線では、year22.05.22の海でソクジンが一人で先に帰ってしまったことで、モーテルでの諍い自体が起こらず二人の関係に亀裂が入ることはありませんでした。


■’20/07/26投稿 @Smeraldo_Books

year22.05.11 ホソク

year22.05.11 ホソク

僕はまた大切な人を失うことになるのか。涙が出そうだった。「人の心配してる場合かよ。何がごめんねだ。そう思うなら死なないでよ」

ーーー
(引用)year22.05.10 ホソク
ナルコレプシーは場所を選ばなかった。そんなふうに倒れた日は母の夢を見た。いつも同じような内容だったが、母とバスに乗ってどこかに行く夢だった。(花様年華 THE NOTES 1)

⇒ 花様年華 THE NOTES 2からの抜粋。睡眠薬を服用して病院に搬送されたホソクは、ホソクを心配した養護施設の先生からのメールの着信音で目を覚ましました。


■’20/07/27投稿 @Smeraldo_Books

year22.07.10 テヒョン

year22.07.10 テヒョン

夢は俺に何か答えを求めているようだった。問題があり、それを俺が解決しなければならないようだった。しかし、一人では何もわからなかった。

ーーー
(引用)year22.05.22 テヒョン
夢の最後の場面と同じだった。俺ではなく、ソクジン兄さんが上ったことだけが違っていた。(花様年華 THE NOTES 1)

⇒ 花様年華 THE NOTES 2からの抜粋。EuphoriaHighlight Reel '起承轉結'の世界線では、現実では起こらない不幸な出来事の”悪夢”を見ているという認識のテヒョンでしたが、花様年華 THE NOTES 2やBTS Universe Trailerの世界線では、ソクジンの違和感のある言動から「ソクジンも自分と同じ”悪夢”を見ていて、起こるはずの不幸から自分たちを助けているのではないか」そして「過去の記憶を失っているのではないか」と鋭く勘付いていました。しかしその直感に根拠はなく、ただ闇雲に奔走する日々が続きます。


■’20/07/28投稿 @Smeraldo_Books

year22.06.14 ジミン

year22.06.14 ジミン

もし僕たち7人を本当に”僕たち”とひとくくりにするなら、ホソク兄さんは一番後ろで僕たちを守る垣根のような人だった。だけど、兄さんは見た目ほど明るく快活ではなかった。

ーーー
(引用)year22.05.15 ジミン
「走れ。ジミン」その言葉を合図に僕たちは全員、駆け出した。僕もその中に巻き込まれ、一緒に走った。菓子の袋とペットボトルが空中に舞い上がった。(花様年華 THE NOTES 1)

⇒ 花様年華 THE NOTES 2からの抜粋。ホソクは、病院から抜け出してホソクの部屋で居候をしているジミンに自分の本当の病気について打ち明けていました。ジミンは、自分の噓を告白したホソクと未だ勇気を出せず嘘をついたまま立ち止まる自分を比べて、複雑な心境を抱えています。


■’20/07/29投稿 @Smeraldo_Books

year22.07.22 ジョングク

year22.07.22 ジョングク

兄さんたちは、どうして僕に嘘をついたのだろうか?

ーーー
(引用)year22.05.22 ジョングク
誰にも話していなかったが、あの日、家族ができたように思えた。本当の兄さんたち、本当の兄弟ができたように思えた。(花様年華 THE NOTES 1)

⇒ 花様年華 THE NOTES 2からの抜粋。病室の窓からユンギとジミンの姿を見つけたジョングクは二人に電話をかけますが、「塾に行っている」とはぐらかされて電話を切られてしまいます。この時、ソクジンとジョングク以外の5人は”魂の地図”探しに奔走していて、入院中のジョングクに心配を掛けまいと内緒にしていたことが裏目に出てしまいました。

 この出来事は、すでに6人の兄たちに対して、自分の轢き逃げ事故の真相を隠匿しているのではないかと考えていたジョングクの猜疑心に拍車を掛けることとなります。


ーーー

■’20/07/30,07/31投稿 @Smeraldo_Books

year22.04.11 テヒョン

#1 year22.04.11 テヒョン

昨晩、夢を見た。高校時代の仲間たちが出てくる悪夢だった。乱暴でぞっとするようなことが起こった。そして、その悲劇の全てをソクジン兄さんが無表情で眺めていた。俺は冷ややかなその顔をグラフィティに描いてナムジュン兄さんに見せた。

「ソクジン兄さんが戻ってきたよ」

ナムジュン兄さんはソクジン兄さんと会った話を聞かせてくれた。兄さんはすごく変わったみたいだと。不吉な悪夢と、2年ぶりに聞くソクジン兄さんの近況。単なる偶然にしては気にかかる。

ーーー
A. ソクジン兄さんの連絡先を聞かなきゃ
B. 悪夢に出てきた仲間たちは元気でいるか調べてみなきゃ

#1-A
「ソクジン兄さんの携帯番号、知ってますか?」

ナムジュン兄さんに尋ねた。何を聞くのかはわからないが、まずは会ってみなきゃならなそうだ。でも、何度かけても兄さんは電話に出ない。
結局、ソクジン兄さんの家を訪ねていった。灯りが点いた2階の窓に兄さんの姿を探していると、壁に貼られた地図がふと目についた。マーカーで印がつけられた中に、俺が知っている場所もあった。

「あれ、ユンギ兄さんの作業室じゃないか」

ゲームアプリ BTS Universe Storyのリリースに先立って、Twitterの投票機能でA/Bどちらかの選択肢に投票することで未公開のエピソードの続きが公開される、恐ろしいイベントが発生していました。2020/07/30~08/05の1週間に投稿されたテヒョン視点のこの投票型のNOTESは、書籍版やアルバム封入版と少しずつ矛盾する(=世界線の異なる)内容のNOTESです。

 ソクジンが【花様年華】の記憶を奪われ、何度もタイムリープを繰り返したと思われるこの世界線では、year22.04.11の時点ですでにテヒョンが”悪夢”やソクジンの言動に違和感を抱いてこれまでとは違った行動を起こしています。ソクジンの部屋の「壁に貼られた地図」は、LINEマンガ 花樣年華Pt.0<SAVE ME>にも登場していました。

(余談ですが、HYBE INSIGHTの常設展を訪問した際、この地図を壁一面に再現したとんでもない情報量の展示があって白目剝きました。)


■’20/07/31,08/01投稿 @Smeraldo_Books

year22.04.30 テヒョン
year22.05.21 テヒョン

#2 year22.04.30 テヒョン

数日前、ジョングクと一緒にユンギ兄さんに会いに行ったら、兄さんを怒らせてしまった。兄さんともう一度話をしようと作業室に行くと、到着する前に兄さんが出てくる姿が見えた。「兄さん!」叫んだが、聞こえないかのように兄さんは角を曲がって消えた。

夢の中のユンギ兄さんは、どこかの部屋の中で炎に包まれていた。兄さんの作業室にあったライターは俺が持って出たが、兄さんはタバコを吸うから、どこかでまた手に入れたのだろう。俺は兄さんを追いかけようとした。その時、兄さんの後ろをつけるように一台の黒いSUVがゆっくりと動く姿が見えた。あの車は何だ?もしかしたらユンギ兄さんの火事と関係があるのか?

ーーー
A. 火はユンギ兄さんが自分でつけたのだろう。兄さんを追いかける
B. ユンギ兄さんはあの怪しいSUVにやられたんだろう

#2-A
数日前、ユンギ兄さんが腹を立てた時のことを思い出した。ユンギ兄さんは依然として危なっかしい状態だった。俺は車を見なかったふりをして、兄さんを急いで追いかけた。
向こうのモーテルの建物から煙が上がるのが見えた。あれは夢の中で見た場所だろうか?走っていこうとすると、モーテルの前に見覚えのある人がいた。まるで計画されたようにためらいのない動きでモーテルの前に品物を置いて去ったのは、ソクジン兄さんだった。


year22.05.21 テヒョン

とんでもないことをしてしまうところだった。俺を、そして姉を殴る父を危うく…。ホソク兄さんが止めてくれなかったら、俺は今ごろ刑務所にいるだろう。
ホソク兄さんは、ソクジン兄さんが提案した海への旅行に一緒に行くか聞くために俺の家に来たのだという。だけど、俺はソクジン兄さんが本当に海に行きたくてそんな連絡をしたとは思わない。きっとソクジン兄さんは何か俺たちについて、俺たちが知らないことを知っているのにちがいない。あの日、ユンギ兄さんがいるモーテルの前に現れ、ジョングクをそこに入らせたのはソクジン兄さんだった。海に行けばソクジン兄さんと話ができるだろうか。

⇒ ジョングクと口論になったユンギが作業室から飛び出して行く場面に遭遇したテヒョンは、ユンギが炎に呑まれる”悪夢”を思い出し、すぐにユンギの身に起きた出来事を察して行動を起こそうとしました。

 そしてその後、ユンギや自分が衝動的に起こそうとしたはずの出来事が、どちらもソクジンの「まるで計画されていたかのような行動がきっかけで未遂に終わった」という奇妙な偶然に、ソクジンが自分たちの知らない何かを知っているのではないかと確信を持ちます。


■'20/08/01,08/02投稿 @Smeraldo_Books

year22.05.22 テヒョン

#3 year22.05.22 テヒョン

海に行くため、俺たちは久しぶりにみんなで集まった。
でも、一緒に写真を撮ろうと言ってもソクジン兄さんは首を横に振った。俺たち6人だけで撮った写真を丸めて捨てる兄さんの姿を見たのは、俺だけのようだった。兄さんにとって、もう俺たちは意味がないのか?俺はしわくちゃになった写真を拾い上げた。そして一人で展望台に登るソクジン兄さんを追いかけた。
展望台の上の風はどこか馴染みがあった。夢で見たような気がした。冷たいソクジン兄さんの表情に、涙が出そうだった。俺は…。

ーーー
A. ソクジン兄さんに、俺たちを助けてくれているのかと聞く
B. ソクジン兄さんに、これまでのことを計画したのかと聞く

#3-A
「兄さんが俺たちを助けてくれてること、知ってます。それがどういうことかはわからないけど…」

俺は最近、俺たちに起こるところだった出来事を、そしてその悪い出来事がどうして起こる直前に奇妙な偶然によって解決されたのかを手当たり次第に並べ立てた。兄さんは俺を押しのけて言った。

「僕は誰の助けもいらないし、誰も助けない」

⇒ 何度も訪れたyear22.05.22の海で、ソクジンは必ず7人で写真を撮っていましたが、花様年華 THE NOTES 2には「たった一度だけ6人だけの写真を撮った」と回想するNOTESがありました。ソクジンが捨てたその写真や、ソクジンを追って展望台に登ったテヒョンを振り払う場面はBTS Universe Trailerに登場しています。


■'20/08/02,08/03投稿 @Smeraldo_Books

year22.05.22(※) テヒョン

#4 year22.05.22(※) テヒョン

突然砂嵐が吹き、数分間も続いた。俺たちは展望台の下に落ちそうによろめた。しばらくして砂嵐がやむと、ソクジン兄さんは展望台からふらりと降りて行ってしまった。
ホソク兄さんが俺に何があったのかと聞いたが、俺は答えられなかった。もどかしくて悲しかった。どうすればいいんだ、俺は…。

ーーー
A. ソクジン兄さんを追いかける
B. 残った仲間たちのところに行く

(※原文に日付の記載なし)

#4-A
このまま話を終わらせてはダメだ。兄さん!ソクジン兄さん!俺はソクジン兄さんをつかまえようとしたが、兄さんは振り向かなかった。そして車に乗ってそのまま行ってしまった。うろたえた。
結局兄さんからは何も聞けなかった。でも、わかったこともあった。
兄さんは以前の俺たちを覚えていない。そして、時々辛そうに見えた。もしかしたら…兄さんは俺たちの助けが必要なのかもしれない。

⇒ 投稿された原文に日付の表記はありませんが、直前の投稿である#3との繋がりや、ホソクが海での出来事を回想する062のNOTESと共通する内容であることからyear22.05.22のNOTESと判断しています。

 これまでのソクジンの違和感のある言動から、テヒョンはソクジンが何らかの理由で過去の記憶を失っているのではないかと勘付き始めました。


■'20/08/03,08/04投稿 @Smeraldo_Books

year22.06.13 テヒョン

#5 year22.06.13 テヒョン

ジョングクが海からの帰り道に交通事故に遭い、病院に入院していることを遅ればせながら知った。俺たちと一緒にいた日にケガをしたのに、それを今ごろ知ったことが申し訳なくて、胸が痛かった。しかもひき逃げ事故で、犯人が誰かもわからないなんて。ジョングクも何も覚えていないという。
病室に座り、ジョングクを見守っていると外で人の気配がした。夜遅く、もう面会客もいない時間なのに、おかしい。もしかしたら犯人が来たんじゃないか?人を殺していたかもしれないひき逃げ事故を起こしたのだから、ジョングクが何か目撃していないか気になって来たのかもしれない。俺は……。

ーーー
A. 病室の外に出て誰なのか確認する
B. そのままジョングクのそばにいる

#5-A
俺は急いでドアを開け、駆け出した。ドアの前には誰もいない。だが、向こうの角を急いで曲がる後ろ姿が見えた。気のせいか、その姿はソクジン兄さんのように見えた。ソクジンに兄さんもジョングクの見舞いに来たのか?でも、なぜ中に入らず帰ってしまうんだろう。

⇒ 花様年華 THE NOTES 1やHighlight Reel '起承轉結'の世界線では、海で口論になったソクジンとナムジュンがいる病室に入ることが出来ずお見舞いに行けなかったテヒョンでしたが、花様年華 THE NOTES 2の世界線ではナムジュンと田舎の村を訪ねた帰りに一緒に病院に向かっています。同じ日、ソクジンはソンジュの街の再開発を推し進める奨励会の会議に出席していて、病院に出向くことはありませんでした。

 このNOTESに記載のある「一人で病室に来ているテヒョン」「病室に入らずに立ち去るソクジンの後ろ姿」は花様年華 THE NOTE 1,2のどちらの出来事とも矛盾する内容です。


■'20/08/04,08/05投稿 @Smeraldo_Books

year22.06.23 テヒョン

#6 year22.06.23 テヒョン

突然ジミンから招待されて入ったチャットルームに、ソクジン兄さんとジョングク以外の5人がいた。

「魂の地図って何か知ってますか?」

少し面食らったが、ソクジン兄さんの名前が出るとみんな真剣になった。ジミンは病院の帰りにソクジン兄さんを見たと言った。「魂の地図」は兄さんが医者にした質問だった。すると、ナムジュン兄さんもすぐに何か思い出したように言った。

「それ、ソクジン兄さんが何日か前に俺にも聞いてた。それを見つければ全てを終わらせることができるとかって」

ジミンはこの言葉を前にもどこかで聞いたことがある気がすると言った。魂の地図が何かはわからないけど、ソクジン兄さんがそれほど探しているものなら、すごく重要なものじゃないか?でも、何を終わらせるっていうんだ?

「ソクジン兄さんに聞いてみればいいのに、なんで俺たちだけで話してるんだ」

ユンギ兄さんの言うとおりだ。でも、ソクジン兄さんに聞いたって答えてくれそうにないということも俺たちは知っていた。これがソクジン兄さんを助けられる方法なら…。

ーーー
A. 魂の地図の意味を調べてみることにする
B. 魂の地図について知っていそうな人を探してみることにする

#6-A
まず、魂の地図が何なのかを知れば、どこにあるのか、どうやって探せばいいかわかるだろう。ナムジュン兄さんは、学術用語みたいだから図書館に行って調べてみると言った。俺も一緒に行って手伝うことにした。
ところが、約束の時間に合わせて図書館に行く途中ナムジュン兄さんから連絡がきた。ガソリンスタンドのバイトが急病で、代わりに行かなければならないという知らせだった。明日に延期して家に帰ると、父が酒を飲んでいた。その姿を見て、そのまま再び家を出た。ナムジュン兄さんのコンテナに泊まって、明日の朝一緒に図書館に行けばいい。酒を飲んだ父のそばには…いたくなかった。

⇒ 病院で”魂の地図”について尋ねるソクジンを目撃したジミンは、ソクジンと病み上がりのジョングクを除いた5人だけのチャットルームを作り、5人は思い思いの方法で”魂の地図”について調べ始めます。

 ジミンが”魂の地図”という言葉に聞き覚えがあるのは、かつて同じ精神病棟に入院していたウ・ヒョンソンという男が「”魂の地図”は壊された」という言葉を何度も口にしていたからで、花様年華 THE NOTES 2の世界線では、”魂の地図”の存在を解き明かす重要人物としてこのウ・ヒョンソンという男が度々登場しています。


■’20/08/05投稿 @Smeraldo_Books

year22.07.10 テヒョン

#7 year22.07.10 テヒョン

悪夢は再び繰り返された。火がついたコンテナの中で死んでいくナムジュン兄さんの姿、そして魂の抜けた目でその姿を見守るソクジン兄さん。
俺の悪夢とソクジン兄さんの変わってしまった姿にはどんな関係があるんだろう?いつまでこの夢を見なきゃならないんだ?
魂の地図。それを手に入れれば全てを終わらせることができるという。ソクジン兄さんの苦痛も、俺のこの悪夢も…それを見つければ、本当に全てが終わるだろうか?

⇒ 酒浸りの父親を避けてナムジュンのコンテナに寝泊まりしてたテヒョンは、自分の見ている”悪夢”がただの夢ではなく現実と繋がっているのだと気が付いてから、眠ること自体が怖いと感じるようになっていました。

花様年華 THE NOTES 2の世界線では、この日テヒョンが新たに見るようになった「ソンジュの街が闇に包まれる”悪夢”」の中でソクジンが見下ろしていた景色を探して、ナムジュンとテヒョンがソンジュの街を奔走することになります。



ーーー


Twitterに投稿された全45のNOTESは以上です。

少しづつ解説を付け加えたら、予想以上の大ボリュームになってしまって申し訳ないです。


さて、次回の投稿では、「おわりに」と題して時系列整理の総括と未解決のまま残された疑問や伏線を整理してみようと思います。お時間のある方は、改めて①~⑰の記事を読み返して一緒に楽しんでいただけると嬉しいです。



〈次回〉

※更新はTwitter(@aya_hyyh)でもお知らせします。

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ありがとうございます💘