BTS【花様年華】⑤繰り返す”year22.04.11“
“猫”と契約しタイムリープの力を得たソクジンでしたが、最初からそのことを理解できたわけではありませんでした。
最初に戻ったyear22.04.11では、何か嫌な夢を見ているようだったと、一度起きた本当の現実の出来事をはっきりとは思い出せず、ガソリンスタンドでナムジュンを見かけても、また声を掛けずに通り過ぎてしまいます。
本当の現実と違っていたのは、ジョングクの転落死がソクジンの目の前で起こったことです。
転落したジョングクがソクジンの運転している車のボンネットに落ちてきたり、買い物に立ち寄った店の前に落ちてきたり、ソクジンは何度も何度もジョングクの死を目撃し、その度にタイムリープが起こりました。
何度目かのタイムリープが起こったとき、またしてもあの幻のような声が聞こえます。
「目を開いてしっかりと見ろ。これが君が生きていく世界、君が切り抜けるべき運命だ」
次に目を覚ましたとき、ソクジンは本当の現実で起こった悪夢の様な出来事を全て覚えていました。そして、ソクジンはようやくタイムリープをしているという“非現実的な事実”を受け入れるのです。
6人を悲惨な未来から救い、また7人で一緒に笑えるように、出来ることは何でもする。
そう決意したソクジンは、迷わずガソリンスタンドへ向かい、ナムジュンに声を掛けます。
「久しぶり」
この一言が、6人を救う旅の始まりだと信じていました。
ソクジンがナムジュンに声を掛けたことで、ナムジュンが客と喧嘩をして拘置所に入れられるという不幸を回避することが出来ました。
ソクジンは記憶を頼りにジョングクを探しに向かいますが、記憶の中のジョングクの転落事故はタイムリープのたびに場所が変わっていたため、回避することは簡単ではありませんでした。
結局ジョングクを探し出すことは出来ず、転落事故は起こり、再びタイムリープが起こってしまうのです。
再びyear22.04.11の朝に目を覚ましたソクジンは、すぐにガソリンスタンドへ向かってナムジュンに声を掛けたあと、記憶を頼りに一緒にジョングクを探していくつもビルの屋上を見て回ります。
そして、ようやくビルの屋上で手すりに登って夜風に当たるジョングクを見つけ出したのです。
こうして、ナムジュンの喧嘩とジョングクの転落死の2つの不幸を回避することが出来ました。
しかしこの時、ジョングクはユンギからの最後の着信に気が付くことはありませんでした。
次にジョングクの携帯が鳴ったのは、病院からユンギが運び込まれたという知らせの電話で、急いで病院に駆けつけますが、ユンギは3人の目の前で息を引き取ります。
そして、またタイムリープが起こるのです。
ソクジンが何度もyear22.04.11を繰り返している頃、何も知らないテヒョンがある夢を見るようになりました。それはまだぼんやりとした内容でしたが、ソクジンが変えようとしている本当の現実で起きた出来事です。
その夢の中でテヒョンはユンギが炎に飲まれて亡くなる光景を目にします。
MVの中で、テヒョンが度々既視感を覚えるような表情をするのはこの夢を思い出しているからだと考えられます。
何度やり直しても、一向にyear22.04.11から先に進めないソクジンは少し慌てていました。
ソクジンはなりふり構わずガソリンスタンドへ向かい、説明もなくナムジュンを車に乗せ、今度はビルの屋上に登る前のジョングクを見つけ出して声を掛けます。
なんとしてもユンギの焼身自殺を食い止めなければまたタイムリープしてしまう、ソクジンは必死にユンギの居場所を探しますが、手がかりはありませんでした。
しかし、ここでこれまでとは違う出来事がひとつ起こります。
ナムジュンの携帯に警察から連絡があり、グラフィティをして補導されたテヒョンを迎えに行くことになるのです。
テヒョンを警察から引き取ったあと、ユンギが火事で死ぬ夢を見たと話すテヒョンの言葉を頼りに、ユンギのいるモーテルを探しますが、まだぼんやりとした夢の内容では難しく、見つけ出すことは出来ませんでした。
ユンギはテヒョンが見た夢と同じように、炎に飲まれて亡くなり、またタイムリープが起こります。
その次のyear22.04.11では、ソクジンは慣れたようにテヒョンを車に乗せるところまでを順調にこなしましたが、突然トラックに衝突され、4人は命を落とします。
ソクジンは、みんなの不幸を回避するために出来る限りのことをしたのに、突然トラックが衝突してきた理由を考えて、ある結論を導きます。
それは、本当に起こった現実の出来事を変えすぎてはいけないのだということです。
そのことに気が付いたソクジンは、今度は最小限の行動でナムジュン、ジョングク、ユンギの不幸を回避しようと動き出します。
まずはいつものようにガソリンスタンドへ向かい、客が投げ渡したお金を拾ってナムジュンに手渡し、ナムジュンの喧嘩を回避します。
その後、ナムジュンを車に乗せることはせずに、ひとりでジョングクの元へ向かいます。ジョングクの居場所はすでにわかっていたので、探し回る必要はありませんでした。
ジョングクに声を掛けたちょうどその時、ユンギからジョングクに着信があり、ジョングクはようやくユンギからの電話を取ることが出来たのです。ユンギの居場所を知る必要があったソクジンは、ジョングクから携帯を奪い取って電話に割り込みました。
ジョングクに別れを告げるために電話を掛けたユンギは、電話口から聞こえたソクジンの声に動揺してすぐに電話を切ってしまいます。
その後、無事にモーテルを探し出したソクジンは、炎に飲まれて意識を失ったユンギを見つけ、病院へ運びます。治療を受けて意識を取り戻したユンギは、ベッドの横に立つソクジンを見るなりこう言い放ちます。
「地獄みたいに熱くて息が苦しくて、俺マジで死んだんだ、これで助かった。地獄よりももっと地獄みたいな現実から抜け出してやっと楽になれる。そう思ったんです。なのに誰かがまた俺を引きずり戻した。どうしてですか?放っておいてくれたらよかったのに」
これじゃダメだったんだ。ソクジンは、ユンギの心の内側にある問題を解決しない限り、本当の意味でユンギを救済したことにはならないのだと気が付きます。
しかしこの日、結果的にはソクジンがタイムリープを繰り返すようになってから初めてyear22.04.11を乗り越えることが出来たのです。
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次回からの記事では、ようやく乗り越えたyear22.04.11以降の出来事を整理します。
〈次回〉
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