見出し画像

【資料②】Twitter投稿版 花様年華 THE NOTESまとめ(前編)


前回の記事はこちら


※当記事は考察や個人の見解を含みます。ご了承下さい。※


書籍版の花様年華 THE NOTES 1,2、アルバムに封入されたmini版 花様年華 THE NOTESの他に、BIGHIT MUSIC(@BIGHIT_MUSIC)、SMERALDO BOOKS(@Smeraldo_Books)、そしてHYBE MERCH(@HYBE_MERCH)のTwitterアカウントにも単発のNOTESが投稿されているので、集約します。

公式から日本語訳の公開があるものはそのまま引用しています。韓国語のみでの公開の場合は、一部意訳も含みますが自分で翻訳したものを併記しますので、誤訳があれば積極的にご指摘いただきたいです。


便宜上、NOTESの内容(時系列や重要度)に関わらず投稿日順に列挙します。また、下線部は全て該当作品や解説へのリンクになっています。

目次は読み飛ばしていただいて大丈夫です。今後考察をされるときに、見返すタイミングがあれば索引代わりに使ってください。


■’17/08/14投稿 @BIGHIT_MUSIC

year22.06.13 ソクジン

year22.06.13 ソクジン

あの海から戻ってきてから僕たちは皆、ひとりだった。

まるで決められたかのように僕たちはお互いに連絡をしなかった。街に残されたグラフィティ、明かりが灯るガソリンスタンド、古い建物から聞こえてくるピアノの音だけで、お互いの存在を察するだけだった。その度にあの夜の残像が幻影のように蘇った。炎が零れ落ちそうだったテヒョンの瞳、信じられない話を聞いたというように僕に集まった視線、テヒョンを止めていたナムジュンの手、我慢出来ずにテヒョンに向かって拳を振るっただけの僕。

飛び出して行ったテヒョンを見つけられずに戻ってきた海のモーテルには、もう誰も残っていなかった。割れたグラス、乾き始めた血痕、粉々になったお菓子のかけらだけが、数時間前の出来事を物語るだけだった。その中に写真が一枚落ちていた。海を背景にして、思いっきり格好つけた写真の中で、僕たちは一緒に笑っていた。

今日も僕はガソリンスタンドの前をただ通り過ぎた。いつかまた会える日が来るだろう。写真の中のように、一緒に笑える日が来るだろう。自分自身と向き合う勇気を出せる日が来るだろう。だけど今は、まだ違う。今日もあの日のように湿っぽい風が吹いた。そして次の瞬間、まるで警告のように携帯電話が鳴った。ルームミラーにぶら下げておいた写真が揺れた。画面にはホソクの名前が浮かんでいた。

〈兄さん、ジョングクがあの夜、交通事故に遭ったそうです。〉

⇒ year22.05.22までに起こる不幸を修正し、ようやく7人で訪れたEuphoriaの海で起こった出来事を回想するソクジンのNOTES。'血、汗、涙 -Japanese Ver.-'に登場するモーテルでの喧嘩の後、7人が再び疎遠になってしまうHighlight Reel '起承轉結'へと繋がる世界線です。モーテルでの喧嘩は、アルバム封入版061のNOTESに詳細な描写がありました。

 冒頭の「あの海から戻ってきてから僕たちは皆、ひとりだった」は、Love Yourselfペアポスター①ユンギ・ジョングク,②ホソク・ジミン,③ナムジュン・テヒョンにも書かれているセリフです。海で離散した数日後、ホソクはバイト先であるツースターバーガーに来たジョングクの同級生からジョングクが事故に遭ったことを聞き、5人に連絡を入れていました。


■’18/05/04投稿 @BIGHIT_MUSIC

year22.05.22 ジョングク

year22.05.22 ジョングク

身体が宙に浮かんだかと思うと、いつの間にか硬い地面の上にいた。しばらくの間、何も感じなかった。ただ全身が耐えられないほど重たく、瞼を持ち上げることさえ出来なかった。唾を飲み込むことも、呼吸もままならなかった。意識が遠退いて、だんだんと周りの景色が薄くなっていった。

そのうち何かに驚いたように全身が発作的に揺れた。どこが痛むのかも分からない痛みと喉の渇きで思わず目を覚ました。砂嵐のようにぼやけた視界の向こうで何かがちらついた。光だと思ったが違った。それは明るくて大きくて、ぼんやり輝いていた。じっと動かずに宙に浮いていた。しばらく見ていると、次第に確実な形へと変わった。月だった。

首を折っているのか、世界が逆さまになっていた。その世界の中で、月も逆さまにぶら下がっていた。息をしようと咳をしようとしても動けなかった。そして寒気を感じた。怖かった。口を開いても何も言葉が出なかった。目を閉じていないのに、目の前がだんだん暗くなっていった。遠くなる意識の中で誰かの声が聞こえた。

「生きることが死ぬことよりも苦しいのに、それでも生きたいのか?」

Euphoriaの海で離散し、一人になった帰り道で事故に遭ったジョングクのNOTES。事故に遭った瞬間の様子はBTS Universe Trailerで描かれていて、入院中の病院で事故に遭った瞬間を思い出して目を覚ました描写は070のNOTESに、Highlight Reel '起承轉結'には入院中の車椅子姿で登場しました。

 遠退く意識の中で聞いた「誰かの声」が誰のものなのかは明記されていませんが、BTS Universe Trailerの該当の場面では、ソクジンにタイムリープの力を与えた緑と青の瞳を持つ”猫”が、道路に横たわるジョングクの前にも姿を現しています。


■’18/08/07投稿 @BIGHIT_MUSIC

year22.08.03 ソクジン

year22.08.03 ソクジン

倉庫の教室の扉を開けて中に入った。真夏の夜、冷めない空気の中にはカビと埃の匂いが混じっていた。瞬間的にいくつかの場面が脳裏に浮かんだ。校長の靴が輝いていたこと、ドアの外に立っていたナムジュンの表情、ホソクにそっぽを向かれて一人で帰った最後の日… ふと頭痛がして、寒気がした。苛立ちとも恐怖とも言える複雑な感情が痛みのように押し寄せてきた。身体で、心で感じる信号は明白だった。ここから出なければならない。

テヒョンは僕の気配を察したのか、腕を握って言った。「ソクジン兄さん、もう少しだけ努力してみてください。ここであったこと、思い出してください」テヒョンの手を振り払って背を向けた。猛暑の中をもう何時間も歩き回って疲れ切っていた。他の友人たちは、何と言葉をかけていいかわからないと言うような表情で僕を見ていた。記憶。テヒョンが言う記憶というのは、僕にとって意味のない話に過ぎなかった。僕がそんなことをした、僕にそんなことがあった、僕たちが一緒に何かをしたというだけの話。そうだったかもしれない。そうだったような気もする。だが、記憶というのは理解や納得ではない。経験は、聞いて把握するものではない。心の中、頭の中、魂の奥深くに根付いていなければならない。僕にとってその場所にある記憶というのは、もっぱら悪いものばかりだった。僕を苦しめて、逃げさせるもの。

「帰る」と言う僕と立ちはだかるテヒョンの間で争いが起こった。しかし、二人とも疲れていた。殴る動作も避ける動作も、動きを止めることすらも粘度の高い液体の中で起きていることのようにのろのろと重たかった。テヒョンと僕の足が絡まったのは一瞬だった。壁に肩をぶつけられたと思いきや、次の瞬間バランスを失ってよろめいた。

最初は何が起きたのかわからなかった。立ち込めた埃で目を開けることも息をすることも出来なかった。ひどく咳き込んだ。「大丈夫ですか?」誰かの言葉で、ようやく自分が床に倒れていることに気が付いた。身体を起こすと、壁だと思っていたところが崩れているのが目についた。壁の向こうにはかなり広々とした空間があった。誰も動くことが出来なかった。「まさか、僕たちがどれだけ多くの時間をここで過ごしてきたか」誰かが言った。壁の向こうにこんな場所があるなんて、誰も想像出来なかった。「あれは何だ?」埃が落ち、がらんとした空間の中にキャビネットが一つ立っているのが目に入った。

ナムジュンがキャビネットの扉を開けた。僕は、そこへ一歩近寄った。中にはノートが一冊置いてあった。ナムジュンがノートを取り出し、最初のページを捲った。咄嗟に息を呑んだ。古ぼけて見えるノートの最初のページ、そこには予期せぬ名前が記されていた。父の名前だった。ナムジュンが次のページを捲ろうとするのを奪い取った。ナムジュンは驚いたように僕を見つめていたが、関係なかった。ノートのページを捲ると、指の間から古びた文字がぱらぱらと零れ落ちた。

父の筆跡で書かれたノートは、父の高校時代に父が友人たちと経験した出来事の記録だった。毎日の話ではなく、1ヶ月も飛んでいたり血が滲んだりして読めなくなっている箇所もあった。それでもわかった。父は僕と同じ経験をしていた。僕と同じように過ちを犯し、それを挽回しようと走って、走り続けていた。

父のノートに書かれていたのは、失敗の記録だった。結局父は諦め、何も成し得なかった。全て忘れたことにして、見ないふりをして回避した。そして友人たちを見捨てた。ノートが書かれている最後のページには、真っ黒なインクの染みだけが残っていた。その後には何も書かれていなかった。その次のページにも、また次のページにも、最後のページにまでインクが沁み込んでいた。その染みが、父の失敗を雄弁に物語っていた。

どれだけの時間が経ったのか、全ての感覚が曖昧だった。窓から吹き込んでくる風が涼しくなったのを見ると、一日の中で一番暗い時間、太陽が昇る直前のようだった。ナムジュンや他の弟たちは、あちこちに座り込んだまま眠っていた。顔を上げて、壁を見上げた。ここのどこかに父の名前が書いてあるのを見たことがあった。その下にはこんな文章が書かれていた。〈全てはここから始まった。〉

指先に何かがカタカタと動く感覚がしたのは、ノートを閉じようとしたその時だった。インクの滲んだ跡に、薄れた文字が見えた気がした。窓の外にぼんやりとした光を感じて、今にも太陽が昇ろうとしているのが分かった。それでも、まだ夜が終わったわけではない。夜でもなく、夜明けでもない時間だった。暗闇と薄暗い光が縺れ合うにつれて、徐々に真っ黒な染みの滲んだ行と行の間から文字が微かに現れた。

ノートは記録以上の”記憶”を抱いていた。文字の上に、余白と空欄の全てに、父が忘れることにしたこと、父が記憶しないことにしたことがそのまま残されていた。揮発して色を失った刻まれた跡が、そのまま活字のように残っていた。指の下で父の経験した多くの時間が、恐怖が、耐え切れないような絶望と微かな希望が渦巻いた。父の屈折した”魂の地図”が、ノートの上にそのまま残っていた。

ノートを閉じると涙が流れた。しばらくその場に座っていたが、ふと顔を上げて相変わらず眠っている友人たちを見た。一人ひとりを眺めた。もしかしたら、僕たちはここに戻ってくるはずだったのかもしれない。〈全てはここから始まった。〉一緒にいることの意味と、笑顔になることの喜びが分かるようになった。僕が犯した最初の過ちが、一度も僕の口からは認められなかった最初の失敗が、生傷のように残っていた。

全ては偶然などではないという気がした。僕は導かれてここに来る羽目になったのだ。ここに辿り着いてこそ、これまで犯した失敗と過ち、それによって経験した苦痛と煩悶の意味を見つけ出して、そして初めて”魂の地図”を探す第一歩を踏み出すことが出来るのだった。

いや、長すぎる。。 花様年華 THE NOTES 2の世界線では、ソクジンが過去の出来事を忘れてしまっていることに気が付いたテヒョンの発案で、7人は倉庫の教室に集まります。【花様年華】の記憶を奪われているソクジンの脳裏に浮かんだ学校での思い出は、良くないものばかりでした。
「校長の靴が輝いていた」のは転校初日の013のNOTES、「ドアの外に立っていたナムジュン」は校長への密告を聞かれてしまった019のNOTES、「一人で帰った最後の日」はアジトの存在を明かしたことでユンギの退学を招き、その後再びアメリカへ引っ越すことになった夏休み初日の024のNOTESで描かれる出来事です。

 崩れた壁の向こうにキャビネットから現れる場面はBEGINS Official Teaserに、キャビネットの中に父親のノートを見付ける場面はBTS Universe Trailerで描かれ、「どこかに父の名前が書いてあるのを見た」と壁の落書きを回想する場面は017のNOTESに登場する出来事です。ソクジンは父親が残した”魂の地図”を見つけたことで【花様年華】の記憶を取り戻し、自分自身の”魂の地図”にも近付くことが出来ました。

(ところで、THE NOTES 1の存在すら発表されていない2018年8月の段階で、THE NOTES 2の終盤にあたるこの内容のNOTESが前置きなしでTwitterに投稿されてるの怖すぎませんか?)


■’19/01/07投稿 @Smeraldo_Books

year22.05.02 ソクジン

year22.05.02 ソクジン

あらゆる失敗と過ちを正して、皆を救えるだろうか。僕はこの問いかけの重みを推し量ることさえできなかった。

⇒ 花様年華 THE NOTES 1からの抜粋。ソクジンが終わりの見えないタイムリープを繰り返しながら、本当の現実で訪れた最初のyear22.05.22の海で”猫”と交わしたやり取りを回想する場面で、LINEマンガ花樣年華Pt.0<SAVE ME>に詳しい描写があります。

 year22.05.02は、モーテルに火を付けて自ら命を絶とうとするユンギの救出に何度も失敗し、タイムリープが起こり続けた日付です。ソクジンは、この日に起こる出来事をただ未然に防ぐだけではユンギにとって本当の意味での救済にはならないのだと気が付いて模索します。


■’19/01/08投稿 @Smeraldo_Books

year22.04.07 ユンギ

year22.04.07 ユンギ

車はギリギリのところで俺をかすめて通り過ぎた。酔いの中で俺は気を引き締めることができなかった。そのうち、ピアノの音がもう聞こえてこないことに気づいた。

⇒ 花様年華 THE NOTES 1からの抜粋。WINGS ShortFilm#4 FIRST LOVE036のNOTESで描かれる、ユンギとジョングクの再会の日のNOTESです。ピアノの音色に誘われた酩酊状態のユンギが辿り着いた先には、倉庫の教室でユンギが弾いていた思い出の旋律をなぞるジョングクの姿がありました。


■’19/01/09投稿 @Smeraldo_Books

year22.04.11 ナムジュン

year22.04.11 ナムジュン

ソクジン兄さんは依然として俺の視野の外から一歩も動かなかった。近づくことも話しかけることもしなかった。

⇒ 花様年華 THE NOTES 1からの抜粋。'血、汗、涙 -Japanese Ver.-'で描かれる、ソクジンとナムジュンの再会の日。本当の現実ではガソリンスタンドを素通りしていたソクジンですが、6人の現状を目の当たりにしてタイムリープの力を授かり、まず最初にナムジュンの身に起こる不幸を回避しようと行動を大きく変えていきました。しかし、タイムリープを繰り返すうちに本当の現実を変えすぎてしまうことで、また新たな不幸を引き寄せてしまうことに気が付き、最小限の言動で起こる出来事に介入するようになったのです。

 花様年華 THE NOTES 1をお持ちの方はぜひお手元にご用意いただきたいのですが、引用元であるP82~に記載のあるyear22.04.11のナムジュンのNOTESには『(ソクジンが)近寄ってくることも話しかけることもしなかった』とあるにも関わらず、同じ日付の出来事を記したはずであるP80~のソクジンのNOTESには『ナムジュンが近付いてくるのが見えた。車の窓を開けた。「久しぶり」』という記載がありますよね。

 花様年華 THE NOTESはタイムリープによって本来違った世界線で起こった出来事を混同して日付順に記載してるので、全体を通してこのような小さな矛盾が連続しているのが特徴です。当noteでは、この2つのNOTESのような矛盾を「異なる世界線の出来事である」と仮定して切り貼りすることで、物語の時系列を整理しています。


■’19/01/10投稿 @Smeraldo_Books

year22.04.11 ジョングク

year22.04.11 ジョングク

電話の着信音が鳴ったのは、まさにその時だった。遠い夢から覚めたように一気に我に返った。携帯電話を取り出した。ユンギ兄さんだった。

⇒ 花様年華 THE NOTES 1からの抜粋。屋上の手摺に登って夜風に当たりながら、無意識に目下の闇へと吸い込まれそうになったジョングクを引き留めたのは、ホソクからコンテナに行こうと連絡を受けたユンギからの誘いの電話で、直前の状況が042のNOTESに記載されています。

 'I NEED U' Official MV038のNOTESで描かれる本当の現実では、ユンギがモーテルに火を付け、ジョングクがビルから転落死してしまうyear22.04.11ですが、ソクジンが行動を変え始めたことで6人が自発的にとる行動にも変化が現れていました。


■’19/01/11投稿 @Smeraldo_Books

year10.07.23 ホソク

year10.07.23 ホソク

母は僕にチョコバーを差し出して言った。「ホソク、これから10まで数えて目を開けるのよ」

⇒ 花様年華 THE NOTES 1からの抜粋。003のNOTESにも記載のある算数の授業中に数を数えながら、遊園地でのトラウマを思い出して倒れてしまう日のNOTES。実際に遊園地でチョコバーと共に母親に置き去りにされたのは、このNOTESの約1年前であるyear09.05.31の出来事で、Highlight Reel '起承轉結'にも登場しています。


■’19/01/12投稿 @Smeraldo_Books

year20.09.28 ジミン

year20.09.28 ジミン

今日、僕は初めて嘘をついた。医者の目を見ながら、落ち込んでるふりをして言った。「何も覚えていません」

⇒ 花様年華 THE NOTES 1からの抜粋。WINGS ShortFilm#2 LIE026のNOTESに登場する、精神病棟のカウンセリングで初めて嘘を吐く日のNOTES。ジミンは、ホソクとの下校中にプルコッ樹木園行きのシャトルバスに乗ったとある人物を見て発作を起こし、そのまま入院したことで世間から隔離された生活を送っていました。


■’19/01/13投稿 @Smeraldo_Books

year22.05.02 ユンギ

year22.05.02 ユンギ

火のついたシーツは一瞬にして燃え上がった。この世で見る最後の風景、それは汚くてひっそりした部屋、真っ赤な炎と揺らめく熱気、そしてジョングクの歪んだ顔だった。

⇒ 花様年華 THE NOTES 1からの抜粋。Euphoria049,050のNOTESに登場する、燃え盛る炎の中にいるユンギの身体をジョングクが引き摺り出す直前の場面です。タイムリープが起こるたびに不安定に日付の変わるユンギの焼身自殺を防ぐことは、そう容易いものではありませんでした。


■’19/01/14投稿 @Smeraldo_Books

year22.05.10 ホソク

year22.05.10 ホソク

ナルコレプシーは場所を選ばなかった。そんなふうに倒れた日は母の夢を見た。いつも同じような内容だったが、母とバスに乗ってどこかに行く夢だった。

⇒ 花様年華 THE NOTES 1からの抜粋。'I NEED U' Official MV052のNOTESに登場する、ホソクが橋で意識を失って倒れてしまう場面のNOTESです。ホソクはナルコレプシーという突発的に制御できない睡魔に襲われる睡眠障害を抱えていますが、その発作をわざと引き起こすために正しい治療を怠っているという二重の設定があります。ホソクが抱える本当の病気はWINGS ShortFilm#6 MAMAのカルテにも書かれるミュンヒハウゼン症候群という虚偽性障害で、このことはホソクが誰にも明かしていない秘密でした。

 year22.05.10のこの日、母親代わりとなって自分を育ててくれた養護施設の先生が病気になったという知らせに動揺したホソクは、表向きにはナルコレプシーの治療薬としている睡眠薬を大量に服用し、発作を引き起こしました。そしてその後、搬送先の病院で偶然ジミンと再会します。


■’19/01/15投稿 @Smeraldo_Books

year22.05.20 テヒョン

year22.05.20 テヒョン

父ではなく、いっそのこと俺自身を殺したかった。そうすることさえできたら、今すぐにでも死んでしまいたかった。

⇒ 花様年華 THE NOTES 1からの抜粋。本当の現実、そして화양연화on stage : prologueで描かれる初めて7人で海へ行くまでの過程で何度も繰り返したyear22.05.20では、日常的に暴力を振るう父親を衝動的に刺し殺してしまうテヒョンですが、EuphoriaからHighlight Reel '起承轉結'へと繋がる世界線ではホソクの制止によって未遂に終わっています。

057,058のNOTESに記載があるように、ホソクを誘導してテヒョンの不幸を回避することでタイムリープ自体は防ぐことが出来たソクジンでしたが、実際にはテヒョンの抱える問題を先送りにしたにすぎず、本当の意味での救済には至らないまま、物語は061のNOTES'血、汗、涙 -Japanese Ver.-'に登場する海のモーテルへと続きます。


■’19/01/16投稿 @Smeraldo_Books

year22.05.15 ジミン

year22.05.15 ジミン

「走れ。ジミン」その言葉を合図に僕たちは全員、駆け出した。僕もその中に巻き込まれ、一緒に走った。菓子の袋とペットボトルが空中に舞い上がった。

⇒ 花様年華 THE NOTES 1からの抜粋。Euphoria054のNOTESに登場する、ジミンを病院から連れ出す場面のNOTES。6人は誕生日会だと看護師を騙して深夜の病院に集まり、ホソクの言葉に鼓舞されたジミンは、一人ではただ眺めることしか出来なかった廊下の先の扉を、自らの手で押し開けて病院を飛び出します。


■’19/01/17投稿 @Smeraldo_Books

year22.05.22 ジョングク

year22.05.22 ジョングク

気がつくと、全員が海岸道路沿いを走っていた。息が切れ、汗が出て、頭がずきずき痛んだが、兄さんたちが止まらなかったから僕も止まらなかった。

⇒ 花様年華 THE NOTES 1からの抜粋。タイムリープを繰り返して辿り着いたyear22.05.22の海で、ジョングクが目に砂が入って涙を流しているのをからかう兄たちを怒って追い掛けるふりをしたことをきっかけに、7人はまるで'I NEED U' Official MVで描かれる学生時代に一緒に授業をサボって海へ行ったあの日のように、海岸沿いの道を笑いながら走り続けました。


■’19/01/18投稿 @Smeraldo_Books

year22.05.22 テヒョン

year22.05.22 テヒョン

夢の最後の場面と同じだった。俺ではなく、ソクジン兄さんが上ったことだけが違っていた。

⇒ 花様年華 THE NOTES 1からの抜粋。화양연화on stage : prologueではテヒョンがよじ登っていた海の展望台に、ソクジンが登って安堵の表情を浮かべるEuphoriaからHighlight Reel '起承轉結'へと繋がる世界線です。ソクジンが書き換えた不幸な出来事を悪夢という形で目にしていたテヒョンは、自らが展望台に登ったという書き換えられた出来事も、夢で見た一場面として記憶していました。


■’19/01/19投稿 @Smeraldo_Books

year22.07.13 ナムジュン

year22.07.13 ナムジュン

数日前、この停留所に降りた時、グラフィティが描かれていた。無意識に周囲を見回したが、テヒョンの姿は見えなかった。俺は停留所の壁いっぱいに描かれたグラフィティをしばらく見つめていた。

⇒ 花様年華 THE NOTES 1からの抜粋。079のNOTESHighlight Reel '起承轉結'に登場する、降りるはずのバス停を寝過ごしてしまう女性を気に掛けながら、声を掛けることが出来ずにバスを降りてしまう場面から繋がるNOTES。

 前述したyear22.06.13のソクジンのNOTESにもあるように、街に漂うお互いの気配だけを感じて過ごしていたようです。海での口論のあと、7人はお互いに連絡を取り合わない日々が続き、テヒョンとナムジュンの間には特に大きなわだかまりが残っていました。


■’19/01/20投稿 @Smeraldo_Books

year22.08.30 ソクジン

year22.08.30 ソクジン

スメラルドの花束が僕の手からバサッと落ちた。彼女が向こうの道路の真ん中にいた。赤黒い血が道路に流れた。

⇒ 花様年華 THE NOTES 1からの抜粋。Highlight Reel '起承轉結'104のNOTESで描かれている、想いを寄せている女性が事故に遭う場面。ソンジュの街の花火大会があるこの日、ソクジンは彼女がいつか欲しいと手帳に書いていた”スメラルド”の花束を手渡して想いを伝えるつもりでした。

 しかし目の前で事故が起こり、ソクジンが「時間を巻き戻すことが出来れば」と祈ったことで、Euphoriaの世界線で7人で海を訪れたyear22.05.22以降、約4ヶ月半もの間起こらなかったタイムリープを再び引き起こします。


■’19/01/21投稿 @Smeraldo_Books

year22.05.22 ジョングク

year22.05.22 ジョングク

誰にも話していなかったが、あの日、家族ができたように思えた。本当の兄さんたち、本当の兄弟ができたように思えた。

⇒ 花様年華 THE NOTES 1からの抜粋。ソクジンがタイムリープを繰り返して辿り着いたyear22.05.22の海で、ジョングクが'I NEED U' Official MVで描かれる7人の【花様年華】の「あの日(year20.06.12)」の海を回想する場面。ジョングクは、あの日ソクジンが日付を書いて渡してくれた7人で写る写真を、いつも大切に持ち歩いていました。



ーーー


全45のTwitter投稿版 花様年華 THE NOTESをようやく半分ほどご紹介しましたが、リンクの数がnoteのキャパシティを超えてしまったので泣く泣く2記事に分けて投稿します。

後編は明日、投稿予定です! 投稿しました!



〈次回〉

※更新はTwitter(@aya_hyyh)でもお知らせします。

.

いいなと思ったら応援しよう!

aya.
ありがとうございます💘