大好きで、大嫌いな春
寒さが厳しい冬を終えて、暖かな春がやってくる。昔、小学校の先生に「春になると気分が上がって、不審者が増えるから、気をつけるように」と言われたことを思い出した。今思うとどんなロジックだというかんじだが、気分が上がるのは分かる。
たとえ特別なイベントがなかったとしても、お気に入りのトレンチコートが楽しめるくらい暖かくなると、ワクワクする。幸い私は花粉症ではないので、心置きなく外に出ることもできる。私は、春が大好きだ。
でも、私は春が大嫌いだ。
正確にいうと、"別れ"が大嫌いだ。春は出会いがある分、別れもある。
何歳になっても、ずっといた場所を離れるとき、誰かとさよならするときは本当に、本当に辛い。まさにその瞬間は胸がギュッとなって、涙が出てくる。こんな辛いなら、新しい環境や人との出会いなんてなくてもいいのにとさえ思う。最も、好奇心と行動力の塊みたいな人間なのでそれは絶対に無理なのだけど。
苦手なものからは基本逃げたい&人に弱みを見せるのがどうも苦手な私は、別れの瞬間はかなりドライだと思う。「じゃ、また明日!」くらいの軽さ。あんまり惜しむと、惜しんでる途中できっと泣いてしまうから。だからバイバイしたあとは基本振り返らないし、むしろ「今日の夜何食べようかな」くらい関係ないことを考えている。(考えるようにしている)申し訳ない。
でも、決してその場所や人が嫌いなわけじゃない。むしろ大好きであればあるほどドライになる、なんともわかりにくい奴だ。マジで申し訳ない。
人によって程度の違いはあれど、別れが寂しいという思いは平等にあると思う。みんなどうやってこの寂しさと向き合っているのだろうか。素朴な疑問だ。
私も今年で27になるわけだから(?)別れに真正面から向き合って、噛み締める人になりたいなぁ、なんて思った。そんな春の夜。
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