再現できない音
ミスターセンクスはわりと音にうるさい方である。
移動中は常に音楽を聴いていたいし、
ブロゲを描く時もへんちくりんな音楽を聴く。
走る時の選曲は大切である。
Norah Jonesのリズムで早く走れるランナーは
この世に存在するだろうか?
イヤホンはセンクスライフにもセックスライフにも必要である。
そんな中でミスターセンクスが行き着いたのは、
BANG & OLUFSENというブランドである。
今年の春頃に、H5というモデルからE8というモデルに買い換えた。
今年の春はちょうど短くなったうどん、
Apple謹製のAirPods Proが発売され、
丸亀製麺のごとくバカ売れのうどんになっていた時である。
Apple中毒のミスターセンクスとしては、
スターバッカスでのドヤ顔のためにも
AirPods Proをチョイスすべきだったのかもしれない。
しかしBANG & OLUFSENを選んだ。
何が良いか?という話をオーディオ評論家でもない
ミスターセンクスにさせてはいけない。
汚い耳垢が出るだけである。
あえて言わせていただくとすれば、
このイヤホンが奏でるサウンドには、
汚れなき美少女のようなピュアさがある。
BOSEなどを代表とする近頃のイヤホンは、
ドンシャリ系と表現されることが多い。
低音ドンドン、高音シャリシャリである。
つまりお祭りということである。
太鼓がドンドン聞こえる中で買ったかき氷。
すごくシャリシャリしていたよ。
ああ儚き夏の思い出。
思い出は脚色され美化されるものだが、
つまり最近のイヤホンの音は作られた部分が大きいということが言いたい。
いくら遠回しであろうと、それは脚色された音なのである。
それに対してBANG & OLUFSENの音は、
録音した音がそのまま流れているようなピュアさを感じる。
ドンシャリに慣れた耳にとって、
最初はとても物足りない音だなと感じるものだった。
しかし聞けば聴くほどその音は生っぽくクセになる。
それを例えるのであれば、
ゴム製品を付けるか付けないかほどの差である。
どちらが昇天に近いか。
そんなことは言うても言うまでもないであろう。
そんなわけで、生っぽいピュアなサウンドからは、
音の裏に隠れた作者の意図みたいなものが伝わってくる気がして、
髪型だけはアーティスティックなセンクスをゾクゾクさせるのである。
そういった意味では、
ミスターセンクスはこの機器を通じて、
再現できない作者の思いを聞いているのかもしれない。
そんなセンクスのBANG & OLUFSENは、
不具合があり現在入院中である。
2週間ほど戻ってきていないためか、
なんだか寂しい気分になってきた。
早くもどってきてほちい。