「学びと社会をつなぐ」、その「社会」とは何なのか?【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】
4月の英国視察の報告会を3回に渡って開催してきました。
報告のために追加で資料収集(英語)をしたりまとめたり、
さらに参加したみなさんからの声をお聞きし、
自分の中でもモヤモヤが増えたり、
論点がクリアになってきたりと、
英国という国を通して、
日本の現状や課題と向き合う日々が続きました。
この原稿はまだVol.3(6/4)前に書いているのですが、
きっとVol.3での議論を経たら、
また違う視点も生まれてきていることでしょう。
今回は、
私の「モヤモヤ」をなんとかコトバにすることを
試みてみたいと思います。
さてうまくコトバになるだろうか・・・?
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両国のキャリア教育を比較してみて思ったのは、
英国は「どんな社会を実現したいか」から
キャリア戦略を立案しているのに対して、
日本は「人をどう育ているか」に焦点をあてて
文科省・厚労省それぞれの施策があるという点。
そもそも国の背景が違うので、
どちらが良いかという議論はナンセンスなのですが、
とはいえ、ハタと気づいてしまったのは、
私たちは「社会」をどのようにとらえているのだろうか?
という疑問でした。
具体的な社会については
「学校教育段階では考えなくて良いもの」と
どこかで思ってたんじゃなかろうか・・・?
例えば、
キャリア教育を語るにあたってよく聞かれる
「実社会と学びをつなく」というコトバ。
ベクトルとしては100%同意だし間違ってないです。
ですが、
キレイなコトバでまとめただけになっていないでしょうか?
学びとつなぐべき「社会」って、具体的にどういうこと?
VUCA?
変化が速く予測不能?
AIと協働する社会?
人生100年時代?
・・・・うん。
どれもその通りで間違っていないんだけど、
もう少し生々しい何かがあるんじゃ・・・
そんなモヤモヤを抱えながら読んだ本がこちら。
「男子系企業の失敗」(ルディー和子著)
ジェンダーうんぬんの話ではなく、
「失われた30年」の背景を紐解くものでした。
ここで指摘されていたのが
「同質性が高い組織では現状維持志向が高くなる」
ということ。
VUCAも「予測不能な社会」もAIも、
変化が求められると訴えているにも関わらず、
現実は、変わることができずにいるんですね。
子どもたちが学校教育を終えて出ていく社会は、
こういう矛盾をはらんだ社会なのだというのが
生々しい実態なのかもしれません。
この矛盾を、子どもたちに託すわけには、
いかないよなぁ・・・
教育に関わろうとする大人が、
こういう社会の現状に無関心でいてはいかん。
「社会と学びをつなぐ」とはどういうことなのか、
この点に真剣に向き合う必要があるのかもしれません。
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