【読書メモ】男子系企業の失敗(2024-No.24)
タイトルのインパクトほど、男性と女性うんぬんという話ではなくて、「失われた30年」の背景として、現状維持志向について分析しているもの。日本企業のDX化の遅れの背景にも言及されていたりして(日本は情報システム部門の外注が他の先進国より多いのだと!)。「多様性は生産性を高めるが、一方で好まれない」という話も、うなずきつつも、それだと「この国に未来はあるのか?」という懸念も生まれてくる。
このところ、英国視察の報告会のために情報収集していて、モヤっとしていたこと。英国は「Social Mobility」(社会流動性)というキーワードでキャリア教育の推進をしてきている。確かに、移民の数・割合は日本とは段違いだから、そこから生まれる社会課題が全く違うのであろう、と思っていたが、日本でもいろいろなところで「格差」も「機会の不均等」もある。けっこう深刻な課題だし、こと学校教育においては、IT化によってその格差は広がる傾向にある。でも、こうした格差の解消は、切実に取り組まねばならないものであるという認識や、国の施策レベルでの切迫度がないのは、「同質性」から生まれる「現状維持志向」が影響しているような気もする。けっこう根が深いような気がするのだ。キャリア教育の側面からも、こうした労働市場の現状をどう把握しておくべきかは、検討のしどころ。