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AWESOME Choices Issue no.034 神経科学への興味から医学部に進学し、人のために生きられる人を目指して医学の学習に励む理系女子大学生

Uさん

現在大学2年生、東京大学医学部医学科で勉強しています。最終的には医師国家試験の合格を目指す学部ですが、低学年では基礎医学の組織学、生理学、免疫学などを学びます。
この学部の面白さは、「人体」について網羅的に知ることができる点です。
休みの日は友人とごはんを食べに行くことが多いです。運動をするのも好きです。

現在は医学部で学んでいるとのことですが、子供のころはあそびやおもちゃ、アニメなど何か好きなことはありましたか?

子どものころは、とにかく外で遊ぶのが好きでした。幼稚園や小学校の放課後は、習い事などがない日はずっと公園で鬼ごっこやサッカーをしていた記憶があります。工作は好きでしたが、じっとしているのは苦手で、「いつも図鑑に釘付けになっている 」というような子供ではありませんでした。博物館や動物園などを幼い頃に楽しめた記憶も実はあまりないのですが、科学系のテレビ番組(NHK の「考えるカラス」など)は好きで、たまに観ていたと思います。好きなことを、好きなように楽しんで過ごす生活をしていました。

とても好奇心旺盛で外向的な性格だったのですね

高校で理系に進もうと思った理由について教えてもらえますか?

小学校の頃から得意科目は算数/数学だったので、高校2 年の時の選択科目で物理、化学、数IIIを選び、理系学部に進学しました。ネガティブな理由としては、暗記に得意意識がなかったため文系の受験勉強に耐えられる自信がなかったからというのもあります。

文系のキャリアについての知識があまりなく、理系のキャリア(研究者や医師)の方が解像度が高かったからか、真剣に検討せず自然と理系を選択していたように思います。

理系科目が得意で、理系のキャリアに対する理解が深かったことが
理由で理系の道を選ばれたのですね。

大学で医学部を選んだ理由についても教えてください

医療ドラマで描かれている医師の姿に感銘を受け、人のために生きられる人になりたいと思うようになりました。また、数学や物理は受験のための勉強科目としては好きでしたが、大学で「学ぶ」にはちょっと違うかな…という感覚もありました。

中学生の時に脳科学の本を読んで(東京大学薬学部の池谷裕二先生の著書にハマりました)、神経科学の研究に興味をもったのも大きな理由です。神経科学は学際的な学問なので、様々な学部(理学部や工学部、薬学部、文学部など)で学べますが、人体を隅から隅まで学び、そこで得られた基礎研究の知見を人間社会に役立てることができれば良いなと思ったため、医学部を選択しました。疾患に関連する研究をしやすいという点も医学部の魅力だと思います。

医師の姿に感銘を受けたことや、神経科学への興味が大きな理由で
医学部を選ばれたのですね。

今の大学での授業・実習・プログラムのなかで、これは面白い!自慢できる!というものについて教えてください

教養科目で履修したものに、社会人にインタビューを行って記事を作成するという少人数の授業がありました。それまで「人に話をしたり聞いたりすること」について深く考えた経験がなかったため、どのような姿勢で、どのような切り口で人と対面すればその人の言葉を引き出すことができるのだろうか、と試行錯誤しながらインタビューを行うのが新鮮で楽しかったです。将来医師になった時にも、人の話を聞く場面は必ず訪れると思うので、この授業の経験が活かされるかもしれないな、と思いました。

短期で研究体験をさせてもらえるプログラムもありました。私は医学部で学んでいますが、他の学部の生物系の学科で数日間に渡り実験を行うことができ、医学部とは異なるアプローチの研究を知ることで視野が広がりました。

インタビューを通して人の話を引き出す経験は、将来医師になった時に
患者さんの話を聞くのにも役立ちそうで、とても良い経験ですね。

日々の生活の中でご自身が「理系が出ているな」と感じることなどはありますか?

買い物をしながら値段を暗算して、会計の時に答え合わせをしてしまう癖には算数好きが表れているのかもしれません。

計算が得意で買い物の際に答え合わせをしたくなるのは、
理系ならではの楽しみ方ですね。

「理系を学んだこと」や「リケジョ」に対して何か思うことなどあれば、教えてもらえますか?

高校までは理系/文系で分かれていましたが、大学に入り、学問は多分野を横断して複雑に絡み合っていることが多いと分かってきました。理系や文系の選択は、最初にどちらの切り口から学ぶのかというだけのことのような気もします。

また、日本の理系、特に工学分野における女子の割合の低さは問題になっていますが、その要因の一つに「知らないから選択できていない」というのもあるのではないかと思います。周りに農学系や医学系の人はいても、工学系に進んだロールモデルや進もうとしている友人があまりいないから、考えてもみなかったというケースもあるのではないでしょうか。どんな学問があって、それを学んだ先にどんな職業に就いている人がいるのか、そういうことをまずは「知る」ことによって、考え得る選択肢は増えていくと思います。

確かに、どのような人物がどのような経緯で活躍しているかを知ることは、選択肢を広げる上で非常に重要です。
もっと「知る」機会が増えるような環境を作り上げたいですね。

これからの進路を考える女子中高生や理系学部で学んでいる学生の方などに向けて、ぜひ一言アドバイスをお願いします

将来のことを多少は考えつつも、何かに囚われすぎることなく、興味の赴くままに自由に選択して良いのだということを伝えたいです。大きな選択をする時にはそれっぽい理由を考えますが、選択した後は、その選択を自分にとっての正解にできるように行動すれば、自分の気持ちも周囲の反応もプラスの方向に働いてくると信じて良いと思います。

最後に

中学生の頃に神経科学に興味を持ったことで理系の世界に入り、現在は、医師国家試験に合格できるように、基礎医学の組織学や生理学、免疫学など専門的な勉強に励んでいることがよくわかりました。自分の選択を自分にとっての正解にできるような行動を心がけて、人のために生きられる人を目指すUさんの更なる活躍を応援しています!貴重なお話、ありがとうございました。

あとがき

AWESOMEでは、理系で培ってきた強みを活かして、さまざまな業種や職種で活躍する女性の「選択(Choices)」から見えてきたストーリーを紹介していきます。
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