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AWESOME Choices Issue no.033 新しい物質を生み出す化学の魅力に惹かれ、化学反応についての学習に励みながら未来を切り開く理系女子大学生

水谷環さん

現在、早稲田大学3年生で、先進理工学部応用化学科に所属しています。具体的には、有機化学や無機化学に加えて化学工学や触媒化学を学び、化学反応を分子レベルで解明しそのメカニズムをどのように応用できるかを学んでいます。この学科の面白さは、あらゆる化学反応を理論的に理解でき、また、多くの実験科目を通してさまざまな分析機器に触れられる点です。 趣味は音楽や語学の勉強で、休みの日にはギターのサークル活動や地元の美味しいお店巡りをしています。

現在は先進理工学部の応用化学科で学ばれているとのことですが、子どものころはどんなことが好きでしたか?

小学生の頃は、毎日外で元気に遊ぶというよりも、家の中で工作をすることが多かったです。3歳下の妹と一緒にビーズでアクセサリーを作ったり、編み物などの裁縫をしたりと、細かい作業が好きでした。最近も、ジブリパークで購入したミニチュアのアリエッティの家を作りました。また、小学校高学年からは英語の勉強に夢中になり、スピーチ大会に出場したり、英語部に所属して文化祭で英語劇を披露したりしていました。

趣味が多彩で、特にものづくりがお好きだったのですね。

高校で理系に進もうと思った理由について教えてもらえますか?

両親が理系だったこともあり、小さい頃から漠然と自分も理系に進もうと考えていました。数学や理科の問題は論理的に考えることで正しい答えを導き出せて、その考える過程が好きだったからというのもあります。また、国語の長文読解が苦手だったことも、理系を選んだ理由の一つです。

ご両親の影響や理系科目の論理的思考の面白さから
理系を選ばれたのですね。

大学で先進理工学部応用化学科を選んだ理由についても教えてください

元々は国立の薬学部を志望していました。高校で有機化学を学んだとき、さまざまな反応を組み合わせて思い通りの分子を作り出せることに魅力を感じたこと、また、幼少期に川崎病にかかった経験から難病向けの薬を開発したいと思ったことが理由です。しかし、結果は不合格だったため、併願していた早稲田大学に進学しました。

応用化学科を選んだのは、化学の知識を活かして新しい物質を開発できる点が面白いと感じたからです。実際に入学してみると、周りには活発でやりたいことに全力を注ぐ人が多く、日々刺激を受けながら忙しくも楽しい大学生活を送っています。

新しい物質を生み出すことのできる化学の面白さから
今の学科を選ばれたことがよくわかりました。

今の大学での授業・実習・プログラムのなかで、これは面白い!自慢できる!というものについて教えてください

理系文系問わず、いろいろな講義を自由に履修できる点が魅力だと思います。他学部の学生と交流することで新しい価値観に触れることができ、視野が広がります。コロナ禍を経てオンライン授業が増えたことで、他キャンパスの授業も受講しやすくなりました。また、化学実験に加えて化学工学実験の科目があり、工場のような配管が張り巡らされた実験室で製造プロセスについて学ぶことができます。

理系文系を問わず、さまざまな視点から学べる環境があるのは
とても魅力的ですね。

日々の生活の中でご自身が「理系が出ているな」と感じることなどはありますか?

理系というより化学科よりなのですが、食品や薬の成分表示を見てどのような成分が含まれているのかを確認し、その構造式を思い浮かべる癖があります。また、スマホやパソコンの文字変換で「ちょうせい」と入力すると、調整ではなく(試薬などの)調製が先に表示されることがあり、自分は化学科の学生なんだなとしみじみ感じています。

化学科ならではの視点で、化学に対する意識が日常生活にも
反映されているのが面白いですね。

「理系を学んだこと」や「リケジョ」に対して何か思うことなどあれば、教えてもらえますか?

理系分野を学んだことで物事を論理的に捉えられるようになりました。また、私の学科は男女比が半々なので、特に不自由を感じることはありません。しかし、学習支援ボランティアに参加したときに「リケジョは助かる」と声をかけていただいたり、高校時代にシドニー大学主催のInternational Science Schoolに参加したとき、日本の高校とは異なり参加した高校生の男女比が半々だったりしたことから、日本ではまだまだ理系女子が少ないのだと感じました。女子は理系が苦手だという周囲の意見に左右されることなく、自分が本当に学びたい分野を選択できる世の中になればいいなと思っています。

確かに周囲の意見に流されずに自分の道を選ぶことは大切ですね。

これからの進路を考える女子中高生や理系学部で学んでいる学生の方などに向けて、ぜひ一言アドバイスをお願いします

理系に限らず、興味のあることにはハードルが高く見えてもぜひ積極的に挑戦してみてください!そうすることで、道が開けて、自分のやりたいことが見えてくると思います。私は高校生のときに三度海外研修に参加し、そのたびに新しい発見があり、将来を見つめ直すきっかけになりました。上手くいかず大変なこともあるかもしれませんが、熱意があれば周りの人は応援してくれるはずです。たくさん悩んで、たくさん挑戦して、自分が納得できる選択ができれば良いと思います。私も今将来について悩んでいる最中なので、お互いに頑張りましょう♪

最後に

化学で新しい物質を開発できる点に魅力を感じたことから理系の道に進み、現在は化学反応の解明やそのメカニズムの応用について学習に励んでいることがよくわかりました。興味のあることに挑戦し、新たな発見から将来への道を開いている水谷さんの更なる活躍を応援しています!

貴重なお話、ありがとうございました。

あとがき

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