書くことが好きになる!「作家の時間」

こんにちはTTです。

「聞く」→「話す」→「読む」→「書く」

これは人が習得していく言語活動の順番を表しています。

今回はこの中で一番難易度が高いとされ、特別支援学校には苦手→嫌いな生徒も多い「書く」ことの指導法の一つ、「作家の時間」ついて学んだことをまとめていきます。


1 作家の時間とは

 欧米では1980年代から広がり始め、今では効果的な書くことの学び方として定着している「ライティング・ワークショップ」の日本版。

 日本でも小学校を中心に、岩瀬直樹先生などの実践が有名。


2 作家の時間の効果

・子どもが「書くこと」を好きになる

・「書くこと」が好きな子どもは主体的に書く技術を学び、実践する→書く力が上がる


3 作家の時間の方法

 作家の時間は

1)ミニレッスン 10分

2)書く     30分

3)作家の椅子(共有の時間) 10分

という構成で進めます。


1)ミニレッスン

 授業の最初の10分くらいを使い、書くことの技術を焦点化して教えます。最後の「作家の椅子」の時間ではこのミニレッスンで教えたことについてフィードバックできると、その授業で教えたいことをさらに強調できるかなと思います。

 教える内容は以下のようなものがあります。

①作家の時間とは

②1時間の流れ

③書けそうなことリスト

…教員の書けそうなことリストを見せる→個人でブレスト→共有→個別の質問でかなり出てきます。

④作家の時間の約束

⑤作家の椅子のきまり

⑥書き出し

…体言止めやセリフ調など

⑦イメージマップ

⑧読みたくなる題名

…実際の本を見て、読みたくなる工夫を探すなど

⑨比喩

⑩5W1H

⑪感じたこと>したこと

などがあります。机間巡視で生徒の作品を見て、足りない部分を次の授業のミニレッスンとして採用します。


2)書く時間

 ひたすら書きます。ジャンルも席も自由。作品について話す分には小声であればかまいません。仲がいい人と相談しながら書いたほうが、作品がよくなるのであればそれも認めていいと思います。ただ、そういった自由を認める前には

「小声で話す」や

「関係のない話はしない」

などの約束を前もってすることが大切です。

 この時間、教員は対話をしながら生徒の作品作りを支援していきます。かかわり方としては

①見守る

②質問する「どうしたい?」「どうすればいいと思う?」

③提案する「こういう方法があるよ」

④選択肢から選ばせる

などがあります。間違っても赤ペンで「こうしましょう」などとしてはいけません。それでは書く意欲をそぎますし、書く力もつきません。

①②を中心に組み立てるのがいいのかなと思います。


3)作家の椅子(共有の時間)

 この時間では何人かの生徒が前に出て、教員の椅子に座り作品を発表します。生徒の選定ですが、ミニレッスンで教えたことなど、全体で共有したいことを含んだ文章を書いている生徒を教員が選ぶのがいいのかなと思います。

 聞く側は「友好的なアドバイザー」になって作品を聞きます。そのときはこの3つのフィードバックをするように伝えます。

①よかったところを具体的にほめる

②わからなかったところ・もっと知りたいところを質問する

③改善方法を提案する

この時間で主体性を保ちながら、生徒全体のレベルの底上げをすることができます。


今まで書いたことは冒頭に載せた本にさらに詳しく書いてあります。気になった方はぜひ、読んでみてください。

それでは今日はこれで終わりにします。

ありがとうございました。