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日付のない即興の詩

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2021年7月の記事一覧

詩:『記憶の湖』

僕は、夢をみている。湖と少女の夢だ

少女は、水面を素足で弾く

火花が散るような輝きで、水滴が宙を舞った

ひとり水辺に佇む君の背中は、寂しくて

君の姿は、僕の記憶を揺り動かした

笑った顔

怒った顔

泣いた顔

君は、僕にとって特別な人だった

……そうだ、僕は、君のことを忘れてしまっていたんだ

近くにいたのに、気づかないふりをして

遠くにいこうとして、置き去りにして

それでも、君

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