詩:『記憶の湖』
僕は、夢をみている。湖と少女の夢だ
少女は、水面を素足で弾く
火花が散るような輝きで、水滴が宙を舞った
ひとり水辺に佇む君の背中は、寂しくて
君の姿は、僕の記憶を揺り動かした
笑った顔
怒った顔
泣いた顔
君は、僕にとって特別な人だった
……そうだ、僕は、君のことを忘れてしまっていたんだ
近くにいたのに、気づかないふりをして
遠くにいこうとして、置き去りにして
それでも、君は待っていてくれたんだね
夢の中で、僕が戻ってくるのを、ずっと……
彼女の手を取り、抱き寄せる
冷たくなった身体に、もう一度、ぬくもりを焼べるように
記憶は、声の調べに乗せて蘇る
無数の世界の、無数の女の子達のお話
氷の中に閉じ込めた秘密を
君だけに教えて上げる
それは、いつか、あったもの
そして、いつしか、なくしてしまったもの
辿り着く物語は、ガールズエンド
ふたりの世界にそっと花を添える
あどけない香りをつれて
君の気持ちに
鳴り響く
ガールズ・エンド・アドレッセンス