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日付のない即興の詩

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2021年5月の記事一覧

詩:『夏が棲む』

得体の知れない夏が棲む

穏やかな瞬きの中に
剥き身の寂しさの中に
触れ合った肌の涼やかさの中に

夏は留まることを知らず照り付けて
蒸発する心になすがままにされる
あやされるように虚空をなぞっては
その暑さを抱えたままでいる

汗ばむ身体で今日も夢に見る
あの取り返しのつかない愛しい日々を