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日付のない即興の詩

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2019年3月の記事一覧

『夢、あるいは、夢のような話。』

『夢、あるいは、夢のような話。』

【詩:その1(凪沙)】

夢、あるいは、夢のような話。

私は、ひどくひんやりとした部屋の中にいた。
扉は、固く閉ざされていた。
漆のような重い液体が、ぽつぽつと流れ落ちる音を聞きながら、
その黒色を体に染み込ませて行く。

白い肌にインクを垂らしたような斑点が浮かび上がる。
毒だ。これは、私の心が生み出した毒なのだ。
まとわりついてく幾つもの粒に、絡め取られる。
真綿で首を絞めるように広がるそれ

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