【架空日記シリーズ】ヒーローを見かけたんだけど。。。
ある日の夕方、町の平穏を打ち破るような叫び声が響き渡った。
「助けて！」と女性の声。その瞬間、私は近くのベンチに腰掛けていた。
何気なくその声の方へ目を向けると、どこからともなく「ヒーロー」が現れた。
「助けに来たぞ！」と威勢の良い声が町中に響く。その姿は実に立派だ。真っ赤なマント、胸には大きな「HERO」の文字（ダサッ）、そして完璧に整えられた髪型。だが、次の瞬間、彼の動きに私は思わず眉をひそめた。
犯人はすでに町の交差点を駆け抜けている。一方、ヒーローはというと、信号機の前で立ち止まり、赤信号が青に変わるのをじっと待っていた。近くにいた小学生が「あれ、ヒーローなのに走らないの？」と囁いているのが聞こえる。彼は動じる様子もなく、「市民の模範になるのがヒーローだ」と胸を張る姿がなんともシュールだった。
ようやく信号が青に変わると、ヒーローは再び全速力で走り始めた。だが、次の交差点でまた赤信号に引っかかる。その間、彼は腕時計を確認しながら何やら満足げな表情を浮かべていた。「ルールを順守するヒーローか。いいのか悪いのか。」と思わず苦笑いしてしまった。
当然ながら、犯人はその間に悠々と逃げ切った。女性のバッグは戻らないまま、ヒーローは肩を落として現場に戻ってきた。
「くっそ、信号め！」と彼は落胆した声で言った。周りの人々もどこか呆れ顔でその場を後にしていく。私もその一人だったが、なんとも言えない気分でその場を離れた。
その日の夜、SNSを見てみると案の定、彼の姿が動画に撮られてバズっていた。「信号を守るヒーロー」として賛否両論が巻き起こっている。「規律を守る姿勢は評価したい」と擁護するコメントもあれば、「いやいや、まずバッグを取り返してよ」と冷静なツッコミも多かった。
翌日、偶然また彼を見かけた。何か事件が起こったらしく、「助けに来たぞ！」と元気よく駆けつける姿があったが、相変わらず信号待ちをしている彼の姿が目に入る。その光景に私は思わず苦笑しながら足を速めた。
町の平和は今日も続く。ただし、このヒーローが本当に役立つ日は来るのだろうか。少なくとも、信号機次第だ。
P.S.
ごめん、ちょっとchatGPTつかったぴょん（語尾ｗ）
以上、
あわたどの
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