ChatGPTで書いたプレスリリースは取材されるものになるのか
今、話題のAIツールといえば、ChatGPT(チャットジーピーティー)。マイクロソフトの検索エンジン『Bing』にも搭載されたことで、IT業界では「Googleが終わる」とも言われています。
コンサルしている企業の広報さんが
「とある広報さんがChatGPTを使ってプレスリリースを書いたら取材率が上がるのかしらって発言して、某コミュニティで話題になってました」と教えてくれました。
元マスコミの人として言うと
「ChatGPTで書いたプレスリリースは、そこそこレベルの方が書いたプレスリリースを上回るが、取材されるものになるかというと、違う」
です。
*実際に作ってみる
「新しいソフトウェア」 でプレスリリースを作ってみました。
どうでしょうか。
これを読んで「すごい!ちゃんと書けてる!」と思った広報・PRの方。
記者から見ると、ゴミ箱行きリリースの典型例です。
実は、99%のプレスリリースが「宣伝」なんですよ。
*記者から見たChatGPTが作ったプレスリリースの感想
ChatGPTは、ネット上の情報を集めてものすごい速度で文章を生成してくれます。正直、記者でもこんな速さで記事をかけないので、すごいです✨
しかし、プレスリリースとなると違います。
99%のプレスリリースが自社の宣伝文なわけですから、ネット上にあるものも言わずもがな。ChatGPTで作られるプレスリリースが宣伝チラシになってしまうのは仕方のないことですよね。
あなたのプレスリリースが「きちんとしたメディアに掲載される」ことを目的としておらず
プレスリリース配信サービスのPV数
転載数
を上げることが目的ならば、どんどんChatGPTを使ってリリースを量産してください。
しかし、新聞、雑誌、テレビなどに出たい!のであれば、まず
このソフトウェアをなぜ、今取材しなければならないのか
の理由である、新奇性を入れてください。
また、ChatGPTのデータは「最新」のものではないので(2021年時点のデータに基づいている)「今、業界ではこんなトレンドがあるのでこのソフトウェアが発売された」という一文を入れることができません。
ここがないと「取材に行こう!」になりづらいんですよね。
ほかにも、これがないよ、これ入れるといいよ、などいっぱいポイントがあるのですが…
何度も取材されるプレスリリースには、書き方のお作法があります。
「2万PV行きました!」と喜んでも、取材が入らなければ意味がないですよね。「○媒体に転載されました!」と言っても、マスコミから見たら転載は「取材記事」ではないので「メディア掲載例」には入らず、加えて
「この会社の広報さん、わかってないみたいだから取材してもだめそう…」と取材先リストから外されます(私やってました)。
ぜひそのポイントを学んで、AI時代でも勝てる広報活動を行ってください!