サハラとらくだとトゥアレグと。アラフィフ女性がサハラを目指す①
サハラとらくだとトゥアレグに惹かれている。
サハラは、アラビア語で砂漠という意味。
トゥアレグはベルベル系の遊牧民で、藍で染めた衣服を身に付け、肌も藍色に染まるので“ブルーマン”と呼ばれることも。
サハラとらくだとトゥアレグの世界に、昔から心惹かれていた。
モロッコのサハラに初めて訪れたとき、その静けさと満天の星空に感動。テントで眠るのがもったいなくて、砂の上で横になった。
空を埋め尽くす星。ときどき流れる星を眺めたくて、なかなか目をつむることができなかった。
らくだ引きも、らくだも、あまりにもすたすたと砂丘の上を歩くから、らくだの上で揺られるよりも歩いた方が楽なのかと思って、らくだから降りる。3歩進んだだけですぐ喉がカラカラになり、砂に足をとられて、全くもって楽ではなかった。
耳元で声がした。誰かが近くにいるのかと思い顔を上げると、遠くの砂丘に人がいるのが見えた。あまりにも人がいなくて、あまりにも静かだから、風が運ぶ音がすぐ近くに感じるのだ。ガイドからは、「絶対アラームを設定するな」と注意喚起された。
星空とオレンジ色の砂の世界。タジンで簡単な料理を作ってくれ、ベルベルウイスキー(ミントティー)を飲む。火を囲み、グラスやそこにあるものでリズムを奏でる。
サハラエリアの、土で造られたシンプルな家。家畜とともに、自給自足に近い暮らしをする人々。その全てに惹かれ、憧れていたあのころ。
モロッコに暮らした懐かしい日々。完全撤退して東京で働き、疲れ果てて田舎へ移住した。田舎暮らしを満喫するうちにパスポートの期限は切れ、遠い世界より身近な暮らしに身も心も没頭していた。
そんな私の、サハラとらくだとトゥアレグへの気持ちを再燃する出来事があった。そして今、アラフィフの私は再びサハラを目指そうとしている。
それが実現するか否かは、インシャアッラー(神のみぞ知る)。
どう転んだとしても、「サハラに行く」を実現するべく動き出した時計は止められない。どんな結果になったとしても、このどきどきわくわくを楽しみたいから、今の想いとサハラへの道のりを、書き残していこうと思う。