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人生のやり直しは不完全から始まる
ダルビッシュ有選手の奮起
優秀な野球選手、ダルビッシュ有選手が、
自分を奮起させた有名なエピソードがある。
彼は、20歳まで生きているのに、成績があまりさえない現状を憂いた。
このままあっという間に40歳になり、選手生命が終わり、
ホームレスになる悲惨な将来を思い描いてしまった。
危機感を感じ、考え方を切り替えた。
「神様が20歳の今に戻してくれた」ととらえなおし、
それから彼は際立った努力と能力を発揮するようになった。
誰でもいつでもやり直せるか?
一流の選手だからこそできたことなのだろうか?
多くの人は、若くして新しいチャンスを見つけたり、
流れを感じたとしても、尻込みしてしまう。
そして、「長いものに巻かれて」、年を取り、
次に来たものもあきらめるようになる。
つらい人生を送ったことで決断が鈍る人もいる。
将来も可能性も見えない生活もある。
その中で、暗い現実がそのままに、
時間がどんどん進んでいく苦しさがある。
けれど、挑戦した人や抜け出した人はこうアドバイスする。
「気づいた時がやりなおすチャンスだ」と。
苦しさの質が変わる
やり直しはスイッチのように切り替えるものなのだろうか?
すぐに人生がぱっと明るくなるほど、簡単ではなさそうだ。
「諦める苦しさ」から、「目の前のことを選び取っていく苦しさ」に
置きかわる。
しかし、これは不可能を可能にする克服でもなく、
一気に理想を実現しようとする無茶でもない。
今までと質感の違う3cmの段差を少しずつ登るだけでいい。
過去のきらめきは役に立つ。
写真やSNS映えはしないけれど、特定の風景や物事に興味を持ったこと。
少し手をつけて、恥ずかしくなりやめてしまったこと。
気持ちの良かったり、さわやかさを感じた状況。
そういう記憶は、これからの方向性を示してくれる。
完璧さは必要ない
人生に、最も必要のない要素は「完璧さ」だ。
完璧でないほうが、幸せになれる。
仕事のパーフェクトなキャリア。
その道をハードワークで駆け上がる超人もいるが、
出世街道からは多くの人が漏れていくのが必然だ。
そんな一握りの「えらいひと」のための仕事論よりも、
レールから外れた後のやり直し方が多くの人の役に立つ。
結婚も子供も自分の選択のように思えるし、
避けられない要因もあるようにも思える。
未婚率の無機質な統計に、結婚との葛藤が含まれる。
完璧な人生は多くの人が求める。パイは小さい。
結局手に入るのは、
「こういう幸福じゃないといやだ」という欲をみこした、
多くの換金可能な商品とイメージだ。
不完全で換金不可能なものに幸福が隠れている。
さよならする
ダルビッシュ有選手のように、
将来から今にタイムマシンに乗って人生をやり直したとする。
まずやることは「完璧」とおさらばすることだ。
目の前には「こんなはずじゃなかった」というものばかりだ。
けれど、それは悪いことじゃない。
手に入れたいと思い込んでいた幸福は、
手に入れようと際限のない「欲」を煽りたてるもの
だったのかもしれない。
価値のある宝石の代名詞、ダイヤモンドは、
最近人工製造が普及したことによって、その価格と価値を大きく棄損した。
すがすがしい天気の下、
河原の珍しい模様の石は、最初からまったく値が付かない。
「だから」、売る必要もなくずっと家で飾っておける。
きっと、やりなおした人生はそんな石がたくさん見つかる。
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